どっちが強い、X-ADVとAfricaTwinツアラー比較

1.下道走行

下道走行は、選ぶライディングモードによって結構走行感が変わります。

X-ADVはSTANDARD、SPORT、RAIN、GRAVELの4つとUSERモード2つ。AfricaTwinはTOUR、URBAN、GRAVEL、OFF ROADの4つとUSERモード2つです。

市街地などは主にX-ADVがSTANDARD、AfricaTwinがURBANでよく、それぞれSPORT、TOURにするとよりパワフルになります。

X-ADVはDCTのタイミング調整もライディングモードに組み込まれていて、SPORTは低いギアで高回転側が使われます。そのためワインディングロードなどアグレッシブに走りたいとき以外は使いづらいので、うまく切り替えたり、ちょうどいいUSERモードをセットしておくと心地良く走れると思います。

AfricaTwinはパワフルめのTOURモードでも市街地渋滞などもいけるので、TOUR固定でもわりと平気です。

サスペンションダンピング設定もモードに組み込まれていて、体重や積載状態にあわせてUSERモードを作っておくのも有効です。

オフロードモードにするとリアABSのキャンセルもできるので、スキルがあれば本格的なオフロード走行もいけます。ここはX-ADVとの素性の違いが大きいですね。

X-ADVの方はオンロードフレームのNC750ベースなので、本格的なオフロード走行を前提には作られていません。

2.高速

長距離ツーリングといえば高速道路走破性能も大事ですが、加速感、直進安定性、シートの広さと厚さ、脚の窮屈さ、スロットル反力とクルコン、防風性能などの要素が影響します。

加速感は、X-ADVのスタンダードモードはエンジン回転数低めをキープするので、ミドルツインの一般的な水準よりゆったりした感じです。とはいえ400ccクラスなどより速いです。

スポーツモードは別物のように機敏になりますが、ギア低めをキープして高速には不向きなので、加速する時にモードを切り替えるか、USERモードで自分に合うバランスを調整するか、自分に合うパターンを見つけると良いと思います。

AfricaTwinは1100ccということもあり、高いギアでもいつでも鬼加速できるので、合流も追い越しも無敵の強さを感じます。1100ccツインエンジンはさすがですね。

直進安定性についてはどちらも十二分で、両者とも優れているので比べる必要はなさそうです。スペックもホイールベースやトレールなど近い数字になっています。

シートの快適さ度合いはX-ADVが一枚上です。シート幅が広く厚みもあり、前後に移動することでさらに負荷を分散できます。

後ろの方に座ると多少前傾にもなって、シート幅も広くなるので、高速道路走行中は後ろめに座りつつ、たびたび少し位置を変えるくらいが快適だと思います。

AfricaTwinはガチガチではないものの、オフロードフレームにあわせた形が細めのシート形状なので、さすがにスクータースタイルのX-ADVには快適性ではかないません。

脚の窮屈さは股下寸法が85cm以上でなければ、いずれも問題なさそうです。当然X-ADVの方が下や前など自由に足を置く位置を変えられるので、圧倒的に脚全体が楽です。

AfricaTwinは普通のステップで、つま先を置くか踵を置くかくらいしか移動ができず、普通に長時間は脚が固まりやすいです。定期的にプラプラ動かしてコリをほぐしてください。

スロットル反力は、ホンダのバイクはそこそこ強めで、多くの人は長時間走行でクルコンを使うと思います。いずれもクルコン標準装備なので問題ないでしょう。

使い方は同じで、開始スイッチを押してONにした状態で、速度マイナスを押せば開始します。

防風性能はいずれも大型スクリーンとハンドガードが標準装備されています。スクリーンは手動で上下できますが、一番上にするとまずまずの防風効果があります。

高さと角度はそれぞれ違うものの、筆者の体感では一番上にすると、だいたい同じくらいの風カット性能かなと思います。

ただし、どちらも身長175cmの筆者はヘルメット上の方には風が当たり、ちょっと惜しい感じです。

高速道路では風切り音も増えるので、整流効果の高いフルフェイスヘルメットでないと長時間は辛くなってきますね。

ここは王者Gold Wingと比べてしまうと、全く歯が立たないくらいの防風性能ではありつつ、アドベンチャーツアラーの限界程度ではあるので、この水準より上を求める人にはGold Wingしか救いがないと思って、おおむね正しいです。

