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2022.12.11
ダイネーゼのエアバッグを警視庁の白バイ隊員用に採用したそうです。
もともと全国の警察では無限電光のヒットエアーを使っているので、東京の警視庁も同じだと思いますが、それを今回ダイネーゼのものに入れ替えた、という話かなと思います。
ダイネーゼのエアバッグについては、以前ヒットエアーと比較して紹介しましたが、一応おさらいすると、無線で起動するタイプの、着るバイク用エアバッグです。
ワイヤーハーネスを車体につなぐ必要がなく、乗り降りの際にハーネス操作をしなくて良いので、有線タイプに比べて自由度が上がります。
ただし、バイクを降りたらスイッチを切るように指定されているので、降りるときにはハーネスを外すのと同じようにエアバッグ操作が必要です。そのため、乗降時の手間は大きく変わりません。降りた後歩きながらOFFにしたりできるので、少し楽ではあります。
ダイネーゼのエアバッグが優れているところは、サーキット走行などで培われた大量のデータをもとに、加速度などから事故を検知して瞬時にエアバッグ展開することです。
有線ハーネスの場合、ハーネスが外れるだけバイクとの距離ができる必要がありますが、無線の場合は横にスライドしてバイクごと転倒するような場合や、後方追突事故などでバイクと離れる前に衝撃が発生する、という時でも作動条件に達すればエアバッグは展開します。
その分、アルゴリズムの信頼性や電池切れリスクもあり、有線の確実性、安心感、プロテクション範囲とどちらが上かは、事故のパターンによるケースバイケースです。
無線タイプが有線タイプの上位互換ではなく、それぞれ一長一短がある、という理解で間違いないでしょう。
白バイでは、一般のライダーとバイクの乗り方が違うので、無線タイプがより有益ということで、選択されたのでしょう。
なぜなら、ヒットエアーは4万円、ダイネーゼは最近値上がって15万円なので、4倍違い金額です。趣味ではなく、税金による役所の予算なので、相当吟味された上で、4倍のコストに見合うメリットがあると判断されたはずです。
そうでなければ、癒着や賄賂、バックマージンなどが疑われますから、まさかそんなことはあり得ないでしょう。警視庁は1,000台近く保有しているらしいので、予算はざっと1億5,000万円くらいでしょうか。
乗り降りでワイヤー接続の一手間がないことで機動性が上がる警察の特性上、1〜2秒の遅れが検挙の成否に影響する可能性があるので、有益かもしれません。
ただしダイネーゼも降車時はOFFにするので、OFFにしているとワイヤーより手間取る場合もあります。実際はONのまま歩いていても平気なので、ある程度柔軟に運用するのでしょうか。