フルカウルバイク、前傾ヤバさランキング【国内全30車種】
2024.02.25
ミドルクラスバイク比較シリーズ、フルカウルモデルのカワサキNinja650とホンダCBR650Rを比較してみました。
まずNinja650とCBR650Rの乗車姿勢ですが、全然違います
Ninja650の方から見てみると、身長175cmで前傾率33.7%、160cmで42.1%です。
同じくらいの水準のバイクは、ヤマハYZF-R3の方が気持ち前傾、ホンダCBR400Rの方がやや直立、GSX250Rの方がやや直立という具合で、これらは違い水準にあります。どれもロングツーリングOKというバイクですね。
CBR650Rの方は、身長175cmで前傾率48.7%、160cmで58.1%です。
こちらの同じくらいの水準は、スズキSV650Xの方がやや前傾、スズキ隼の方がやや前傾、ホンダHAWK11の方がやや前傾という具合ですが、これらは近いと感じるでしょう。
スズキGSX-R125、カワサキZX-25R・4Rは、CBR650Rよりかなり直立です。これらに乗った直後にCBRに乗ると、おっ!となる人が多いのではないでしょうか。
2台を比べると、CB400SFあたりと比べてもそれほど違和感が大きくなく、ツアラーと言って違和感がないNinja650、やばめな前傾のCBR650Rという具合です。CBRに乗りたい人は、意外に前傾がヤバいことで有名なSV650Xや、隼のように見るからにヤバそうなものと同じくらいの覚悟で臨みましょう。
足つき性ですが、Ninja650は股下がおよそ72から78cmの範囲、平均的な脚の長さ45%で計算すると身長161cmから174cmの間が適正です。Ninja650にはハイシートオプションがあり、これを使うと3cm上がります。この場合、身長が167cmから180cmとなるので、ノーマルシートかハイシートを使うと広い身長幅に対応しています。
CBR650Rは股下が73から79cm身長が163cmから176cmとなります。こちらはハイシートはなさそうなので、身長が高い人は長時間乗ると脚が疲れるかもしれません。
どちらもステップと脚は干渉しにくいので、シート高の割には足つきが良いです。
余裕を持った数値なので、この適正幅の外側でもある程度大丈夫な場合もあり、本格的に購入検討している人は是非試乗して確認してみてください。
加速性能は、主に2気筒エンジンと4気筒エンジンの特性によって如実に違います。
Ninja650は180°クランク直列2気筒エンジンですが、こちらは低中回転域のトルクに重点が置かれていて、発進からの加速や急加速、高速道路で6速固定で追い越すシーンなど、瞬発力を求める場面で期待に応えてくれます。
CBR650Rは直列4気筒エンジンで、2気筒エンジンに比べて発進や低回転からの瞬発力は劣ります。その分高回転パワーが明らかに高くなっており、高回転域での加速性能はNinja650とは勝負になりません。
スペックを比較してみると、このようになっています。
最大トルクはほぼ同じなものの、発生回転数が3,000回転くらい違います。ピークパワー発生回転数も4,000回転違い、さらに68馬力に対して95馬力と、圧倒的なパワー差があります。
これにより、街乗りの加速性能、高速道路での制限速度域の追い越しなど公道の普通の使い方の範囲ではNinja650の方が扱いやすいでしょう。CBR650Rは、あくまで日常域に限ると、2気筒と比べると加速のもっさり感はあり、CB400SFを所有したことがある人は、似たようなイメージと想像してもらえれば良いでしょう。もちろん、実際には650の方が速く低速も扱いやすいですが、4気筒同士フィーリングは似ています。
とはいえ、いずれも公道の一般的な走行では十分な加速力があるので、不満に感じることはないと思います。
中速、高速旋回性能はいずれも高く、公道走行レベルで曲がりにくいと感じることはないでしょう。ともにセパレートハンドルなので低速でフルロックに近い状態にするにはある程度コツがいります。ただ、Ninja650の方はハンドル位置が高くあまり腕を逃がさなくてもフルロックあたりまで切れます。
また、Ninja650は低回転トルクが高くなっており、1速や2速の低回転でギクシャク感が少ない特性のため低速旋回はかなり楽です。Uターンのような場面でも1速でギクシャクしてバランスを崩すこともなく2速でノッキングやエンストとなることもなくどちらのギアを選択してもおよそ問題なく回れるでしょう。
ちなみにペンたろうはUターンするときCB400SFは1速のコントロールがしづらいので2速で旋回、CB250Rは低回転でノッキングするので1速で旋回XSR700やSV650Xは1速で安定するので1速旋回という具合ですが、Ninja650は1速2速とも余裕です。CBR650Rは1速でUターンがやりやすいです。
重量バランスに寄るのか、Ninja650は軽快に回れるので、セパレートハンドルが初めて、という人も苦労することなく運転できそうです。
