Z900RS 50th Anniversary

今回は、カワサキの超絶人気バイク、Z900RSの紹介です。50周年アニバーサリーモデルがようやくゲットできたので、標準車との違いも含めて紹介します。

販売台数

まず販売台数の推移を見てみましょう。

  • 2018年:4646台
  • 2019年:4147台
  • 2020年:4060台
  • 2021年:4853台
と、およそ4000台から5000台の間を前後していますね。

さて2022年の台数ですが、2022年:6803台と、何と、7000台近くまで増えました。50周年記念モデルやSEの発売に絡んで増産して、この数字になったようです。潜在需要はまだまだありそうですね。ここまで飽きられないのがすごいところです。

ちなみに2022年の125ccを超えるバイク全体で堂々の3位です。4位はPCX160の5603台ですが、値段が4倍差あるスクーターのPCXより売れているというのがもう異常な人気ですね。

1.パワー

Z900RSは、900ccという排気量なので、とてもパワフルです。パワーウェイトレシオを計算すると、60kg 1名乗車でパワーウェイトレシオが2.48トルクウェイトレシオが2.81。日産GT-Rが3.12、2.79なので、GT-Rを軽くぶっちぎる性能がありますね。アクセルワークを繊細に行わないと、一瞬で飛んでいってしまします。

3000回転くらいからすでにパワフルで、700ccクラスの大型ミドルクラスに乗り慣れていても、「速いなー」と感じます。

この性能のおかげで、慣らし運転がとても楽です。説明書には、最初の350kmまで4,000回転以下で走るように指定されていますが、6速4,000回転で100km/h巡航できるので、高速道路も普通に走れます。4,000回転以下でも抜群に加速力があるため、普通に乗っていて4,000回転回すシチュエーションはないでしょう。

2.高速道路

このパワーのおかげで、高速道路を走るのはとても楽しいです。6速固定で軽く追い越しもできるので、ロングツーリングも楽です。スクリーンがなく、風は直撃しますが、パワーで蹴散らして進んでいく感じとでも言いましょうか。直進安定性も高いので、辛さがありません。Z900RSCafeの方がスクリーンがあって多少前傾姿勢なので、より快適かもしれません。

3.一般道の乗りやすさ

発進停止や低速走行などが必要な一般道での乗りやすさですが、Z900RSは挙動がマイルドでとても乗りやすいです。全体的にピーキーさはなく、アクセルワークの加減さえきちんとすれば、怖い思いをすることもないでしょう。1速でもギクシャク感は大きくないので、低速で交差点を左折する時などもガクガクすることはないと思います。1,500回転から2,000回転くらいでも普通に乗れるので、高めのギアで走るとアクセルワークは楽になります。

4.4気筒エンジン

Z900RSのエンジンは4気筒です。4気筒というと、ヒュンヒュンするイメージですが、Z900RSのエンジンもその通り、ヒュンヒュン系です。これがまた気持ちいいですねー。「ヒュイーン」という音を立てながら四輪車を抜き去るのは面白いです。加速力が高いので、制限速度内で瞬間加速できます。4気筒エンジンは出だしのレスポンスが2気筒などより劣ることが多いですが、このパワフルなエンジンにはそんな心配はいりません。スタートダッシュもとても速いです。

5.吸排気音

パワフル感の演出のためか、純正マフラーの音がほとんど爆音です。実際の音を聞いてみましょう。走っていると、吸気音のキーンという音と重低音の排気音が聞こえる感じですね。インカムマイクに吸排気音が拾われるくらい、大きいです。早朝の住宅街などでは、明らかに近所迷惑な音です。ノーマルでここまで音量があるバイクはなかなかないでしょう。参考までに、特にエンジンをかけたばかりのアイドリングの回転数が高く、それに比例して音が大きいですが、アイドリング回転数を下げることもできます。スロットルを逆側に回すと、アイドリング回転を1000回転ちょっとに下げてくれるので、音量が気になる人はこの技を使いましょう。

6.車体サイズ

車体は大きめです。ハンドル位置が高く、幅が広いので、大きいバイクに乗っている気分になります。このハンドルサイズのためか、取り回しの時は車重にしては重く感じます。身長2mくらいの人はちょうどいいと思いますが、175cmの体感では取り回ししやすいサイズ感ではないですね。タンク幅も広く、存在感があります。一般的な体型の人には、毎日気軽に乗る、という感じのサイズ感ではないでしょう。250kg以上ある、ホンダの空冷4気筒、CB1100より扱いは楽です。

7.燃費

燃費はリッター20km弱で、だいたい18前後くらいになる人が多いのではと思います。そんなに回さないので、振れ幅は大きくないでしょう。CB400SFの実燃費がリッター20km前後で、都市部を走っていると18〜9くらいなので、似たような燃費です。ただZ900RSはハイオク指定のため、必然的に燃料代はちょっと高めです。最近の車はレギュラーでリッター20kmくらい走るので、それと比べるとバイクとしてはあまり燃費がいいとは言えませんが、GT-Rがリッター7〜8なので、それより速いマシンということを考えれば、許せる範囲なのではないでしょうか。

