バイク比較

2023.12.19

Z900RSとXSR900

カワサキZ900RSヤマハXSR900900cc前後の丸目ネイキッド2台それぞれの違いとどんな人が向いているか考えてみます。

1.街乗り走行フィーリング

Z900RS

Z900RS

Z900RS

まず街乗りのフィーリングですが、Z900RSは挙動がマイルドでとても乗りやすいです。全体的にピーキーさはあまりないので、アクセルワークの加減さえきちんとすれば怖い思いをすることもないと思います。1速でもギクシャク感は大きくないので、低速で交差点を左折する時などもガクガクすることはないでしょう。1,500回転から2,000回転くらいでも普通に乗れるので、高めのギアで走るとアクセルワークは楽になります。これ一台でいろいろなことに使える懐の深さがあるので、複数台持つよりコスパはいいかもしれません。知り合いはこれで短距離通勤しています。

XSR900

XSR900

XSR900

XSR900は、現行モデルは最もワイルドな走行モード1でもピーキーな挙動はしないので、乗りやすい仕上がりになっています。走行モードが1〜4の4種類から選べて、1で運転しづらい時は2、3、4と使い分けられるので、いかようにもなります。ドンツキは当然いくらかはありますが特別強くもなく、走行モードを下げればのんびりゆったり走れます。

この2台は排気量が近いので、大きな枠組みでは結構似ています。どちらも公道を走るには性能が高すぎるので、制限速度以下で走るために気を遣うことになります。(SCR)気楽にのんびり走りたい人は空冷エンジンモデルや(SR)もう少し下の排気量のモデルなども考えていくとよいでしょう。

2.サウンド

Z900RS

Z900RS

Z900RS

Z900RSの排気音は迫力のある重低音です。パワフル感の演出のためか、純正マフラーでほとんど爆音でしょうか。走行中は、重低音の排気音とあわせて吸気音のキーンという音も聞こえます。音量はインカムマイクに吸排気音が拾われるくらいで、ツーリング相手からうるさいと言われるかもしれません。

早朝の住宅街でアイドリングすると、明らかに近所迷惑な音です。気をつけないと石を投げられたり、ホラーな張り紙を貼られたりするかもしれないので注意しましょう。エンジンをかけたばかりのアイドリングの回転数は高いので、特に音が大きいですが、アイドリング回転数を下げることもできます。スロットルを逆側に回すと、アイドリング回転を1000回転ちょっとに下げてくれるので、音量が気になる人はこの技をおすすめします。

もう少し小さい排気量の4気筒エンジンと比べると、同じカワサキの400cc、ZX-4RはZ900RSほど音量が大きくありません。同じく400ccのホンダCB400SFは、より高い音です。こちらも結構音が大きめでやや近所迷惑な感じもありますが、Z900RSほどではありません。

XSR900

XSR900は、静かすぎることもなく大きすぎることもなくといったところでしょうか。3気筒エンジンなので、4気筒のZ900RSに比べてやや野性味を感じるフィーリングです。力強さのある音で、回し甲斐のあるエンジンですね。近所の目が気になる人は、Z900RSよりXSR900の方が安全かもしれません。

3.乗車姿勢

Z900RS

Z900RSはおよそ直立です。前傾姿勢に感じる人は少ないと思いますが、ケツ痛まっしぐらシートとして有名です。ハイシートにすると少し前傾気味になってシートに厚みも出てクッションが良くなるので、ちょうどいいと感じる人も多いかもしれません。車体サイズはちょっと大きめです。シート高は800mmで、ハイシートにすると835mmになります。

XSR900

XSR900はやや前傾姿勢です。このバイクに乗る身長の人では、ケツ痛になりにくいちょうどいい前傾具合に感じる人が多そうですが、人によってはそこそこ前傾姿勢と感じるかもしれません。車体サイズはクラスにしてはコンパクトです。シート幅広めでスリムな感じではないですね。シート高は810mm、純正ハイシート、ローシートはありませんが、オプションのローダウンリンクを使うと15mm下がります。個人的にはハイシートがあるとありがたいかな、という感触です。

どちらもシート幅は狭くなく、ややステップ干渉もしやすいのでシート高に対しての足つきはよくありません。これは足の付き方によるので、体に合わせて足の付き方や座る位置を工夫してください。