3.スクリーン

スクリーンの高さは、ともに5段階調整ができます。

X-ADVの方が下げた時の風の当たり方が大きいので、夏場はX-ADVの方が快適かもしれません。

高さ調整はX-ADVは左手だけでできます。慣れれば信号待ちなどで上げ下げ可能で、まずまず便利ですね。

AfricaTwinは両手でないと操作できないので、体格にもよりますが、乗りながらだとやりづらいです。無理をせずサイドスタンドを立てたりして、安定した状態で動かすのがおすすめです。

ちなみに王者Gold Wingは電動スクリーンで、左手のスイッチで無段階調整ができます。これを知ってしまうと、やはり手動調整には戻れません。

4.熱

夏場にとても重要な発熱ですが、X-ADVの方は走行中はおおむね熱くありません。

脚を前に出して車体に接触させると熱さを感じますが、脚を下に降ろしたり、車体と離せば快適に走れます。

足を地面に降ろすとエンジン近辺と接触して熱いので、ストップアンドゴーが多い道は真夏は避けたくなります。

AfricaTwinは走行中も熱く、脚全体はおおむね地獄ですが、旧型CB400SFのように焼けるほどではないので、何とかはなります。

でも筆者は夏乗りたくありません。

ストップアンドゴーの多い市街地走行や渋滞などはAfricaTwinは拷問なので、真夏乗る場合にはしっかり対策することをおすすめします。

5.シート高

シート高は、X-ADVが790mm、AfricaTwinが840mmで、21インチタイヤの前モデルは830mmです。ローポジションで2cm下がるので、それぞれ820mm、810mmにもできます。

実際の足つき具合は、AfricaTwinハイポジションよりX-ADVの方が悪いので、アフリカツインのハイポジションに乗れない人はX-ADVには乗れないと思って良いです。

筆者は175cm、股下82cmで、AfricaTwinハイポジションは両足踵がつきますが、X-ADVはつま先しかつきません。

これはAfricaTwinがデフォルトでサスペンションの縮みが大きいことと、スクーターあるあるのX-ADVのシートの広さによるものです。

X-ADVは最前部あたりに乗ると、その分地面が近くなり、何とかできるかもという技はあります。

さらに高度な技として、フロアに立つことで発進停止時にシートから降りるという、小柄な女性の自転車方式もありますが、もちろんオススメしないので無理はしないようにしましょう。

6.サスペンション

X-ADVはアナログ制御のサスペンションで、フロントとリアを個別調整できます。

そこそこ調整幅が広いので、硬すぎると感じたり、地面が遠いなと思ったら調整してみると、いくらか快適になると思います。

AfricaTwinのAdventure Sports ESは電子制御サスペンションで、プリロードとサスペンションダンピングをまとめて段階設定するようになっています。

デフォルト設定が最弱なので、それより弱くしたい人は諦めるしかなさそうです。

7.積載

積載性能ですが、X-ADVは標準でシート下に22Lの積載スペースがあります。

システムヘルメットもそのまま入る深さがあって、SHOEI NEOTECシリーズのLサイズは入ります。エンジンが近くて前の方はちょっと温度が高いことはありますが、スペース自体はとても使いやすいです。

