バイク比較

2023.03.24

YAMAHAバイク17台《前傾キツい!?》

ヤマハのバイク17台の前傾率とシート高による乗車ポジション、その他特徴をあわせて紹介します。試乗車が少ない今、乗れそうかどうか判断するための参考になれば幸いです!

前傾率の計算式は平均的な体型によるものなので、人によって少し感覚の差があるかもしれません。また、シートの一番低いところから計測しているので、着座位置によっても感覚値は変わります。

※計算式は独自作成のものです。誤解が生じることなどを避けるため、無断転載はせず、参照の場合などはご一報ください。

はいどうもペンたろうです。ヤマハのバイク17台の乗車ポジションと特徴をあわせて紹介します。

前傾率の計算は、1-2いつも通り写真から寸法を推定してペンたろう自作計算式に入れています。10%以下から50%超えまで、分類はおよそこうなります。低すぎるとケツ痛、4-2高すぎると前傾が苦しい、というイメージです。

ではまず売れ筋ストリートファイター、MTシリーズの320cc、MT-03と250ccのMT-25です。MT-03と25のポジションは、身長175cmで18.5%、160cmで25.7%と、ほどよい姿勢で、万人が乗りやすいモデルでしょう。

このクラスのMTはシート高780mmと、ホンダCB250Rの795、スズキジクサー250の800、カワサキZ250の795に比べて低めです。足つきが不安な人も、厚底ブーツを使えば問題なく乗れるでしょう。街乗りから高速まで万能にこなせるので、これ1台あれば何でもできる優秀なバイクです。

14-2初心者はこれを買っておけば間違いない、という位置づけです。

続いて大型ミドルクラスのMT-07。16-2こちらは19.9%、27.4%と、MT-03とあまり変わりません。乗車姿勢は似ていますが、シート高が805、ハンドル幅が780と、03より一回り大きくなっています。

車重は184kgと、普通二輪教習車のCB400SFの200kgよりだいぶ軽く、CB400で公道デビューするよりMT-07の方が楽、というちぐはぐな状況になっています。エンジンは270°クランク直列2気筒で、Vツインに似た鼓動感を味わいながら走れます。

ちょっとドンつきが強めな感じがあるのと、本家Vツインのフィーリングには一歩譲るものの、とても良く出来たエンジンです。

希少な3気筒エンジン、MT-09、09SP。25-2姿勢は19.8%、27.5%と、MT-07とほとんど同じです。シート高が825mm、ハンドル幅が795mmと、MT-07よりさらに一回り大きいです。車重は190kgくらいなので、こちらもCB400SFより軽いですね。

知り合いにはMT-09の新しいモデルが出るたび買い換えてずっと新型MT-09に乗り続けている人もいますが、低回転がちょっとドロドロした感じの3気筒エンジンは貴重な存在です。

MTのキング、R1とベースが同じエンジンのMT-10。32-225.8%、33.7%と、MT-25からMT-09がほぼ同じくらいの前傾率だったのに対して、MT-10は少し姿勢が前傾です。33-2とはいえほどよい姿勢なので、直立に近いと感じる範囲でしょう。

エンジン出力はR1より抑えられているものの、鬼のハイパワーであることに変わりはないので、慣れないうちは注意しながら走ることをおすすめします。

ネオクラシックのXSRシリーズ、ミドルクラスのXSR700。37-2ポジションは24.8%、32.7%と、ほどよい軽前傾です。長距離乗っても疲れづらいポジションで、車体も188kgと重くないので、ミドルクラスの万能バイクを求めるならこれが最適解の一つになります。

XSR700はバランスがよくとても乗りやすいバイクです。少し車体が大きめですが、街乗りから長距離まで万能にこなせます。マイナーチェンジ前はメーターがハンドルバーについていてとても見づらかったのですが、現行モデルではオフセットされて少し改善されました。マフラー音にもうちょっと元気があるとよりよいかなと思いますが、全体的にネガティブ要素がほとんどありません。

ネオクラシックの兄貴、XSR900。46-224.6%、32.2%と、XSR700と前傾度合いは似ています。

2020年モデルまでは見た目がXSR700とほとんど同じでしたが、2022年モデルから大幅にイメージチェンジしてより個性的になりました。エンジンはMT-09と同じ3気筒エンジンです。900ccというとカワサキZ900RSが年間7000台弱と怪物級の販売台数ですが、XSR900もハイスペックでかつZ900RSより20万円安いお買い得モデルなので、デザインが好みの人にはおすすめです。

白バイモデルもあるFJR1300。55-2前傾率は26.8%、34.8%と、プチ前傾に近い水準になっています。車重が300kg近く、同じ白バイのホンダCB1300SBより2〜30kg重いです。体格や取り回しスキルの高さが求められるので、58-2白バイ以外ではなかなか町中で見ることは少ないですね。