4.高速道路

高速道路は、ネイキッドなので限界があります。

走行性能自体はどちらもハイパワーで120km/h連続走行も余裕です。スクリーンがないので風は相当厳しいですがタンクを抱きかかえるくらいに伏せて乗れば何とかなるでしょうか。ドMな人はぜひ直立姿勢で気合いで走り抜けてみてください。

現実的なところは、100km/h以下くらい、90km/hくらいが楽ですね。この辺はネイキッドバイク全般です。

Z900RSのスクリーンを調べると、売れ筋モデルだけあってビキニカウルから大型スクリーン小型スクリーンまで何でもあります。好みに応じてスクリーンを増設すれば高速道路も快適になりそうです。

XSR900のスクリーンも、意外に種類がありました。選びたい放題というほどではないもののサイズはいろいろあるので困ることはなさそうです。純正オプションを用意して欲しかったところですが、スクリーンが欲しい人はGPを買え、ということでしょうか。

5.エンジンスペック

同じ900という名前ですが、排気量は結構違います。

Z900RSは948ccの4気筒エンジンXSR900は888ccの3気筒エンジンです。

パワーウェイトレシオを計算すると、Z900RSの方は60kg 1名乗車でパワーウェイトレシオが2.48トルクウェイトレシオが2.81。

XSR900の方は60kg 1名乗車でパワーウェイトレシオが2.11トルクウェイトレシオが2.72と車重が軽いこともあり数値は上です。ピークトルク発生回転数がXSR900は7000回転、Z900RSは6500回転なので、実際に走らせたフィーリングは日常の低回転域ではZ900RSの方が速く感じると思います。

ちなみに、日本を代表するスポーツカーの一つ、日産GT-Rは3.12、2.79なので、さすがバイクといったところですね。車とバイクは空気抵抗が違うのでネイキッドバイクではロスが大きいもののどちらも相当速いことは間違いありません。

6.サイズと旋回性能

車体各部のサイズと旋回性能ですが、

Z900RSはホイールベース1,470mm、キャスター角25.0°、トレール98mm、最小回転半径2.9mです。

XSR900はホイールベース1,495mm、キャスター角25.0°、トレール108mm、最小回転半径3.5mとなっています。

キャスター角は同じですが、それ以外はXSRの方が数値上はかなりの直進安定型です。(X車体動画)ホイールベースがやや長く、トレールが10mmも違うので感触はかなり違います。

参考までに、他のバイクとトレールを見ると、普通二輪教習車でおなじみCB400SFが90mm

MT-07、XSR700が90mmです。400cc以下くらいのバイクはこれくらいの数値が多いですが、ヤマハの700はかなりクイックなバイクで、このバイクがだいぶ特殊ですね。

大型二輪教習車と同じベースのホンダNC750Xが110mm、CB650Rが101mm、CB1000Rが100mmと、大型は100mm以上が一般的です。

Z900RSの兄弟車、ストファイのZ900は110mmとなっていて、RSとは数値が違います。

こう見ると、XSR900が特別直進安定型ということではなさそうですね。

車体サイズはZ900RSが2,100mm、865mm、1,150mm

XSR900が2,155mm、790mm、1,155mmとなっていて、

長さと高さは気持ち程度XSRが大きく、幅はZ900RSが7.5cm広くなっています。

Z900RSはハンドル幅がかなり広く、この幅やタンク周りの存在感などで大きいバイク感があります。

これらによって、比べるとXSR900の方がだいぶコンパクトに感じると思います。

さきほどのホイールベースやトレールの数値とあわせ、Z900RSはハンドルが切りやすく、曲がりやすく走りやすく感じるので、これも扱いやすく人気の理由の一つになっているかもしれません。それでいて直進安定性はしっかりあり、高速道路などはどっしりビュンビュン走れます。

XSR900はスペックを比べると直進型ですが、確かにZ900RSやXSR700などと比べると車重の割に軽快感が薄く感じるものの曲がりにくいバイクとは感じません。ただし最小回転半径はかなり大きめなので、取り回しの時の切り返し回数は増えそうです。

7.価格

価格はZ900RS標準モデルが1,485,000円、YELLOWボールエディションが1,562,000円、SEが1,705,000円、CAFEが1,518,000円です。

