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2022.11.28

HUD内蔵ヘルメット SHOEI OPTICSON 先行限定発売

今回は、次世代ヘルメット、SHOEIオプティクソンの紹介です。

ヘッドアップディスプレイを装備して、ナビなどを目の前に表示できるヘルメットです。

発売日と販売方法

発売日は、2022年12月17日です。SHOEI Gallery限定販売とのことなので、発売日以降の日にショールームの予約を入れて購入する流れでしょう。発売日前に行っても受け付けてくれるのかは謎です。最近ショールームの予約は空きがないですね。以前は普通に予約できたのですが、存在が認知されたせいか、2週間後まで予約がいっぱいです。

HUDの性能

表示できるものはこの通りです。

  • 目的地到達推定時間
  • 経由地到着時刻
  • 交差点名称
  • 次の案内通知
  • 目的地残距離
  • 経由地残距離
  • 電話発着信時計

AppleWatchのマップアプリ初期表示くらいですかね。表示を地図には変えられなそうなので、AppleWatchの下位互換くらいの表示と思って良さそうです。ナビ表示は矢印だけなので、もちろんないよりいいんですが、画面表示内容が少ないため、スマホをポケットに入れておき、インカムで音声聞くだけでもあんまり変わらないような気がします。この辺は実際に使ってみないと何とも、ですね。

ディスプレイは明るさ自動調整機能があり、周囲の光量にあわせて調整してくれるので、画面は常に見やすい状態になるようです。明るさは5段階に任意調整も可能です。

スピーカー

スピーカーは内蔵されています。普通のインカムのスピーカーみたいな感じですね。

Bluetooth

スマホと普通にBluetooth接続できます。電話したり、音楽流したりできますね。こちらも普通のインカムと同じです。

帽体

帽体は、専用で他のヘルメットとは共用していません。シールドはGT-Air2のものと同じです。重量が公開されていないので、わかりません。システムヘルメットのNEOTEC2くらいですかね。M、L、XLの3つしかないので、Sサイズの人やXLより大きい人は多少のサイズ違いなら無理すれば使えるかもしれませんが、無理はしない方が良いです。

バッテリー

バッテリーは、外付けです。普通のインカムとは違い、ヘルメットからケーブルが伸びます。夏場などポケットが少ないと、収納場所に困るかもしれません。専用品のようで、別売り11,000円です。単体購入できるのはスペアのために良いとして、必須ならセットにすれば良いのでは、と思いますが、不思議です。USB-C給電にすれば普通のモバイルバッテリーや車体からの給電もできるので、その方がありがたいところです。

ナビを使うには有料アプリ加入が必須

『ツーリングサポーター』の「プレミアムプラス」が必須で、月額800円かかります。個人的にはツーリングサポーターの表示が見づらく使っていないので、ナビの選択肢がないのがデメリットです。課金する価値があるかどうかは人それぞれなので、財力があって、ツーリングサポーターの性能に満足している人はデメリットになりません。

遮光調整シールドが使えない

シールドはGT-Air2と同じ、CNS-1です。このタイプはフォトクロミックシールドがなく、GT-Air2のようにインナーバイザーもないため、遮光コントロールのことは考える必要があります。

薄めのスモークやクリアで終日問題なくいける、という人や、ダークスモークシールドをつけて夜は乗らない人、または視界ゼロに近くても走れる、という猛者にはデメリットになりません。

調光ピンロックシートで対応できるか、ディスプレイに影響ないか、などは別途確認してみたいと思います。

インカム機能なし

対応策がなさそうな問題として、インカム機能がありません。B+COMの小さいスピーカーとマイクを増設して無理矢理インカムをつけることも考えましたが、さすがにちょっと無理そうな感じがしますね。

一人乗り専用として使うなら、インカムがなくてもデメリットにはなりません。インカムがないと実質一人用になるので、個人的には単体でFMくらいほしかったですね。

既存モデル比較

同じSHOEIのモデルで、Z-8+Bcomと比較してみましょう。

重量は、Z-8が1.3kg前後、B+COMが50g前後なので、1.4kg前後です。たぶんZ-8+B+COMの方が軽いでしょう。シールドの遮光性自由度は、フォトクロミックシールドがあるZ-8が優位です。フォトクロミックシールドもバイザーも使わない人は、同レベルですね。誰かと一緒に走る場合、オプティクソンはインカムがないので、超えられない壁がここにあります。ナビを使う場合、Z-8+B+COMではハンドルなどにスマホをマウントするか、音声のみで聞くか、という選択になるので、オプティクソンの方が優位です。ただし、ツーリングサポーターのプレミアムプラス加入が必要のため、ナビの選択肢がないこととコストが不利です。Bluetoothによるスマホ連携レベルはほぼ同等です。バッテリーはZ-8+B+COMで1日普通に使え、かつバッテリーも内蔵ですが、オプティクソンは4時間稼働、外付けバッテリーです。先進性ですが、オプティクソンはなんか未来的でかっこいい、という長所があります。Z-8のインカムは外付けなので、見た目のすっきり感はオプティクソンですね。

GT-Air2と比べると、インカム内蔵可能、バイザーありなので、こうなります。目元にナビの矢印が見えることの価値が極めて高いと感じる人だけが、オプティクソンを選ぶ意味になりそうです。

よって、費用対効果の面からは、手放しでおすすめできるものではありません。新しいものが好きな人、お金が余っている人、ネタにしたい人にはおすすめします。

とはいえ、技術の進歩はこういう地道な動きの先につながっていくもので、商品化にこぎつけていただいたことは大いに価値があると思います。これを足がかりに、アップデートしていくと思いますので、初期モデルはさておき、進化したらきっと万人におすすめできるものになっているでしょう。

ペンたろうは、SHOEI Galleryの予約が取れて、実際に動作状態を見て使えそうなら買って試してみるかもしれません。でもむしろ自分でヘッドアップディスプレイを自作するかな。いいものが試作できたらクラファンとかで募るかもしれませんね。

ヘルメット関連の次回は、各社調光ピンロックシートの実験自分でできるヘルメットのフィッティングもしかしたらオプティクソン使用レビューなどを考えています。