フルカウルバイク、前傾ヤバさランキング【国内全30車種】
2024.02.25
2023.07.07
CBR650RとCB400SBの4気筒エンジン同士を比べてみました。世界に誇るホンダエンジン、どちらも高性能ですが、大は小を兼ねるのか検証です。
(CBR車体動画)ホンダのミドルクラス4気筒、フルカウルのCBR650Rを、(SB車体動画)同じ4気筒の400ccハーフカウル、CB400スーパーボルドールと比較して違いを紹介します。
(CBR走行動画1)まずはエンジンから。CBR650Rは648cc直列4気筒エンジンです。最高出力95馬力、最大トルク63Nm、それぞれ12,000回転、9,500回転で発生します。(SB走行動画1)CB400スーパーボルドールの方は、399cc直列4気筒エンジン、最高出力56馬力、最大トルク39Nm、11,000回転、9,500回転で発生します。
スペックを見る限りでは、650ccは400ccのほぼ完全上位互換です。
(CBR走行動画2)CBR650Rのエンジンは、低速域のトルクが十分あり、日常域での走り出しの加速感に不足はありません。高速道路制限速度域でも一気に加速できます。これくらいの排気量があると、高回転向きの4気筒エンジンも実用で使いづらいと感じることはあまりないでしょう。公道ではピークパワー域を使いきるのはなかなか難しく、10,000回転以上回すことができるのは空いている高速道路のゲート直後など限定的です。
(SB走行動画2)CB400のエンジンは、最大出力、トルクとも650ccの6割くらいです。高回転は問題ないものの、低回転トルクには不安がありそうですが、CB400のエンジンはVTECというバルブ切り替えシステムにより、低回転トルクが底上げされています。そのためクセはあるものの十分実用レベルになっており、アイドリング状態からクラッチをつなぐだけでも発進できます。パワーがありすぎることがないため、(SB走行動画4)高速道路であれば全開加速できるシーンも多く、10,000回転程度は合流やゲート後、追い越しなどの場面で回せます。
(CBR車体動画)さすが、F1にエンジン供給している世界のホンダエンジン、どちらのエンジンも最高クラスですが、フィーリングは結構違います。650ccの方は、直4ながらちょっと荒々しさというか、力強さを感じます。(SB車体動画)それに対して400ccの方は、より繊細な感じ、シルキーな感じという表現が近いように思います。
(CBR走行動画4)低速域の乗りやすさは、明らかに650に軍配が上がります。CBR650Rは、低速のギクシャク感は大きくなく、問題ないレベルです。1速のコントロールも難しくないので、(CBR走行動画5)免許取り立てでもそれほど困ることはないでしょう。急発進してしまうほどの有り余るパワーでもないので、気持ちに余裕を持って乗れるバイクになっています。
(SB走行動画5)CB400スーパーボルドールは、VTECによって低回転トルクが上がっているものの、400ccでは多気筒はやや荷が重く、やはり扱いづらい面があります。(SB走行動画6)停止状態からの加速は大型ミドルクラスや2気筒エンジンモデルと比べてややもっさりした感覚はあり、慣れると普通に感じるものの、直後に乗り換えると結構差を感じます。(SB走行動画7)また、1速のギクシャク感はかなり強い方で、発進したらすぐ2速に上げてしまった方が楽です。この辺がCB400の乗りづらさ、扱いづらさにつながっていて、しばらくぶりに乗ると慣れるまで時間がかかります。
(CBR走行動画6)高速道路の走行フィーリングは、イメージ通りCBR650Rの方が全体的には楽です。650の方がエンジン回転数低めで走ることができる他、追い越しでもギアの段数をそれほど下げなくても良いので、気楽に走れます。
(XSR走行動画)ただ、同じ650cc前後のバイクで比較すると、2気筒エンジン組のXSR700、SV650の方が追い越し時の瞬発力があり、6速固定で軽く追い越しできます。(CBR走行動画7)CBR650Rは2気筒ほどのレスポンスがなく、1〜2段ギアを下げて追い越ししたくなります。ただあくまで比較の問題で、6速固定でも追い越しできます。
(SB走行動画8)CB400スーパーボルドールは、状況にも寄りますが3速くらいまで落として追い越しした方がスムーズに流せるでしょう。
(C0055)時速100km走行時のエンジン回転数は、CBR650Rが4800回転くらい、CB400は6500回転弱です。
