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2023.08.26

スクリーンの防風効果

高速道路走行の重要アイテム、スクリーンの効果を検証してみました。

まずハンドル直結の後付けタイプです。ネイキッドバイクは主にヘッドライトまわりに後付けすることになりますが、ヘッドライト近辺にマウントすると自動的にハンドルと直結になります。

CB250R

1台めがホンダの軽量250ccスポーツネイキッド、CB250Rです。こちらはCB125Rとも共通になっているので、大抵のスクリーンは共用できます。純正オプションはありませんが、メーカーのアクセサリーページに社外品がいくつか載っています。およそメーターバイザーという名前で、防風効果はあまり期待出来なそうですが、エンデュランスのロングメーターバイザーというものをつけてみました。見た目はこんな感じで、ロングという名前だけあってスクリーンとしてある程度機能します。

高さは多少あるので、およそ首のあたりまでは整流されます。横幅は狭いため、肩のあたりには風が直撃するので、ないよりはるかに良いですが、もうちょっと防風効果がほしくなります。ただ、見た目あまり邪魔にならないので、見た目優先でそこそこの防風効果を求める場合はロングメーターバイザーもありだと思います。

もう少し縦横の寸法が大きい、ハリケーンのモデルは、メーターバイザーではなくスクリーンという名前になっています。こちらに差し替えてみると、横幅が広い分体に感じる風が少なくなります。高さは相当高くないと頭の方までシャットアウトすることはできませんが、横はちょっと広いだけで結構効果に差があるようです。

XSR700

2台目はヤマハのXSR700です。こちらはフライスクリーンという名前の純正オプションで、ただのファッションアイテムに見えるでしょうか。実際あまり防風効果は期待していなかったのですが、つけてみると劇的に違いがありました。

もともと暴力的に風を体に受けていたところ、フライスクリーンをつけると風がきれいで静かになり、かなり快適になります。そこそこパワーがあるのでスクリーンがなくても高速走行はそれほど支障がありませんが、この小さいスクリーンでより有能なマシンになりました。

スクリーンの高さは低いですが、横幅がそこそこあり、この結果からもスクリーンの横幅は重要のようです。

現行モデルはメーターの位置が下に下がり、純正オプションはメーターバイザーになりました。こちらは位置が低く幅も狭いことから、防風性能は従来より低くなっていると思われます。

ハンドルにスクリーンが直結していると、風が強い日などはハンドルに影響がありますが、ミドルクラスくらいのパワーがあると推進力が強いのであまりデメリットを感じません。

SEROW

次はヤマハのセローです。ツーリングセローというパッケージで純正オプションのスクリーンがついています。

ノーマルセローもあるので比較していますが、純正スクリーンだけあって効果は優秀です。防風効果はしっかりとあり、風切り音なども気になりません。

ただし車体が軽くパワーが低いこともあり、風が強い日などはハンドルを取られやすく、一長一短な面もあります。ただ、概ね良好な日がほとんどなので、一度付けると外せないアイテムです。

簡単に付け外しできるので、オフロード走行時には外したりと、走行シーンに応じてやりくりできるでしょう。

やはり純正品は空力設計などきちんとやっていると思われるので、先ほどのXSR700と同様優秀な効果があるようです。

KLX230SM

カワサキのモタード、KLX230SMにもスクリーンをつけてみました。こちらは純正品がないので、社外品のダートフリーク製を使いました。ツーリングセローと同じような大きさのスクリーンです。

KLX230SMの車体はセローと同じようなキャラクターで、スクリーン形状も似たような感じですが、こちらは社外品だけあって防風性能や風きり音などセローの純正スクリーンに比べると効果は劣ります。ただし効果は確実にあり、あるとないでは大違いです。スクリーンの角度調整が自在で、上下位置もある程度変えられるので、もうちょっとパターンを試すとよりよい場所が見つかるかもしれないので、もっと研究してみたいと思います。

KLX230SMは他にもいろいろパーツをつけてツーリングセローのようにアドベンチャー化してみました。この動画公開前後くらいにラジオ系チャンネルで話していると思いますので、気になる人はそちらも回ってみてください。

SV650X

スズキSV650Xは、ヘッドライト上に小さいビキニカウルのようなものがついています。こちらはデフォルト装備ですが、ハンドル直結型です。もともとついているため外した場合がどうかは検証していませんが、おそらくないよりマシ程度の効果でしょうか。ただ、乗車姿勢が結構な前傾なので、直立姿勢に比べて風当たりは弱めです。それもあって、デフォルト状態で高速道路もそこそこ気にせず走ることができます。

ノーマルのSV650の方は、同じようにバイザーがついていますが、こちらの方がちょっと大きく感じます。比べるとやや風よけ効果はありそうですが、実際どうでしょうか。社外品の大きめスクリーンもあるので試してみたい気もしますが、SV650Xはこのスタイルを崩したくないのでこのまま変えずにいくと思います。