取り回し性能は車重とハンドル切れ角が多くを占めますが、それぞれの数値を比較してみます。
車重はNinja650が194kg、CBR650Rが208kgです。
参考までに、CB400SFが201kg、SV650が199kg、MT-07が184kgです。MT-07は驚異の軽さですね。
最小回転半径はNinja650が2.8m、CBR650Rが3mです。
こちらも参考に、CB400SFが2.6mSV650が3m、SV650Xが3.3m、Z650とZ650RSが2.6mです。
ともにNinja650の方が取り回ししやすい方向にあり、実際に触ってみてもそのように感じると思います。
身長に対してハンドルが一定以上高いバイクや、一定以上低いバイクは、取り回しの時重く感じます。CBR650Rはおそらく重く感じる人が多い低さです。Ninja650はハンドルが高く、一般的なバーハンドルにある程度近い高さで実際の車重に対して重いとは感じないでしょう。
デフォルトでは積載能力はどちらもありません。キーロック式のヘルメットホルダーは、Ninja650には標準装備されています。CBR650Rにはありません。
積載系の純正オプションを見てみると、Ninja650は充実しています。タンクバッグスマートバッグパニアケーストップケースまで揃えられているので、それほど高くないので社外品を使わず車両と一緒に注文してしまうと乗り出しから積載確保できて快適です。
CBR650Rは純正シートバッグが用意されていますが、これはこれで使いやすそうなので良さそうです。ただ、この位置のシートバッグはブレーキング時やコーナリング時に体を後ろに下げた時干渉するので、曲がりづらくなるため、微妙だったりします。シートバッグなどはキャリアを増設して載せた方が快適にはなるでしょう。
両者とも、アシストスリッパークラッチトラクションコントロールが装備されています。
フロントフォークはNinja650が正立CBR650Rが倒立です。倒立フォーク命の人は迷わずCBRですね。
Ninja650はETC2.0が標準装備となっています。また、カワサキケアモデルなので年1回のオイル交換と、年2回の点検費用が車両価格に含まれています。オイル交換時のオイル量は、Ninja650が1.6ℓで、4,000円から5,000円くらいでしょう。自分でやると1,000円から2,000円程度です。CBR650Rは2.3ℓで、6000円から7000円くらいになりそうです。自分でやると2,000円から3,000円程度です。
価格はNinja650が税抜き90万円、CBR650Rが98万円、赤は101万円です。
ETC2.0の部品代と工賃で60,000円から80,000円くらいになるので、それとオイル交換費用をあわせるとNinja650とCBR650Rの価格差は15万円から20万円となります。
どちらもカワサキプラザ、ホンダドリームでしか注文できないため、動画公開時点では値引きは一切期待出来なそうです。ホンダさんはちょっと前は値引きしてくれたんですけどね。
さて、それぞれの特性を見てきましたが、2択で選ぶ場合、自分の求める方向性と合っているか整理すると満足度が高いでしょう。
Ninja650に向いている人は、ツアラーがほしい楽な姿勢で乗りたい街乗りの加速性能重視旅がしたい1台で何でもこなしたいジムカーナをやりたい
という方向性が合っていると思います。
CBR650Rはスポーツバイクが欲しい前傾姿勢こそ命高回転パワーこそ命やっぱり4気筒エンジンがいいサーキットを走りたいというあたりが近いでしょうか。
CBR650Rがツアラーだというネットの記事などは、CBR600RRとの比較で言っていると思われるので、鵜呑みにしない方が無難です。
Ninja650は純粋なフルカウルツアラーで、およそどんな人でも長距離長時間走行ができます。
Ninja650にキャラクターが近いのはCBR400Rだと思います。これらはフルカウルツアラーとして優秀で、どんな用途にも不満なく使えるでしょう。または、Ninja1000やスズキGSX-S1000GTのように44-2上の排気量のツアラーと比較してみると自分に合ったモデルが見つかると思います。
CBR650Rに近いのはCB400SBZX-6R、CBR600RRとあり、2気筒エンジンではヤマハYZF-R7もあります。これらと比べて、YZF-R7ほど前傾が深いのはしんどい、という人ZX-6RやCBR600RRほど本格レース用マシンまでは求めていない、という人CB400スーパーボルドールよりパワーが欲しい人、という場合にマッチすると思います。あくまでスポーツモデルの範疇の中で、マイルドさを求める人がターゲットになっていると思われます。
ミドルクラスは、Z650RS、XSR700、SV650Xとあわせた詳細比較、Z900RSとZ650RSの比較など、ニーズがありそうならやっていこうと思います。