フルカウルバイク、前傾ヤバさランキング【国内全30車種】
2024.02.25
2023.05.06
はいどうもペンたろうです。実は一番ちょうどよく楽しいかもしれない、400ccバイクについて掘り下げてみました。現行、最近まで販売されていたモデル、新しく発売されるあの辺のモデルも対象にしています。
1.Ninja400・Z400167kg48PS/10,000rpm37N・m/8,000rpm
まずは最近の売り上げ上位安定、カワサキNinja400とZ400。2022年の126cc以上総合ランキングでは堂々の5位でした。2 背景動画車重が167kgとこのクラスにしてはかなり軽く、ピークトルクが8,000回転で37Nmと、十分な加速力を持っています。
特徴小扉_1_1Ninja400・Z400の特徴は、なんと言っても軽さとトルクです。3 走行動画低速からドドドドっと加速していく感じが何とも気持ちいいです。600ccから700ccくらいのいわゆる大型ミドルクラスに通じる感覚で、このパワーがあれば十分と思わせる性能です。4 XSRの加速動画実際に直後に大型ミドルクラスに乗ると「やっぱり速いな」と思いますが、少なくとも下道でパワー不足を感じるレベルにはありません。この軽さは取り回しも楽なので、どこに行くにも気軽に使える万能性があります。さらに、Ninja400の方はセパレートハンドルのフルカウルバイクでありながら、前傾率が25%前後と、ほぼ直立の軽前傾、理想的なポジションです。7 走行動画長時間走っても、姿勢によって疲れることはありません。これは売れて当然だと思います。特殊な期待をしていなければ、買って後悔することはないでしょう。
向いている人小扉_1_2Ninja400に向いている人は、高速ツーリングメインの人以外全てです。7 背景動画軽く扱いやすいので初心者にもベストマッチ、重いバイクを乗りこなしてきたベテランの人が気軽に乗れるバイクに換える、という場合にも満足すると思います。
期待してはいけないところ小扉_1_3一つ大きな注意点があって、5000回転くらいからの振動が大きく、特に高速道路の速度域で手しびれ、ケツしびれの全身ブルブルマンになります。この振動はかなり堪えるので、高速道路は90km/h以下で走りたくなります。まあ80km/hから90km/hキープで走れば快適なので、キープレフトでゆっくりめに走ればいいと思います。100km走行の辛いレベルは、ホンダCB250R、カワサキKLX230SMの250ccクラスよりかなり厳しく、オフロードのヤマハセローと同レベルか、それよりもちょっと厳しいか、という体感です。ヤマハSR400よりはさすがにだいぶ楽ですね。マスツーリングなどは、大型クラスやCB400スーパーボルドール、400Xなどのツーリングマシンと一緒だとペースが合わないので、250ccクラスか、またはSRと一緒にゆっくりツーリングなどに参加するのが個人的にオススメです。
選ぶポイント小扉_1_4Ninja400とZ400のどちらを選ぶか迷う場合は、見た目と値段で決めればOKです。前傾率はどちらも25%前後と、ほぼ変わりません。Zの方が前傾だとか、いやNInjaの方がとか、ネットの口コミはいろいろありますが、体型によって多少感じ方の差はあるものの、寸法からはほぼ同じなので安心してください。Z400はカウルがありませんが、シュラウドがそこそこ風よけになるのと、大きめのスクリーンも販売されているので、スクリーンをつければ防風性能もそれほど差はありません。風が気になる速度域では、先に振動にやられるので、防風性能はそれほど気にしなくても良いでしょう。
値段はZ400の方が5〜6万円安いので、コスパが良いです。
2.CBR400R・400XCBR400Rと400Xは、Ninja400とZ400と同じように兄弟車で、エンジン、フレームが同じです。実は結構売れているシリーズで、2022年16位とまずまずの位置でした。