ZX-4R

次にカウル系を見ていきます。まずカワサキZX-4Rですが、フルカウルスポーツモデルのよくある形です。上に伸びて横がえぐれている形ですが、このタイプは肩の辺りにやや荒っぽい風がきます。伏せて走るとそれなりに隠れられるので、あくまでサーキット走行を想定した空力設計だと思います。とはいえ、高速道路ツーリングもネイキッドより十分風よけになっています。

ZX-4Rは前傾が厳しくない分ハンドルが近く、スクリーンの位置と頭の位置が近いので、スクリーンに当たった風がそこそこ自分自身に当たります。全体的に小排気量のフルカウルは防風効果が低い感じがしますが、おそらくそういったサイズによるものでしょう。

CBR650R

ホンダCBR650Rですが、こちらもZX-4R同様です。それなりの効果は期待できますが、ツアラー系ではない、といった具合です。ZX-4Rより前傾が深いので、その分風を感じにくくなっているでしょうか。ハンドルが遠いので、スクリーンに当たった風はそれなりに逃げていくように感じます。可もなく不可もなくくらいの防風効果ですが、CBR650Rはツアラーではなく普通のフルカウルスポーツモデルなので、それにしてはそこそこ良い水準なのではないかと想います。

YZF-R3

ヤマハYZF-R3、R25は、これまでの2台より防風性能が低く感じます。

スクリーンの高さと幅はあまり大きく変わらなそうなので、おそらく姿勢がより直立になったからかと思います。直立の分風は当たりやすく、またスクリーンの位置が近いので、スクリーンに当たった風はそれなりに自分に当たります。

純正オプションでスポーツスクリーンというものがあり、こちらをつけると5cm上に上がります。伏せたときには違いがあるものの、普通に乗っていると大きくは変わらない印象ですが、交換直後に比べると差はあるのだと思います。スポーツスクリーンをつけた状態で伏せて乗ると時速120km走行も安定していけるので、やはりこちらも伏せ乗り最適化チームの一員のようです。

Ninja650

カワサキNinja650はフルカウルツアラーの位置づけで、スクリーンは少し大きめです。スクリーンの位置もやや遠目なので、スクリーンに当たった風はある程度外に逃げてくれるようです。これまでのカウルモデルより防風効果は大きく感じますが、全く同じ条件で比べていないので、ノーマルでは誤差の範囲かもしれませんが、感覚的には十分な性能に感じます。

純正オプションで大型スクリーンがあるので、これにつけかえると効果はかなり大きそうです。えぐれた部分がなくなり、角も丸くなるので、この形状ならおそらく上級レベルの防風効果でしょう。Ninja650を買うことがあったら、絶対この大型ウィンドシールドをつけると思います。

Ninja650は、これまで紹介したフルカウルモデルと違い、ステップがラバーです。

個人差はあると思いますが、スポーツバイクのステップとラバーステップでは長時間走行の疲労が格段に違うので、いろいろな部分でNinja650のツアラー性能は高められています。

CB400SB

ホンダCB400スーパーボルドールはハーフカウルで足下の方にカウルはありませんが、スクリーンはしっかりしたものがついています。

これまでのスポーツモデルと違い、根元がえぐれていません。むしろなめらかに下へ広がっています。これにより荒っぽい風とは無縁で、きれいに整流されています。高さはTracer9GTなどのアドベンチャーモデルほどないので、頭にはそれなりに風が当たりますが、首から下は快適です。

ネイキッドのCB400スーパーフォアとは全く違う走行感覚で、高速走行はかなり上質になっており、エンジン回転数が高めではあるものの概ねロングツーリングも快適にこなせます。

ちなみに、CB400スーパーフォアの方は、メーターバイザーやビキニカウルなど、社外品を含めいろいろあるので、カスタマイズすると高速走行もより快適になるでしょう。

まとめ

いろいろ検証した結果をまとめるとこのようになります。

まず、ヘッドライト後付けとカウルスクリーンでは、カウルの方が良いです。ハンドルと分離されているため、風の影響でハンドルを取られることがなく、安定して走れます。

次にスクリーンの形ですが、きれいな形の方が整流効果が高く、角張っていたりえぐれていたりするとその分風が巻き込んだり風切り音がするなど快適性が低くなります。

縦横のサイズは、カウル、後付けとも、縦に長いより横に広い方が快適性が高いようです。もちろん縦も横も大きい方が防風性能は高いですが、長いものか広いものかで選ぶなら、横に広い方が良さそうです。感じ方に個人差があるかもしれないので、気になる人はいろいろ試してみてください。

後付けする場合、メーカーの純正品は風きり音が少なく、効果が安定しています。社外品はものによるので、実際につけてみないとわからないので、純正品があれば迷わず純正品を選ぶ方が良いでしょう。

スクリーン以外にもツーリングを快適にするアイテムを研究しているので、ニーズがあればいろいろ紹介してみたいと思います。

良かったらぜひ高評価を押していってください。