XSR900は1,254,000円です。今度出るGPは150万円くらいでしょうか。

参考までに、カワサキのストファイモデルZ900は1,276,000円です。XSR900と近い値段ですね。カワサキプラザエディションというものがあって、サスペンションがレベルアップして1,320,000円です。

ヤマハの900ccファミリーは、MT-09が1,144,000円、MT-09SPが1,331,000円です。TRACER 9GTが1,496,000円、TRACER 9GT+が1,826,000円です。GT+は結構お値段が張りますね。

こちらは前の車についていくタイプのクルーズコントロールやナビ画面をディスプレイに映したりもできます。ただ有料の専用アプリしか使えずApple CarPlayやAndroid autoは使えないようです。時代遅れで残念ですね。これだけで結構なユーザーを逃がしているかもしれません。

8.燃費

燃費と航続距離は、Z900RSがタンク容量17L燃費18.8km/L航続距離319.6kmです。航続距離は長い方ではないですね。特別短くもありません。XSR900はタンク容量14L燃費20.4km/L航続距離285.6kmです。こちらはちょっと航続距離短めですね。どちらも燃料はハイオクです。

参考までに、XSR700は航続距離が319.8kmですが、普段使っているとちょっと短いなと感じます。カワサキのモタードKLX230SM航続距離247.16で、こちらはだいぶ短いな、といつも思っています。

Z900RSは個人的にちょっと短いなと感じるXSR700と同程度、XSR900はXSR700とだいぶ短いKLX230SMとの間くらいなので、結構短いと感じる航続距離だと思います。

感じ方は個人差があると思いますが、ホンダCB400スーパーフォアが380kmくらい、ヤマハSR400が350kmくらいで、この辺がちょうどいいと思う人の感覚と思ってください。

9.その他

その他もろもろについてまとめてみます。

ミラー

ミラーはどちらも外の方にあるので見える範囲は広いです。

Z900RSは幅の広いハンドルに普通にミラーがついていて、シンプルに最上級クラスに見やすいミラーです。

XSR900はバーエンドミラーなので、外側についているためZ900RSと同じように広く見えます。ただミラーが目線に対して手前にあるため、顔を横に振らないと見づらく、ここは好みが分かれると思います。

積載

積載は、標準状態ではどちらもほぼ何もありません。

Z900RSの方は荷掛フックがあるので、シートにバッグやネットなどを積みやすくなっています。

XSR900は純正オプションにサイドバッグがあり、ワンタッチで付け外しできるタイプです。

どちらも社外品キャリアなどいろいろありますが、Z900RSの方は特にパーツがあふれているので、どうにでもなると思います。

ヘルメットホルダーは両者とも標準装備です。

ETCはZ900RSが標準装備、XSR900はついていません。XSR900は純正オプションを使うとETCの状態が画面に表示されるので、こちらがおすすめです。

どちらもグリップヒーターが純正オプションにありますが、XSR900はディスプレイ連動なのでよりスマートになります。

10.選び方

丸目の速いバイクを求める人が自然にたどり着くうちの2台ですが、

この2台を比較して迷う場合、どちらもとても良いバイクなので見た目で選んでも後悔しないと思います。迷う場合の参考としては、Z900RSの方はハイシートがあるので身長が高めの人は乗りやすいです。音に迫力があるので、近所迷惑を気にする必要がなく迫力大好きの人は満足度が高いでしょう。車体が大きめなので、体の大きい人は扱いやすいです。大きいバイクに乗っている感もあると思います。売れ筋バイクでちまたにあふれているので、仲間が増えるメリットと、社外品パーツが豊富なこともあります。

XSR900の方は、ローダウンリンクがあるので、シート高810mmが高いと感じる人は795mmまで下げられます。これでZ900RSよりスペック上は5mm低くなります。車体はZ900RSより明らかに軽いので、重さがネックになる人はXSR900の方が楽です。価格がこちらの方が安いので、性能に対してコスパは良いです。走行モードが豊富で、クイックシフターもあるので、先進装備が好きで走行モードを都度切り替えて乗りたい人にはベストマッチでしょう。販売台数が多くない分周りとかぶりにくいことはメリットです。

どちらもカワサキプラザのみ、YSPほか特定の店のみの販売なので、買える店舗は限られます。近くに店舗があるかどうかも選ぶ基準になりそうですね。

XSR900は今度XSR700とも比較してみたいと思います。