特徴小扉_2_1CBR400R・400Xの特徴は、安定感です。トレールがCB400SFの90、NInja400の92に対して102と、直進安定性が高く、クイック感は薄れるものの、落ち着いて走れます。アドベンチャータイプの400Xには性能の高いスクリーン、CBR400Rのカウルには実用的なスクリーンがあり、ノーマル状態でまずまずいけるでしょう。スズキのジクサーSF250や、ヤマハYZF-R3のスクリーンはノーマルでは防風効果は薄いですが、CBR400Rの防風効果はそれらより高いと思って良いと思います。また、タンク容量が17Lあり、スペック上の燃費はリッター27.9kmなので、航続距離は474.3kmです。給油頻度が低めになるので、その面でもロングツーリング向きです。ちなみに同じくホンダのGB350は、航続距離600kmを超える現行国内モデルで最高峰となっています。航続距離はそれには及びませんが、スクリーンのない単気筒エンジンのGB350よりもスクリーンのある2気筒エンジンCBR400R、400Xの方が総合的に長距離、長時間走行が楽と感じる人が多いのではないでしょうか。
向いている人小扉_2_2向いている人ですが、ロングツーリング主体の人にはベストマッチだと思います。Ninja400のように250ccと共通車体のものは軽快感がある反面長時間走行は苦手な面があるので、それらとは明確に方向性が違います。CBR400Rの方はフルカウルですが、前傾率は31.4%、39.1%と、Ninja400に次ぐ直立具合です。ヤマハのYZF-R3よりも直立なので、特に辛い姿勢ではないでしょう。
期待してはいけないところ小扉_2_3海外ではCBR500R、500Xとして販売されていて、エンジンをダウンサイズしているので、車重が重めです。現代の400ccは軽量化されていて、車重170kg前後が標準的になっていますが、CBR400Rは192kg、400Xは199kgと、大型ミドルクラスと同等なので、取り回ししやすい方ではなく、軽快さを感じるタイプではありません。
選ぶポイント小扉_2_4総合的に、大型免許がない場合のツーリングマシンとして最有力候補の一つになると思います。
C1-1コラム:過去に販売されていたモデル1C1-2スズキ グラディウス4002015年が最終モデルとなったスズキグラディウス400は、Vツインエンジンを搭載しています。C1-3同じくVツインのSV400の実質後継モデルだったようで、あまりヒットはせずに終わったようです。C1-4Vツインは今SV650やV-Strom650などに搭載されていますが、以前は400ccクラスにも展開していたようです。C1-5ホンダ CB400SSぱっと見ヤマハのSRかと思う外観のCB400SSは、SRと同じく400cc空冷単気筒エンジンを積んでいました。C1-62008年に生産終了しましたが、こちらはSRと違いマイナーチェンジでセルモーターがついています。
3.CB400SF・SB201kg56PS/11,000rpm39N・m/9,500rpm
もはや伝説の4気筒官能エンジンを積んだバイク、ホンダのCB400スーパーフォア、スーパーボルドール。2022年10月に排ガス規制により生産終了してしまいました。
特徴小扉_3_1CB400SFの特徴は、VTECエンジンです。エンジンを買ったら車体もついてきた、と言っても過言ではない、官能性なら最高峰のエンジンを持っています。ただ4気筒だからではない、VTECがあるから、このエンジンは最高で、将来にわたって語り継がれるのではないでしょうか。
CB400SFに使われるVTECとは、6500回転でくらいバルブの状態が切り替わり、明らかに音が変わって高回転に突き抜けていきます。
ついつい高速道路に乗って合流や料金所から鬼加速してしまう、素晴らしいフィーリングです。
ホンダは四輪でもTYPE-RシリーズやS2000などで素晴らしい官能エンジンを積んでいますが、
CB400SFで13,000回転カチ回すのは、何者にも代えがたいでしょう。
向いている人小扉_3_2CB400SFに向いている人は、エンジンを回したくて仕方がない変態さんです。中古価格も爆上がりしてしまったので、変態な人以外はたぶん手を出さないでしょう。極度の変態ペンたろうは、生産終了時の駆け込み衝動買いで、スーパーフォア2台、ボルドール1台とあわせて3台所有になってしまいました。もう自分で自分が理解できません。
