フルカウルバイク、前傾ヤバさランキング【国内全30車種】
2024.02.25
2023.09.09
ZX-4Rオーナーによるインプレ2回目、高速道路走行性能をまとめてみます。
まず最近の所有バイクの中で高速道路走行の楽さをランク付けしてみました。どのバイクもたびたび高速に乗るので、風の強い日、弱い日、60km/h制限の首都高から120km制限区間のある高速道路までそれぞれでいろいろ走っています。そのため、偏りなく序列をつけられていると思いますが、あくまで個人的な感覚なので、人によって感じ方は少し変わるかもしれません。
始めにそこそこ楽な部類の車両から。
ヤマハXSR700フライスクリーンとパフォーマンスダンパーを付けていて、そこそこ快適です。ツアラーマシンにはかないませんが、トルクがあって楽な上、アクセル操作に神経を使うこともないので、気楽に走れます。
ホンダCB400SBハーフカウルが優秀です。ヘルメットには風が当たりますが、整流されていて上質な乗り味です。ただ時速100kmで6000回転以上回るので、ちょっと疲れる感じはあります。高速では高回転まで回しやすいので、のんびり走ったり回して加速したり、強弱をつけて走れるので楽しい面もあります。
カワサキZX-4RZX-4Rは、そこそこのパワーがあり、スクリーンがまずまず風を防いでくれるので、このグループかなと思います。6速固定で走ってもパワー不足は感じません。普通の姿勢で走るにはCB400SBの方が風がやさしく感じます。CB同様、のんびり走っても良し、回して加速感を堪能しても良し、と変化を付けて楽しく走れるでしょう。
カワサキZ900RS直立で風の当たりが強いですが、パワーで蹴散らす感じです。スクリーンを増設すればZX-4RやCB400スーパーボルドールより走りやすいはずです。ハイシートと大型スクリーンがあれば、ツアラーとして使えると思います。
スズキSV650Xビキニカウル的なものがありますが、防風効果はありません。そこそこパワーがあって姿勢が前傾なので風の抵抗が少なく、普通に走れます。ZX-4Rより前傾がだいぶ深いので、長時間走行するならZX-4Rの方が楽でしょう。
次に楽な集団は、可もなく不可もなくな車両です。
ヤマハYZF-R3スクリーン、カウル、プチ前傾のため、そこそこ走りやすいです。大きめスクリーンをつけて、伏せて乗ると時速120kmも余裕な感じでした。ZX-4Rの方が総合的に高速道路適性は高いです。
ホンダCB400SFハーフカウルのボルドールとは結構差がありますが、安定感があって楽しく走れます。ZX-4Rの方が、スクリーンがある分、楽です。
ホンダCB250R軽量の割に優秀です。パフォーマンスダンパーとスクリーンを付けましたが、かなり高速走行性能が上がりました。とはいえ250cc単気筒なので、パワー、振動とも400cc4気筒とは快適性に差があります。
カワサキKLX230SMオフロード車体でありながら優秀です。下道より直進安定性が高くなる、不思議なバイクです。
ヤマハSCR950太いトルクと安定感があって楽ですが、ハンドルの振動がやや大きいのが残念です。
ちょっとネガティブな集団です。
カワサキエストレヤそれほど不快ではありませんがパワーが弱いので100km連続走行はちょっと辛いところです。気づくと80km/hくらいで走っています。
ヤマハSEROW FEパフォーマンスダンパーありでこの位置です。スクリーンなどがついたツーリングセローならちょっと楽になります。90km/h以下なら問題なく走れます。
カワサキZ400100km/hくらいでは振動すごいです。手がしびれます。90km/h以下はOKです。カワサキの400ccで迷ったら、高速走行を重視するならZX-4Rが一番安定、次にエリミネーターです。
できれば高速道路と無縁でありたい車両がこちら。
ヤマハSR400パフォーマンスダンパーありで何とかこの位置ですが、風にも弱いのであまり高速道路は走らない方が良いでしょう。同じ400ccでもZX-4Rは異次元クラスに性能が違います。
これらの序列ですが、長時間走行の姿勢やステップ形状による疲労などは入れておらず、エンジンパワーやハンドルの振動、防風性能など短距離走るだけで影響が大きい要素で序列をつけています。
ZX-4Rは、CB400SBと近い水準を想像していましたが、およそその通りで、不快感は少ないです。スクリーンの整流効果はCB400SBの方が高いので、ロングツーリングにはCB400SBの方が使いやすいでしょう。