8.視界

Z900RSの珍しい特性として、ミラーが異常なくらい見やすいことがあります。主にハンドル幅が広いことによりますが、後ろが本当に見やすいです。左ミラーで、右後ろの中央分離帯の向こう側にある反対車線が普通に見えるほどで、片側ミラーだけでも走れるのでは?と思うほどです。ミラーが見やすいと運転がとても楽になるので、この特性はとてもありがたいですね。

9.その他

その他細かいことですが、ハンドルが広い割に、ハンドルバーにスマホマウントなどが付けづらいです。サイドはクラッチやブレーキ関係と干渉して、中央部はつけられないので、曲がっている場所くらいしかマウントを直接つけられなそうです。ミラーの根元にバーを増設して機材増設しやすいようにしようかな、と考えています。

また、実用上困らないのですが、サイドスタンドがなんか柔らかいです。ちょっと頼りない感じがするけれどちゃんと支えてくれる、というサイドスタンドで、この車体にはもうちょっと安心感のあるスタンドの方がいいかなーとは思うところです。カワサキは柔らかめなんですかね。Z400も柔らかめです。モタードのKLX230SMはなぜかしっかり感があるんですよね。この辺が謎です。ホンダCB400SFくらいのしっかり感があるスタンドだと安心感があっていいと思いますが、機能的に問題ないのでまあこれでいいんでしょう。

10.ハイシート

カワサキさんは、結構ハイシートオプションを用意してくれていて、Z900RS用もあります。ノーマルのシート高が800mmで、ハイシートをつけると830mmになります。もともとシート幅が広めでステップとも干渉しがちなので、ハイシートを付ける人は少ないかもしれませんが、個人的にはハイシートの方が格段にバランスが良く、運転しやすいです。ケツ痛報告が多いZ900RSですが、ハイシートに換えるとほぼケツ痛と無縁になります。いろいろメリットがあるので、足つきに余裕がある人は、ハイシート化を検討してみることをおすすめします。

11.積載

先日別の動画でもバッグ類の取り付けをいろいろ検証しましたが、Z900RSのイメージを壊さないバッグ類をピックアップしてみます。

シートバッグは、小さいものならデイトナのHenlyBegins DH-708が合いそうです。積載量を求めるなら、サドルメン ロールバッグ 3515-0116も悪くないですね。

サイドバッグは、デグナーSB-96はまずまずな感じです。黒と茶が選べるので、黒の方が合いそうかな、と思いました。サイドバッグを付ける場合、サイドバッグサポートがないと難しいと思います。

バッグ類は、いずれも見た目あわせで載せてみただけなので、実際に固定まで行っていませんが、汎用的に取り付けできるものたちなので、場合によっては多少の工夫程度で付けられるのではないかと想います。

10.50周年記念車の装備

ここからは、50周年記念車の装備の紹介です。

色色は、火の玉カラーと言われる、赤と茶色のコンビネーションです。茶色の部分がメタリックになっていて、写真で見るより現物はなかなかかっこいいです。暗いところで見ると茶色の部分は黒っぽく見え、明るいところで見ると赤はオレンジっぽく見えたりもします。バランスのいい配色ですね。

ゴールドホイールホイールはゴールドです。汚れが目立ちやすいのが難点なんですよね。綺麗にしていればとても良い感じです。

タンクに50thタンクの上に50周年ロゴタイプがあります。50周年の表示はこの場所だけだと思います。

サイドカバーに900サイドカバーは、標準車はZ900RSと書いてありますが、こちらは900ダブルオーバーヘッドカムシャフトとなっています。詳しい人しか気づかないかもしれませんね。

DOHCさらにマニアックなポイントが、クランクケースのDOHCです。仕事細かいですね。

グラブバーオプションのグラブバーが標準装備されています。バッグ類の固定などにも使えそうです。

専用シートよく見ないとわからないかもしれませんが、50周年はシート表皮が違います。標準車はマットな感じですが、50周年は鈍く光沢のある黒になっています。これがなかなか良いです。「神は細部に宿る」とはまさにその通り。微妙な違いですが、このシート表皮をノーマルに変えると印象が大きく変わります。筆者はハイシートの方がしっくりくるのですが、この専用シートがなかなかいいので、とっても悩ましいところです。

これらの部品を集めると、50周年モデルと同じ外観にできます。さすがにそこまでするマニアの人は少ないと思いますが、一応なんちゃって50周年記念モデルも作れますね。全部の部品を換えなくても、シート単体で地味に結構いい感じなので、シートだけ50周年専用のものにしてもいいかもしれません。

Z900RSの次回は、Z900RSの標準車をなんちゃって50周年記念車にするといくらかかるか調べてみたくなったので、部品代を計算してみようと思います。他にも部品取り付けや走行動画などもニーズがあれば作るかもしれません。