AfricaTwinはそういうスペースはないものの、リアキャリア標準装備なので箱などをつけやすいです。

SHADのトップケースアダプタは安くて、数1,000円で買えるので、手軽に箱を積むことができて、50L程度の積載を簡単に確保できます。

ただし、ただでさえ大きい車体がさらに大きくなるので、駐車スペースが狭い場合は注意が必要です。

AfricaTwinはサイドケースもあわせてフルパニア化しやすいので、荷物の総容量はAfricaTwinの方が確保しやすそうです。

8.DCTのレスポンス

DCTのスムーズさや変速タイミングによって快適性は左右されますが、変速ショックはどちらも大きくなく、おおむね自然な動きです。

X-ADVはライディングモードにDCTタイミング設定が組み込まれているので、USERモードで好みに調整もできます。

街乗りでSTANDARDモードなら手動介入することなく走れるので、CVTのスクーターとあまり変わらない感覚で扱えると思います。

AfricaTwinのDCTは標準のDモードのほかにSモード3段階もあって、ライディングモードと別にDCT操作ボタンで切り替えができます。

いずれも好みのタイミングと合わなければ、オートマモードのまま左手のスイッチで適宜手動介入もできます。

9.燃費と航続距離

燃費と航続距離ですが、X-ADVが燃費27.1km/L、タンク容量13L、航続距離352.3km。AfricaTwinが燃費19.6km/L、タンク容量24L、航続距離470.4kmです。

アフリカツインのAdventure Sports ESはタンク容量が24Lと巨大なので、航続距離が長いです。

X-ADVの方はスペック数値以上に燃費が良く、高速道路が多いと35km/L程度は走ります。250ccかと思うくらいの驚異的な燃費ですね。

長距離想定なら、実際の航続距離の差はスペックほど大きくありません。

1100ccと750ccの違いもあって、X-ADVの方が燃費のブレが少なく経済的です。

10.装備

走行系装備には、X-ADVは特別ハイエンドな装備はありませんが、クルーズコントロールとETCは標準装備されています。

AfricaTwinもクルーズコントロールとETC標準装備のほか、コーナーリングライトがついていて、旋回中は内側方向に向けて光を当ててくれるので、夜でも進行方向が見やすくなります。

また、オートキャンセルウィンカーもあって、ある程度消し忘れを防止してくれます。

快適装備には、両車ともグリップヒーター標準装備。

X-ADVはスマートキーで、スマホ連携にRoadSyncがあって、簡易ナビをディスプレイに表示できます。

AfricaTwinはCarPlay・AndroidAutoに対応してて1ランク上ですが、使うにはUSBの有線接続が必須です。

11.価格

価格はX-ADVが税込1,488,300円、AfricaTwinが税込2,255,000円です。

AfricaTwinは1世代前から一気に値上がったので、価格差が大きくなっています。

維持費に関する部分は、エンジンオイル量がオイル交換時でX-ADV 3.1L、AfricaTwin 4.0Lと、ぼちぼち容量差があります。

またAfricaTwinはリチウムイオンバッテリーが採用されていて、冷間時なども始動性が良く、自己放電はしづらいものの、車体に繋いでいると多少放電していくので、冬の間休眠する人や乗車頻度が低い人は、リチウムイオンバッテリー用の充電器がある方が安心です。

バッテリー交換時もコストが高めなので、AfricaTwinの方がやや維持費がかかりがちな仕様となっています。

タイヤはX-ADVが、AfricaTwinが19インチと18インチ。標準ではアドベンチャー感のあるオンロードタイヤが装着されています。

スポークホイールなのでチューブタイヤと思いきや、いずれもチューブレスタイヤです。スポークがリム部分に配置されていて、チューブレスタイヤに対応しているそうで、長距離移動も安心感が高いですね。

現行AfricaTwin AS ESはフロント19インチでチューブレスタイヤ化していますが、1世代前の21インチタイヤのモデルはチューブタイヤです。

12.どちらを選ぶか

それぞれの特徴をまとめると、X-ADVが向いている人は、ビッグスクーターに乗りたい、手軽に荷物を積みたい、燃費にこだわる、やっぱりリアブレーキは左手だ、ケツの硬さに自信がない、脚が長い。

AfricaTwinが向いている人は、航続距離が大事、ガチオフ感がほしい、速さにこだわる、迫力がほしい、夏の暑さに強い、ケツが痛けりゃ立てばいい。

得意な方向はやや違うものの、どちらもツーリングバイクとして魅力的で、旅バイクとして申し分ありません。

X-ADVについては、今度王者Gold Wingとも詳細比較しようと思います。