フルカウルバイク、前傾ヤバさランキング【国内全30車種】
2024.02.25
2022.09.13
今回のテーマは、ホンダCB250R。250ccで144kgと、超絶軽量な隠れた名車です。乗り始めてある程度馴染んだので、所有者目線で解説します。
CB250Rの特徴は、とにかく軽いことです。公道を走れる、フルサイズの125ccやオフロード車が130kgくらいで、それに次ぐ軽さです。CB250Rの軽さの体感は、ほとんどそれらと変わりません。むしろ、セローなどのオフロード系は車体が大きいので、取り回しでは130kgのセローよりも軽く感じることもあるくらいです。
軽さのメリットと言えば、加速感。参考までに、1名乗車くらいでのパワーウェイトレシオを計算してみました。出力の単位は馬力、トルクはニュートンメートルを使っています。仮に60kg 1名乗車とすると、車体が144kgなので204kg。出力は27PSなので、パワーウェイトレシオは7.56。トルクは23Nmで、トルクウェイトレシオは8.87です。以前Z400の動画で車のカローラなどとパワーウェイトレシオを比較しましたが、カローラよりパワーウェイトレシオはだいぶ上になりました。単気筒なのでパワーは控えめなものの、軽さもあって結構いい数字だと思います。GSX-S125などの125ccフルサイズでは、どうしても発進トルクが小さくて高回転まで回さないともっさりした感じがありますが、このCB250Rは初速からスピーディーに行けますね。
軽さとあわせて大事な特徴が、「回転半径の小ささ」です。実は、この「小回りによる運動性能の高さ」が、このバイクの真価かもしれません。最小回転半径は2.3mと、これより小さい回転半径のバイクはミニバイクとセローくらいです。125ccフルサイズのCB125Rと車体が共通なので、それと同じ回転半径です。
ざっと回転半径を整理すると、このようになっています。GROMやセローが1.9、CB400SFが2.6、MT-03が2.7〜2.9です。SRも2.4と検討していますね。Z650はミドルクラスの中ではかなり小回りがききます。CB250Rの2.3mは、この表を見ても上位にあることがわかると思います。
このバイクを購入する前、ホンダモーターサイクリストスクール、通称「HMS」でCB250Rを使って走ってみたことがあります。それで気に入って翌日ホンダドリームに予約に行ってしまったのですが、フルロックフルバンクで、タイトコーナーを素早いコーナーリングで駆け抜けることが可能です。パイロンスラローム、8の字走行はもちろん、Uターンもかなり余裕をもって回れます。オフロード車、ミニバイク並みの小回りといっても過言ではありません。ホンダ系列の会社が実施しているHMSは、1日行くと相当スキルアップできる「夢のスクール」ですが、また別の動画で詳しく紹介したいと思います。
ハンドルハンドルは横一文字に近く、結構離れています。このため、やや前傾気味の姿勢になるのと、フルロックまでハンドルを切った時外側が結構遠くなります。この辺はZ400など現代のストリートファイター系に準じていますね。やや前傾になると言っても、快適な範囲内の前傾ですし、フルロックフルバンクするジムカーナのような環境でも、車体が大柄ではないので、困るようなハンドルの遠さではありません。シート高も800mmなので、小柄な人は一度またがって足つきの他、フルロックまでハンドルを切った状態を体験してみた方が良いと思います。
視界ミラーは見やすいです。普通のミラー角度で真後ろまで見えるので、エクステンションで位置調整などしなくても問題ないと思います。ハンドルの振動も大きくないので、高速道路走行などでもミラーの振動で後ろが見づらい、ということもありません。
2022モデルから、ギアポジションインジケーター、アシスト&スリッパークラッチなど、他のモデルと遜色がない装備がつきました。それまで250Rだけちょっと遅れたような装備でしたが、これでそういったもやもやからも解放されています。ギアポジションインジケーターは、やっぱりありがたいですね。だいたい感覚でわかっても、目で確認できれば幻の7速に入れることもありません。アシスト&スリッパークラッチのおかげで、クラッチはかなり軽いです。クラッチは軽ければ軽い方がいいですね。