参考までに、ZX-4RよりNinja650の方がだいぶ快適です。Ninja650はスクリーン性能がより高く、より低い回転数で走れるため快適です。また、姿勢がより直立に近く、ラバーステップのため長時間走行の適性も高くなっています。車重が近く、値段はむしろNinja650の方が安いので、ロングツーリング目的ならNinja650も検討してみると良いでしょう。
次にZX-4Rの高速道路走行特性を紹介します。
高速域の直進安定性ですが、ネガティブに感じることはほぼありません。制限速度内では、十分安定して走れます。時速100km程度では、下道を走っている時の感覚と特に感覚的な違いはないと思います。もちろん80km/hでゆっくり走っても問題なく、120km/h走行も安定しています。
時速100kmは、6速でおよそ6,000回転ちょっとです。400ccはだいたい同じような回転数のバイクが多く、CB400SFやNinja400・Z400なども近い回転数になっています。
追い越しは6速固定でも普通の車より俊敏なため問題なく、時速100kmから速い車を追い越すような場面はシフトダウンしたくなるものの、全体的に6速で走り続けられます。
フルカウルのバイクは横風の影響を受けやすく、ZX-4Rも例外ではありません。ただし極端に風に弱いバイクではなく、よほどの強風以外は特に問題なく走れます。
CB400スーパーフォアの方が安定しており、風に対してのどっしり感はありますが、感覚的なものなので人によって感じ方は違うかもしれません。
カウルミラーは見える範囲が狭いので、視線移動は少なくてすむものの横の視野が狭い特性があり、ZX-4Rも同様です。真横の目視確認を怠らなければ、車線変更なども含め特に運転しづらいことはないでしょう。
Z900RSはミラーが異様に見やすいですが、車体が大きくハンドル幅が広いバーハンドルバイクの方がミラーは見やすくなります。こういったバイクから乗り換えるとミラーが見づらいと感じるかもしれませんが、あくまで慣れの問題で、ZX-4Rは加工などしなくてもきちんと見えるミラーです。
ツアラー系のスクリーン形状ではないので、普通に楽な姿勢で乗る場合、腕のあたりに風がそれなりに当たります。ただ、それほど悪くない性能で、250ccクラスにありがちな低めのスクリーンに対して一定の防風効果があります。
ネイキッドバイクより抜群に楽で、これくらいのスクリーン性能でそれほど支障がないと思いますが、より防風性能を求める人はアドベンチャーツアラーなどを選ぶのが妥当でしょう。
ZX-4Rは、回転を上げずにのんびり走るのも快適で、左車線をゆったり流すのも個人的には退屈に感じません。ゆったりに飽きたら、ジャンクションや追い越しなどでヒュンヒュン回して加減速しながら走ると刺激的です。
長時間一定速度で走り続けるより、適宜加減速をして走って行くのが、このバイクには合っているように感じます。
以前の動画で下道の乗りやすさ、万能感について紹介しましたが、高速道路もネガティブ感はなく自然に走れます。どこを走っても苦手はないので、バイク選びに迷ったらZX-4Rを選んでおけば損はないのではないかと思います。
感覚の差はあると思いますが、高速走行でも手がしびれるような振動は感じません。スクリーン性能はある程度期待できるので、時速100km程度の連続走行は支障ないレベルです。ただしツアラータイプのスクリーンではないので、期待しすぎないようにしましょう。ネイキッドよりだいぶ良いです。
前傾姿勢はNinja400より深く、YZF-R3より少し深いです。この辺からの乗り換えでは、慣れるまで疲れが大きいかもしれません。スズキSV650Xよりかなり前傾は軽いので、SV650Xにも乗っている感覚では長時間走行も大したことはないと感じます。身長にもより、座高が低いほど前傾姿勢になるため、前傾率計算で感覚がつかめない人は一日試乗などしてみることをおすすめします。ZX-25Rとほぼ乗車姿勢は同じです。
総合的に、ZX-4Rは下道、高速とも万能で隙がありません。今のところ個人的今年のオススメバイクNo.1ではないかと思っています。また年末に改めて評価してみたいと思います。
ZX-4Rに関する次回は、CB400スーパーボルドール、スーパーフォアとの比較、Ninja400・Z400との比較、CBR650Rとの比較などをまとめていきたいと思っているので、気になる人は高評価やコメントをお願いします。