夏を諦めるな、こんなバイクならきっと勝てる

1.夏用車の具体例

はじめに筆者実体験から、250cc以下を除く排気量のバイクから、大きいけれどもいけるものをピックアップしていきます。

MOTO GUZZI V7

まずモトグッチV7。排気量も850ccとそれなりにあって、見た目もエンジンが張り出していて熱そうな雰囲気がありますね。

熱いバイクはモワッと熱が上がってきますが、V7の場合は実際30℃くらいなら、まだ空気は特に熱く感じません。エンジンはV型ですが、縦置きなので左右にVの字になっていて、ヘッドが体のそばにはなく、熱源との距離のおかげかもしれません。走るとエンジンヘッドにがっつり風があたって、エンジン自体も熱を逃がしやすいのか、カウルもなく全体的に熱がこもりにくいのか、いろいろな理由がありそうですが、体感の熱さについては排気量の割に優秀だと思います。

 MOTO GUZZI V7

MOTO GUZZI V7

脚を接触させていると火傷しそうになるほど熱いバイクもありますが、V7のタンク周りの熱さは特別には感じません。ガニ股に開いたりしなくても大丈夫です。脚がとても長い人は、もしかしたらその分膝がエンジンヘッドに近くなって、熱さを感じやすいこともありえなくはないでしょうか。筆者はそう感じたことはありません。

シートから熱が上がってくるバイクもありますが、V7のシートは厚さもあって、バイクからの熱は感じません。いずれも接触面から熱を直接受ける感じは少ないです。

全体としては、とてもとても850ccの熱さとは思えず、排気量単位の体感熱量なら総合No.1クラスではないかと思えてきます。ただし空冷なので、筆者は30℃を超える日はできるだけ乗らないようにしています。結局真夏乗らないので、暑くないスキルもやや宝の持ち腐れになっていますが、休眠期間は8月の1ヶ月か、その前後半月くらいなので、それなりに1年動かせるのがありがたいです。

YAMAHA 700シリーズ

ヤマハの700は、おおむね真夏も許容範囲です。所有バイクとしては現行テネレと以前持っていたXSR700ですが、どちらも真夏ぼちぼち動かしています。熱い空気が猛烈に上がってくることはなく、走っていれば快適です。止まるとちょっと熱いかなとは思うので、多少熱は上がってくる感じはあります。ただ普通に1日走れるので、この排気量帯にしては十分涼しい方だと思います。

 YAMAHA XSR700

YAMAHA XSR700

真夏は結構脚に汗をかくので、一定の熱が伝わっている感じはあります。ただ脚の接触面が特別熱いことはないので、一般的に十分許容範囲だと思います。シートはXSR700は厚みがあって、全く熱を感じません。Ténéré700はXSR700より薄いものの、特別シートが熱い感はないので、こちらも許容範囲と思います。

MT-07は所有はしていないので真夏真っ盛りには乗っていませんが、シートはスポーツ系の薄めのものなので、熱の伝わりは大きそうに見えます。ただ、30℃くらいでは特に熱を感じるほどではありません。全体的にヤマハの700シリーズは、正直真夏の40℃クラスもギリいけるくらいで、250ccでは心許ないというシーンでは助かります。

ファミリーにはフルカウルのYZF-R7もありますが、真夏体験はないのでわかりません。カウルがあると排熱次第で熱い傾向もあって、おおむねネイキッドより熱いですが、実際どうでしょう。お持ちの方がいらっしゃればぜひ、真夏体験について教えてください。

YAMAHA XSR900GP

今年から筆者ファミリーの仲間入りしたXSR900GPです。前傾姿勢なので体の位置はエンジンに近くなりますが、30℃くらいではまだ熱が上がってくる感じはないので、900ccという排気量にしては周辺空気は平和です。

接触面から直接伝わる熱も、脚に関してはそれほどは来ません。エンジンヘッドは結構前に傾いていて、タンク周りと距離があることが影響しているのか、アルミダイキャストフレームの熱伝導率が鉄の3倍高いことで、より熱が逃げやすいことにもよるのか、正確な理由は不明ですが、ジリジリと膝を焼いてくるようなことはありません。

 YAMAHA XSR900GP

YAMAHA XSR900GP

シートも厚めなので、エンジン側から熱はそれほど来ていないと思います。ただ、前傾バイクあるあるでシートが陰になりづらく、直射日光で温められ続けやすいので、日の光で熱くなってくることがあります。晴天の正午近辺などはそうなりがちです。