期待してはいけないところ小扉_3_3冷静になると、CB400SFは、あらゆる場面で特別乗りやすいバイクというわけではありません。ちまたでよく「乗りやすい」という紹介がされていますが、VTECで無理矢理低回転トルクを出しているので、1速などのギクシャク感は強めで、慣れるまで町中でのコントロールがちょっと難しめです。教習所で、発進後すぐに2速に上げていた人が多いと思いますが、このバイクの特性上1速の難易度が高いからでしょう。CB400SFが教習車というだけで、すでに罰ゲームだったと思います。Ninja、Z、MTと比較すると、乗りやすさはそれらに軍配が上がるので、現代の400ccクラスに比べるとちょっと癖強め、と思えば良いでしょう。ちなみに、今後の教習車は400Xベースになりそうです。
選ぶポイント小扉_3_4ハーフカウルのCB400SBは、意外にSFと乗り味も違います。36(走行動画)ライトやメーター類がハンドルからカウルに移動したことで、CB400SFよりもハンドルの軽量感というか、スマートに動く感じがします。
これによってSFとは乗り味がだいぶ違っていて、全体的にジェントルな感じ、バイク全体の完成度が高くなったようなイメージがあります。
個人的には、ボルドールの乗り味の方が好きですが、これは単純に好みだと思いますね。ハーフカウルのスクリーンは、しっかりとした大きさで、想像通り優秀な風よけです。ハーフカウルに小物入れが2つついているのもポイント高いですね。
新車価格はボルドールの方が10数万円高いですが、ETCとグリップヒーターが標準装備になっているので、実質カウル代5〜6万円でした。中古価格はSFの方がボルドールより高い傾向なので、今から中古を買うならボルドールの方がお買い得です。
4.SR400175kg24PS/6,500rpm28N・m/3,000rpm
43年間ほとんど形を変えずに販売された、ヤマハSR400。ついにメーカーWebサイトからも削除されました。でも新車在庫のある店舗がまだいくらかあります。
小扉_4_1特徴SRは、観賞用に最高です。見た目はこれぞバイク、という形で、ディテールも美しいです。輝くメッキパーツたちに風景が映り込み、どの角度から写真に収めても映えます。車体も無骨感がなくスマートで、エレガントな感じですね。乗り味も、400cc空冷単気筒エンジンの心地いいパルス感があり、気持ちよく、しかも非常に乗りやすいバイクです。セルモーターさえあれば初心者にもお勧めです。
2019年モデルと2021年のファイナルエディションが中身は同じの最終形で、これらはピークトルクが3,000回転に引き下げられていて、乗りやすさ優先ではこれらの年式を選ぶのが良さそうです。このモデルはキャニスターがついていて、それが気に入らない人も多く、見た目優先であえてここを除外する人もいますね。
小扉_4_2向いている人SRは、見た目のために全てを犠牲にできる人に自信を持ってオススメできるバイクです。下道メインで走るなら走行フィーリングも快適で、60km/hの速度域ではこれ以上ないくらいとても乗りやすく、エンジン低回転のパルス感も気持ちがいいです。
ホンダのGB350の発売時によく比較されましたが、フィーリングは全く違います。使い勝手はGBの方が良く、セルモーターもついているし、安心して乗れる上、不快な振動もある程度カットされています。ただしGBの振動カットレベルは、街乗りの振動はほぼカット、高速域になると振動が大きい、という特性があります。その結果、街乗りでは振動がないのに音だけ大きい、という具合で、その点ではSRの方が自然です。とはいえ高速域の直進安定性など、SRはGBに圧倒的に及ばないので、普通の人はGBを選ぶでしょう。
今からSRに乗ろうと思う人は、フォルムの美しさにやられてしまった変態さんだと思うので、きっとお茶目なポンコツ具合も含めて全てを愛せるでしょう。ちなみにこっち方面でも変態なペンたろうは、最終形あたりのSRを色違いで2台持っています。