高速道路を走る体感については、特につらさを感じることもありません。比較の対象がちょっと偏りますが、パフォーマンスダンパーをつけたセローより全然楽です。そしてパフォーマンスダンパーをつけたSR400よりもはるかに楽です。Z400よりも振動が少ない分楽なかんじがします。軽いので横風に弱そうですが、意外にそうでもなく、横風もSR400に比べれば安定している感じです。CB400SFや、XSR700、Z900RSと比べると、さすがにそれらのバイクほど楽ではありません。144kgの超軽量なので、200kg前後クラスのバイクに比べれば高速安定性はもちろん劣ります。でもCB250Rには、これで十分いけるかな、という懐の深さを感じますね。 CB250R用のパフォーマンスダンパーも販売されているので、今度試してみようと思っています。取り付けたらまた別の動画で紹介しますね。
リアサスは、初期状態で7段階中柔らかい方から2段目にセットされています。ホンダのバイクは全体的にデフォルトがあまり堅くないイメージがあります。ヤマハも同じような感じで、カワサキはやや堅め、スズキさんは結構堅め、くらいなイメージがあります。スズキSV650XやGSX-S125のデフォルトでは結構跳ねる感じがありますが、CB250Rは道路のギャップでも跳ねたりすることなく、とても気持ちのいい乗り心地です。体重60kg以上の人は、ご自身の体重にあわせて、堅めに調整してもいいかもしれません。分解せず簡単に調整出来る仕様なので、ありがたいですね。
積載はないので、シートバッグかキャリアで増設しましょう。シートバッグをつけても、そんなに背中に当たって邪魔な感じもありません。キャリアをつける場合はCB125R、海外版のCB300Rと車体が共通なので、これらに対応した製品が使えます。ペンたろうは、SHADの箱が余っていたので、それをつけるのにSHADのフィッティングキットをつけようと思っています。耐荷重が高いキャリアをつけておけば、ちょっとした遠出にも十分な大きさが積めますね。
他のバイクとの比較ですが、1日試乗したバイクなどは基準が違くあてにならないので、同じ所有バイクとの比較だけ紹介します。
GSX-S125GSX-S125と比較すると、街乗りではCB250Rの方が明らかに速いですね。逆に、高回転回す楽しさはGSXに軍配が上がると思います。日常使い、オールマイティに使うならCB250R、ワインディングを10,000回転オーバーの高回転をカチ回して走りたい人はGSX-S125が良いです。GSX-S125は下のトルクが薄いこともあり、自然に高回転キープで走ることになり、それがまた特に気持ちいいのですが、CB250Rも1万回転回るので、高回転維持で走れます。振り切ったスポーツモデルか、バランスがとれたスポーツか、の違いですね。近い土俵の2台です。
Z400直線のパンチ力は圧倒的にZ400です。直線の加速が好きなら、Z400の方が楽しいでしょう。Z400のパワーウェイトレシオやトルクウェイトレシオは以前計算しましたが、初速からの加速感は大型ミドルクラスに近い気持ちよさです。それに対して、CB250Rは軽くてクイックに回れます。Z400もかなり軽いですが、CB250Rは輪をかけて軽いので、小さい回転半径をあわせたクイック感が好きな人や、日常使い他、軽さが良い場面ではCB250Rの方がいいと思います。ワインディングはどっちも楽しいので、走り方によりますね。上りはZ、下りはCB、という感じでしょうか。甲乙つけがたいですね。
125ccクラスの小回りをきかせた使い方をしたいけど、高速にもたまに乗れると使いやすい、というライフスタイルの人は、CB250Rは最適なバイクの一つだと思います。これより楽なバイクはセローくらいしかないのでは、と感じるくらい、取り回しも含めた日常使いがとても楽です。街乗り中心の125ccを考えている人で、保険の都合などによる125cc縛りがなく、購入予算の都合がつくのなら、絶対これがおすすめです。CB250Rは、以前は他のバイクよりちょっとお高めでしたが、世界がインフレしてきてむしろリーズナブルに感じる価格になっています。安心のホンダクオリティなので、きっと長く付き合えるんじゃないかと思います。ホンダドリームで引き取って帰るまでの道のりも、ギアも入りやすいし、何の心配もなく乗れました。やはりホンダのバイクは完成度が高いですね。