熱いバイクは4月5月で、もう十分熱さを感じますが、XSR900GPは4月から乗っていて暑いと感じたことはなく、まず30℃くらいは余裕です。真夏の35℃、40℃は未体験ですが、この感じだと35℃などもある程度いけそうな匂いはあります。888ccにしてはかなり優しいレベルで、700シリーズとも大して変わらないイメージで、スクリーンが大きいテネレの方が走行中熱いかもと思ったりもします。

XSR900GPは、カウルと言ってもハーフカウルなので、それによって熱がこもって熱くなる感じはないですね。おそらくXSR900、MT-09は同じ感じかと思いますが、Tracer9GTはスクリーンが大きいので風カット能力が高く、走行中の体感温度は多少違うかもしれません。YZF-R9はフルカウルなので、やはり他より暑いかと思いますが、ヤマハの排熱のこだわりからすると意外にいけるでしょうか。どうでしょうか。R9所有者の方はみなさん初めての真夏体験と思いますが、今のところの暑い日体験があれば様子を教えてください。

HONDA CB1000F

CB1000Fも、少なくとも30℃のレベルでは意外にいけて、まずまず普通に走れます。真夏はみなさん未体験ゾーンですが、ホーネットで体験済みの方がいらっしゃれば、ぜひ先人の知識を共有していただけるとありがたいです。

1,000ccということもあり、空気はやや熱を感じます。とはいえこの排気量帯にしては、がんばれる範囲と思います。膝が当たる近辺はほんのり熱はありますが、CB400SFほど熱くて辛い感じではありません。シートはノーマルシート検証はしておらず、ハイシートでは熱さは伝わってきていません。

 HONDA CB1000F

HONDA CB1000F

筆者の今のところの感覚では、CB400SFよりだいぶだいぶ余裕で、XSR900GPより熱いという水準です。30℃ならいけるので真夏以外は大丈夫で、梅雨明け直後くらいはまあ乗れるかなと想像しています。35℃もたぶんなんとかいけそうな匂いはするので、根性さえあれば年中無休でいけるかもしれません。ただ筆者は今感じる熱量からすると、真夏はお休みにします。

というかリコールで7月半ばから預けてしまうので、真夏真っ盛りには手元になく、お盆明けくらいには試してみようかと思っています。真夏納車のみなさんもいらっしゃると思いますが、入手したばかりのみなさま、せっかくなので是非がんばってみてください。

KAWASAKI ZX-4R

400ccくらいは余裕かと思いきや、カウルがあったり、CB400SFのように設計が古かったりすると熱いので、甘く見ているとものによって悲惨なことになるケースもあります。

ZX-4Rの場合は、周辺空気はモワモワと熱気が来ることはなく、ほんのり熱はあるかな程度です。膝周りも特別熱くないので、こちらも問題ないでしょう。シートは真夏結構熱くなってきますが、シートの方がタンク周りより熱が伝わりやすいのか、やや前傾のために直射日光で温まりやすいのか、理由はわかりませんが、筆者の夏ライドはいつもケツが熱かったです。

 KAWASAKI ZX-4R

KAWASAKI ZX-4R

とはいえ火傷するほど熱いわけではなく、脚は熱くないけどケツは熱いかな、という風に感じるくらいのものなので、一般的には許容範囲だと思います。ZX-4Rは、夏にわりと余裕で乗れる4気筒バイクという貴重な存在だと思います。個人的には手元にあったら季節問わず普通に出番が来るので、熱さはストレスにならない程度です。正直、これで暑い日は何に乗っても暑いので、バイクに乗らないのが一番良いと思います。

KAWASAKI Z400

2気筒になると熱さは和らぐかというと、個人的感覚ではZX-4Rと似たようなレベルです。Z400は400ccにしては、ぼちぼち熱気はきます。30℃は余裕ですが、35℃くらいになると、400ccでも熱気をそれなりに感じてくるかというくらいで、一年中いけると感じる人が多いとは思いますが、比べるとやはり250ccなどよりほんのり熱いです。

 KAWASAKI Z400

KAWASAKI Z400

脚が特に熱いということはありません。そしてケツが特に熱いということもありません。ただ筆者はハイシートで常時乗っていたので、ノーマルシートの夏検証はしていないので、多少違いはあるかもしれません。