小扉_4_3期待してはいけないところ教習所のCB400で免許を取って、初めてのバイクにSRを選ぶと、おそらくあまりに違う乗り物でびっくりします。振動が恐ろしく大きいし、フレームもヤワで危なっかしい、何とも言えないノスタルジックな世界を味わえます。
小扉_4_4選ぶポイントSRは現代のバイクとは違う、異世界転生したつもりで楽しむバイクだと思うとちょうど良いかもしれません。3ヶ月くらいあけて久しぶりに乗ると、こんなにポンコツだったっけ、と改めて驚きます。でも走り終わるとボーっと30分くらい造形美を眺めてしまう、大いに魅力あるバイクです。
C2-1コラム:過去に販売されていたモデル2C2-2YAMAHA SRX400ヘッドライトがSRと同じ感じのセパレートハンドルモデル、SRX400というバイクがありました。SR400発売から7年後に登場したようです。C2-3SRVこちらは250ccですが、SRV250というモデルです。1990年前後に発売されましたが、なんと空冷Vツインエンジンです。個人的に、今あったらぜひほしいと思ってしまいました。
5.カワサキ エリミネーター176kg48PS/10,000rpm37N・m/8,000rpm
カワサキのクルーザー系モデルで、2023年4月に発売されました。こちらはレブルと同じような位置づけですが、Ninja400と同じエンジンを積んでいて、加速力は軽量スポーツバイク系です。ホイールベース、トレールなどがレブルより大きいので、スペック上はより直進に振ったバイクです。
ホンダレブルシリーズはよく売れていて、レブル250の2022年販売台数はGB350に次いで2位の10,000台オーバーですが、アメリカンなスタイル全般が人気かというと必ずしもそうでもなく、ヤマハボルトや絶版になったカワサキバルカンSは不人気でした。
レブルだけが特別な状態なので、このエリミネーターがどれだけ売れるのかは興味深いところです。
カワサキさんの注文状況を確認しましたが、今のところ熟練された人たちよりも、若年層、女性、バイク歴が浅い人、リターンライダーなどのニーズが多いようです。この辺は、レブル250の傾向と似ていますね。レブル250は足つき優先で購入する人が多く、同じようにバイク歴が浅い人などのニーズをくみとっていますが、エリミネーターもそのニーズに刺さっているようです。
レブル250とのガチンコ勝負になりそうですが、2023年発売当初は全国的に出荷台数が少なく入手しづらいため、販売台数ランキングの上位に入るには大量増産が必要そうです。
6.ZX-4R188kg77PS/?rpm36N・m/11,000rpm
カワサキから国内導入予定が発表された、400cc4気筒エンジンを積む、Ninja ZX-4R。長いこと噂されていましたが、ついにやってきました。発売は2023年秋予定になっています。
スペックを見ると、Ninja400より重く、トルクが薄いので、普通の街乗りはNinja400の方が得意なようです。CB400SFと比べると、CB400の方がトルクが厚く、重量も10kgくらいしか差がないので、CB400SFの方が万能に使えそうなイメージはあります。その分ZX-4Rは高回転パワーに振っていて、レッドゾーンは1万5〜6千回転くらいなようです。高回転回すには、CB400よりもさらに爽快でしょうか。
乗車姿勢は、前傾率を先日動画で紹介しましたが、ZX-25Rとだいたい同じ40%前後、ホンダCBR250RR、57-2スズキGSX-R125よりちょっと前傾軽いくらい、ヤマハYZF-R3よりちょっと前傾深いくらい、というゾーンになります。体型によってちょっと感じ方にずれはあると思いますが、本格スポーツ系の前傾姿勢ではなく、Ninja400のなんちゃって前傾でもない、ちょっと慣れれば普通に使えるくらいのゾーンです。
ZX-6Rはレーシーな乗車姿勢で辛いので、いい立ち位置かもしれませんね。
カワサキさんには初期ロットを回してもらう話にしていますが、生産の都合によってどうなるかはわかりません。いずれにせよ現物に触れられたらレビューしたいと思います。