(CBR車体動画)旋回性能ですが、どちらも曲がりやすいので、人によるとは思いますが、一般的にあまり苦にならないでしょう。セパレートハンドルとバーハンドルの違いはありますが、(SB車体動画)CB400スーパーボルドールの方もハーフカウルにメーターなどがマウントされているので、ハンドルの操作感はフルカウルセパレートハンドルにも近いです。
最小回転半径はCBR650Rが3m、8-2CB400が2.6mと違いがあり、フルロックするような特殊な場面では差が出ます。(CB400SB_浦安)ジムカーナのようなケースでないとそういった走りはしないので、日常使いで気になるほどではありませんが、取り回し時には結構差を感じるはずです。
CBR650Rの乗車姿勢ですが、ハード目な前傾姿勢です。前傾率は身長175cmで48.7%ですが、この水準は結構ハードなスズキSV650Xと近いものの少し楽、CBR250RRよりきつめ、というレベルです。
概ね、本気のスーパースポーツ群頂点クラスのCBR1000トリプルR、ヤマハYZF-R1などより圧倒的に楽、同じく本気のスーパースポーツ系乗車姿勢のカワサキZX-10R、ZX-6R、ヤマハYZF-R7よりかなり楽です。
結構やる気モードのCBR250RRやスズキGSX-R125、カワサキZX-4R、ZX-25Rよりきつめです。
フルカウルツアラーのカワサキNinja650と比べると、かなりキツいポジションになっています。
CB400スーパーボルドールの乗車姿勢は、18-2175cmで20%程度と、ちょうどいい軽めの前傾に感じる人が多いでしょう。
CBR650Rはツアラーだ、という人がいますが、こと乗車姿勢においては騙されたと思う人も多いでしょう。(CBR車体動画)より深い前傾姿勢に慣れ親しんでいる人でないと、長時間走行が楽だとは感じないと思います。
カワサキNinja H2 SXもメーカー的にはツアラー扱いですが、こちらも前傾が深く、190cm以上の人でないと長距離向きのポジションとは言えません。
参考までに、400ccフルカウルのCBR400Rの方は、前傾率30%強と、かなり直立に近くなります。こちらはツアラーとして使うことに違和感は少ないはずです。
CB400スーパーボルドールは、上半身の乗車姿勢は疲労が大きい方ではありません。ただしシート高が755mmと低いので、身長によって脚が窮屈になり、(SB車体動画)脚の疲労が大きい人も多いでしょう。そういう場合、ハイシートオプションはないので、加工などでシート高を上げるしかありません。
(CBR車体動画)CBR650R、CB400スーパーボルドールとも、体型と姿勢の相性次第でロングツーリングに使いやすいかどうか変わるので、万人にツアラーとして勧める類いの車種ではありません。
(CBR車体動画)カウルは十分実用的で、どちらも整流効果はあり、長時間高速走行の疲労を軽減してくれます。(SB車体動画)体のサイズによって感覚は変わりますが、個人的にはCB400の方が整流感が上質に感じます。これはスクリーンの形によるのかもしれません。CB400スーパーボルドールの方がシンプルに連続的、CBR650Rの方は少しくびれています。
ボルドールは肩のあたりなどに当たる風が整っているように感じますが、CBRは前傾が深いので、頭の方に当たる風は弱めに感じます。
いずれも、ヤマハYZF-R3、スズキGSX250Rなどのクラスとは31-2一線を画した防風性能があると思って間違いありませんが、頭の方は風が当たる人が多いと思います。
(CBR走行動画8)4気筒なので激しい振動はありませんが、高周波振動のようなものは一定回転数であります。
CBR650Rの振動は4気筒エンジンにしては結構強く、高速道路の連続走行では手がしびれやすいレベルです。ちょうど時速100km前後の回転数の振動が多いのか、短時間でも結構堪えます。
(SB走行動画9)CB400スーパーボルドールの方が振動は少なく、高回転でシートに小さい振動を感じることはありますが、ハンドルの振動はそれほど大きくありません。(SF走行動画)ただネイキッドのCB400スーパーフォアの方が、ハンドルにメーターなどの重量物がついているためか、ハンドルの振動はより少ないです。スーパーフォアの方はほぼ手のしびれはゼロですが、(SB走行動画10)ボルドールの方はちょっとしびれを感じたりもします。ただ、CBR650Rよりかなり少ないはずです。