Z400は真夏もそこそこいけました。今は手元にありませんが、当時35度くらいでも動かしていて、30℃くらいは普通でした。同じ400cc2気筒のCBR400Rの方が熱いイメージですが、この辺からもフルカウルの方が熱の発散がしづらい傾向がありそうです。中身同じのNinja400とZ400でどこまで違うかは、真夏体験できていないので不明です。

YAMAHA SR400

400ccを取り上げているので、一応せっかくなのでSRの熱さ具合も紹介します。空気感は特別熱が上がる感じはありません。まあ自転車よりは空気が熱いかもしれないなくらいです。脚は特に熱くありません。ケツも特に熱くありません。厚みがあるフラットシートで快適です。

 YAMAHA SR400

YAMAHA SR400

空冷単気筒なので、体に感じる熱は大したことありません。SRはいろんな意味で400ccクラス感はないですね。筆者は結構暑い日でもSRに乗っていました。最近は真夏乗らないようにしていて、7月8月はおよそお休みさせています。オイルメンテナンスをきちんとしていればいけると思いますが、もともと40度まで気温が上がる時代の設計ではないので、無理はさせない付き合い方をしています。

2.熱いバイクの傾向

筆者の経験から、現代のバイクの特性で、どこを避けると比較的熱くないかまとめてみたいと思います。

まずフルカウルバイクは、ネイキッドより熱い傾向があるようで、250ccあたりはそうでもないものの、400ccクラスでもネイキッドに比べると熱いものが多く感じます。先ほどお話ししたXSR900GPのように、ハーフカウルはネイキッドとあまり熱のイメージに違いがなく、CB400スーパーボルドールも丸目と体感の熱さに大きな差がありません。もっともCB400SFは丸目も十分熱いので、ハーフカウルも同じように十分熱いというだけです。

この傾向からすると、アンダーカウルが熱を体に持ってくるのでしょうか。それなら以前ラジオチャンネルでおはなししたように、カウルを剥ぎ取って毛の刈られたアルパカ状態にすれば、夏がだいぶ楽になるのかもしれません。アルパカ号を作った人がいれば、ぜひ体感を共有してください。

何度も話に出しているCB400SFが激熱の件ですが、おおむね設計が古い方が熱を感じやすいイメージがあります。新しい方が排熱を意識して設計しているものが多いのでしょうか。以前も紹介しているYZF-R9で、低速高速で排熱経路が変わる設計など、熱の管理に積極的に取り組んでいるケースもあります。新しければ涼しいわけではありませんが、古めのバイクほど熱には注意しておいた方が良いですね。

エンジン気筒数に比例して熱いイメージがありますが、熱のロスは気筒数が多いほど増えるので、それは一つの要因になっていそうです。他にもエンジンと体の距離が近いほど熱いので、エンジンが横に広がる直列4気筒は、脚に感じる熱が大きそうです。カワサキZX-4RやホンダCB1000Fが旧型バイクほどは熱く感じないように、設計次第で一定の回避はできるようです。

横置きエンジンは直列なら横並びですが、Vツインはバンク角がつくのでヘッドが前後に並びます。後ろ側は体に近くなるので、熱源が近い分直列エンジンより熱いです。空冷の場合は特に、後ろのヘッドの冷却効率が悪いことも関係しているかもしれませんが、結構厳しい熱さを感じるものが多いです。そのうち発売されるホンダのV3も熱いんですかね。

9、

排気量と熱量は当然ある程度比例するので、おおむね1,000ccクラス以上は辛いです。ミドルはものによって、排熱設計やエンジンレイアウト次第でいけたりいけなかったりというところで、ヤマハの900、700はなんとかなるかな水準です。スズキのSVはなんとかなるけど、Vツインのせいか設計が古いせいか、650ccの割には熱いかなという感じです。というように差はあるものの、がんばればいけるものが多いです。

400ccは大抵は何とかなりますが、ミドル同様熱いものは熱いです。例えばよく出てくるホンダCB400SFは、タンクに脚をつけていると、そのうち火傷しそうかくらいで、5月の連休あたりの気温からは、とりあえずガニ股でしのいでいます。フルカウルのホンダCBR400RやヤマハYZF-R3は、止まっているとちょっと熱気が来るので、熱いと感じる人は感じるかもしれません。

250cc以下は構造問わず大抵はいけるので、夏は250か125に乗るのが一番良いです。理想は一切熱を感じない電動バイクですね。筆者もそろそろ、Z e-1が活躍する季節です。