ついに生産終了、最後に20周年記念モデルとともに幕を閉じることになりました。

ヤマハ唯一の本格ツアラー、TRACER9 GT。61-2姿勢は23.8%、32.6%と、ツアラーらしく疲れにくくケツ痛にもなりにく軽前傾ポジションです。

車体が結構大きいので、フルパニアにするとそこそこ幅を取り、マスツーリングなどでは機動性を考えてパニアを外していく、という人もいます。この素晴らしく大きいスクリーンはアドベンチャーツアラーならではですね。さらに大きい純正スクリーンもあります。

お次は巨大な三輪バイク、NIKEN GT。68-2こちらは16.6%、23.3%と、スクーター系の姿勢に近いです。

NIKENは興味はあるものの乗ったことがありませんが、三輪ながら大きくて重いため転倒しづらいわけでもない、というウワサも聞いており、乗ることに躊躇しています。

あみぐるみのニャイケン、かわいいですね。羊毛フェルトのナイ犬もあります。ラビットリシティ、トラシティとか。

74-2ちょっと興味がわいてきたので、74-3公開されている作り方を参考にこんど作ってみようと思います。

本格ビッグオフローダーテネレ700。76-2姿勢は18.5%、26.9%と直立に近くほどよいですが、オフロードらしくシート高が875mmと高く、ローシートバージョンで837mmです。837mmというと、XSR700とほぼ数値が同じですが、XSR700よりテネレローの方が、シート幅の広さなどもあり、足つきはだいぶ悪いです。

身長160cmの前傾率を26.9%と計算したものの、160cmでテネレを扱うのはかなり難しいでしょう。それくらいの身長でテネレを乗りこなしている方がいたらぜひお便りください。

クルーザーのBOLT。85-228.3%、38.5%と、意外に前傾です。前傾率はホンダレブル1100と近いですね。レブルと重ねてみるとこんな感じ、ボルトの方がかなり足を前に出して乗ることになります。

レブルの水冷直列2気筒に対して、ボルトは空冷Vツインエンジンです。

90-2このクラスの空冷エンジンは生き残るのが難しく、ハーレーも水冷化してきています。90-3乗りたい人は、最後のチャンスかもしれません。

90-4ではお待ちかね、前傾率が高そうなスーパースポーツ系のモデルたちを紹介します。2023年に国内導入が確定した、YZF-R125、R15。国内モデルの仕様により少し変わるかもしれませんが、海外モデルと大きくは変わらないでしょう。前傾率は45.5%、53.8%と、フルカウルバイクらしい姿勢になっています。スズキGSX−R125より少し前傾になりそうですが、近い水準です。95-2125ccクラスは、ネオクラシックのXSR125、95-3ストリートファイターのMT-125もデビューが決まっています。95-4XSR125、MT-125とあわせて、情報がアップデートされたらお知らせします。

モデルチェンジにちょっと乗り遅れた感のある、YZF-R3、R25。97-2こちらは34.0%、41.6%と、R125よりかなり直立です。ただ、カワサキNInja400が26.8%とほぼ直立なのに対して、YZF-R3と25はある程度前傾っぽい感じです。慣れていないと長時間では少し首が疲れるかもしれません。

R3のこの色はシアンという色の名前ですが、実際はターコイズかピーコックブルーくらいの、青緑に近いです。シアンは印刷物に使う3原色の一つで、濃い水色というイメージですが、実物を見たらグリーン系だったので「あれ?」と思いました。

YZF-R7。2022年に発売されたフルカウルスポーツで、105-22022年の販売台数ランキングは25位に入りました。106-2前傾率は60%、69.7%と、ドゥカティパニガーレV4と同水準の本格派です。登場時にR1に近い本格派だけどR1より楽、のような表現をされていましたが、R3くらいをイメージして実物を試さずに買ってしまうと、あまりの姿勢の違いに驚くでしょう。人によっては乗って帰るのを躊躇するかもしれません。

このバイクでロングツーリングできる人は、常人離れした体幹筋力の持ち主でしょう。

YZF-R1ヤマハが誇る最高峰マシン、YZF-R1。おそらく誰もがハード前傾を想像していると思いますが、113-2こちらはなんと、65.5%、75.7%でした。この水準では、ホンダCBR1000RR-R FIREBLADEが65.7%と、ちょうど同じくらいです。確かに数値を見るとR7はR1より5%低いので、ちょっと楽ですね。とはいえR1もR7も前傾度合いは最強クラスです。

この水準は、さきほどのCBR1000RR-Rが65%、ドゥカティパニガーレV4が60%、カワサキZX-10Rが60%、ZX-6Rが55%と、本気モード全開の車種が並びます。その中でもヤマハR1は最高水準となりました。

122-2特徴的なクロスプレーン4気筒エンジンが、前傾姿勢の疲れも吹き飛ばしてくれることでしょう。

ヤマハのバイクを表にまとめるとこのようになります。ヤマハは、全体的に前傾寄りで、ケツ痛に悩まされるよりも前傾に悩まされる方が多いかもしれません。

123-2前傾姿勢が好きな人は、ヤマハを選んでおけば他のメーカーに比べて安定の前傾を堪能できるはずです。

ホンダの大型バイクは以前に紹介しましたが、次回はスズキ、カワサキのバイクを紹介していく予定です。

じゃあまたねー。