振動は個体差もあるので一概には言えませんが、大筋ではこの通りに感じる人が多いでしょう。
(CBR走行動画9)CBR650Rの排気音はちょっと野太めです。空冷4気筒のCB1100を少し思い出すような、やや荒々しい感じです。迫力ある音を求める人には良いかもしれません。
(SB走行動画11)CB400の排気音は、雑味の少ない高音です。低回転域は高めの綺麗な音で、6500回転でバルブの状態が切り替わると一気に迫力が出ます。回転数でかなりキャラクターが変わるので、1台で2度おいしいエンジンです。この感覚は唯一無二といえるので、コレが好き、というマニアな人は他の4気筒エンジンでは満足できないかもしれません。
車重は210kg弱と、およそ同じです。イマドキのミドルクラスは、180kg台くらいが一般的になっているので、クラスとしては重量級になります。ヤマハMT-07が184kgXSR700が188kgカワサキZ650が189kgZ650RSが188kgNinja650が194kgです。スズキSV650は重い方で199kgですが、CBR650Rはそれより約10kg重くなっています。
(CBR車体動画)ただ、取り回しではそれほど差を感じません。ヤマハより重いと感じますが、SVとは似たような感じでしょうか。
(CBR走行動画10)走行時の軽快感は、他のミドルクラスバイクたちが2気筒エンジンで、車重よりもエンジン特性の関係で他のバイクの方が加速は軽快に感じます。
(SB走行動画12)400ccは160kg台なので、CB400はクラス内横綱級でしょう。ミドルクラス2気筒群と比べるとかなり遅いと感じますが、Ninja400と比べてもだいぶもっさりしています。YZF-R3と比べても同じです。
(SB走行動画13)ただ、やはりこれも車重より4気筒エンジンゆえ、というところで、CBR650Rの直後にCB400スーパーボルドールに乗り換えても、それほど初速が遅いと感じません。
(CBR走行動画11)もちろん実際には加速力にはかなり違いがあるのですが、街乗りの感覚値にそれほど大きな違いはなく、いずれも2気筒から乗り換えるとややもっさりした感覚を抱くと思います。
足つき性能を比較すると、CBR650Rはステップが後ろで干渉しないため、適正身長の幅が163cmから176cmです。フルカウルモデルは一般的にステップが干渉しにくいため、41-2シート高の割に足つきが良いですが、CBR650Rも同様です。とはいえシート高810mmなので、150cm台の人は脚が長いか超厚底を使うかなどでないとなかなか難しいかもしれません。ただ、シート幅、車体幅が狭めなので、それによって適正身長の幅が広がっています。
CB400スーパーボルドールは、シート高が755mmと低く、適正身長の幅が153cmから166cmです。多くの人は足が着かなくて困ることはないでしょう。逆に低すぎて困る人の方が多いと思います。シート幅があるので少し脚を広げる形になります。
(CBR走行動画12)CBR650RはCB400スーパーボルドールと比べて、ほぼ全てのシーンで乗りやすいです。特にストップアンドゴー、低速走行など街乗りに多い場面で顕著に違いを感じるはずです。また、高速道路の追い越しなども楽です。650ccくらいの大型ミドルクラス全般に言えますが、この排気量帯は600ccのガチレースマシンやビッグオフローダーなどを除いて、とてもフレンドリーで乗りやすいモデルにあふれています。4気筒エンジンはホンダのCBR650RとネイキッドのCB650Rですが、軽快感は2気筒に譲るものの4気筒のエンジンフィールが好きなら選ぶ価値が十分にあります。
(SB走行動画14)400ccのCB400スーパーボルドールは、低速が扱いづらく、クラッチを切った時のエンジン回転落ちが速いため超高速稲妻シフトチェンジをしないといけないので、結構忙しいです。ちなみに、ちまたで聞く忙しいシフトチェンジを楽にするための半クラシフトチェンジは、メカニックの人からはNGが出ました。トランスミッションの構造としてはクラッチをきちんと切るべきとのことです。そんなこんなで結構いろいろ神経を使って乗るCB400ですが、VTEC4気筒エンジンはこのモデルだけで、世界のホンダエンジンを堪能するなら最高クラスの市販エンジンです。そんなこの上ない贅沢を味わいたい人向けのマニアモデルなので、ヘンタイな人以外は手を出さない方が良いと思います。ちなみにペンたろうはスーパーフォア2台とスーパーボルドール1台の、最終モデルを3色揃えてしまったド変態です。