フルカウルバイク、前傾ヤバさランキング【国内全30車種】
2024.02.25
筆者はついにエンジン気筒数のコンプリートを達成しました。これまでにさまざまなバイクへ乗ってきましたが、今回新たに6気筒と3気筒モデルも加わり、0気筒から6気筒までを制覇しました。(5気筒はなし)。
気筒数によって、バイクの性格は大きく変わります。そこで今回は、それぞれの気筒数ごとの特徴について詳しく紹介していきます。
国内で購入できる現行モデルの6気筒エンジンには、直列6気筒と水平対向6気筒があります。
BMW K1600GTとHONDA Gord Wing
そもそも、バイクに巨大な6気筒エンジンを搭載するという発想自体がかなり特殊です。ある意味では、ロマンを追い求めた存在と言えるかもしれません。
直列6気筒の代表格として知られているのが、BMWのK1600シリーズです。こちらは1,649ccの大型ツアラーモデルで、サイドパニアを装備したGTと、リアトランクまで備えるGTLの2種類が用意されています。
直列6気筒ということで、シリンダーが6個横並びになっているため、エンジンの横幅はかなり大きめです。実際には、ライダーの脚の前あたりまでエンジンが広がっているようなサイズ感になっています。ただ、見た目ほど圧迫感は強くなく、意外と車体へ自然に収まっている印象があります。実際に乗ってみると、そこまで気にならないかもしれません。
一方、水平対向6気筒といえばホンダです。代表的なのが、HONDA Gold Wing。
HONDA Gold Wing
もともと水平対向エンジン自体が珍しい存在ですが、さらに6気筒となると非常に希少です。まるで天然記念物のような存在感があります。
水平対向エンジンは左右へシリンダーが張り出す構造のため、横幅はかなり広めです。その一方で、重心が低くなるため、非常に安定感のある乗り味につながっています。
Gold Wingも、まさにその特徴を色濃く感じるモデルです。大型車でありながら、どっしりとした安定感があります。
6気筒エンジン最大の魅力は、やはり圧倒的な上質感でしょう。一度この滑らかさを体験してしまうと、4気筒を「シルキー」と表現するのもためらってしまうほどです。
また、必然的に排気量も大きくなるため、極太トルクによって街乗りも非常に楽です。さらに、縦置きエンジン特有の横揺れについても、バランサーによってしっかり制御されています。加速性能も優秀で、コーナー立ち上がりからの加速は非常に鋭く、直線だけでなく全体的に速さを感じられます。サイズ感のわりに小回りも利くため、総合的に見ても完成度の高いエンジン形式と言えそうです。
次は、4気筒エンジンを見ていきましょう。現在、1,000ccクラスでは4気筒エンジンが一般的です。その中でも特に多いのが直列4気筒、いわゆる「直4」です。直4は多くのメーカーがラインナップしており、それぞれに個性があります。
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HONDAでは、・CBR1000RR-R、・CB1000HORNET、・CB1000F。
といった大型モデルが存在します。
さらに、生産終了となったCB1300も有名な直4モデルです。中排気量クラスでは、CB650RとCBR650Rもラインナップされています。
また、今年の秋頃には、新しい400ccモデルの登場も濃厚と見られており、どのようなフィーリングになるのか注目されています。
YAMAHAでは、YZF-R1が現在も継続しています。ストリートファイターモデルのMT-10も含め、まだ現役です。
一時はEV化の流れが非常に強く、「内燃機関は終わるのでは」という空気感もありました。しかし最近は、その流れも少し落ち着き、排ガス規制へ対応しながら継続していこうという雰囲気も出てきています。今後も継続してくれることを期待したいところです。
SUZUKIでは、GSX-S1000シリーズが主力。さらに、・GSX-S1000GT、・GSX-S1000GX、・KATANA、なども同系統の仲間です。
そして、GSX-R1000Rも今年復活すると言われています。
KAWASAKIは特に4気筒ラインナップが充実しています。1,100cc、1,000cc、900cc、400cc、250ccと幅広く展開されており、1,100ccクラスでは、・Z1100、・Versys1100。
1,000ccクラスでは、・ZX-10R。
900ccクラスでは、・Z900、・Z900RS。
400cc・250ccクラスでは、・ZX-4R、・ZX-25R。
といったモデルがあります。
ここまで幅広く4気筒エンジンを展開しているのは、かなり特殊です。普通のメーカーであれば、1,000cc前後は1種類のエンジンへ統合されていても不思議ではありません。ある意味、とてもロマンを感じるラインナップです。
一方、4気筒のV型エンジンとして有名なのがDUCATI。Panigale V4を中心に、・DIAVEL、・Multistrada。
など、多くの派生モデルが存在しています。
DUCATIは基本的にV型エンジンを中心としているため、必然的にV4ラインナップも豊富です。
他メーカーではどうなのかというと、レースの世界ではV4もかなり活発です。最近では、YAMAHAもMotoGPで直4からV4への移行を進めています。
過去には、HONDAの市販車にもV4モデルが存在しました。代表的なのがVFR800Fです。非常に珍しい存在ではあったものの、長年そこまで大きな人気は出ませんでした。現在の中古車市場でも、爆発的人気というわけではないようです。
コラム:クロスプレーンと不等バルブタイミング。
一般的な直列4気筒エンジンでは、両端の2つのピストンが同じ動きを行い、内側2つのピストンも同じ動きをしています。そのため、燃焼タイミングは4回均等に発生するのが特徴です。
一方で、ヤマハYZF-R1に採用されている「クロスプレーン直列4気筒」は、かなり特徴的な構造となっています。こちらは、クランクピンを90度ずらしたレイアウトを採用しており、燃焼タイミングが不等間隔になるよう設計されています。一般的な直4とは異なるフィーリングを持っているのが大きな特徴です。
さらに、ホンダCB1000Fも少し変わった仕組みを採用しています。ピストンの動き自体は、通常の直列4気筒と同様です。しかし、左右2気筒ごとにバルブタイミングをずらしており、意図的に燃焼タイミングへわずかなズレを作っています。これによって、鼓動感のある独特なサウンドが生み出されているそうです。
単純なスペック競争だけではなく、フィーリングや音まで作り込んでいるあたりに、技術者の強いこだわりを感じます。
YAMAHA MT-09とSpeed Triple1200
3気筒エンジンは、現在でも比較的レアな存在です。その中でも代表的なのが、ヤマハとトライアンフでしょう。
ヤマハでは、888ccのMT-09シリーズが3気筒エンジンを採用しています。
さらに、・XSR900、・XSR900GP、・Tracer9GT、・YZF-R9、など、徐々にラインナップが拡大しています。
最近はオートマモデルも増えてきました。Tracer9GTやMT-09には、「Y-AMT」と呼ばれるオートマ仕様も追加されています。
900ccクラスは利益率も高く、ヤマハにとって主力モデル群と言える存在です。近年は他メーカーの価格上昇もあり、全体的な完成度と価格のバランスを見ると、かなり魅力的な価格帯に感じられるようになってきました。
一方、トライアンフも3気筒エンジンを幅広く展開しています。大排気量モデルでは、2,458ccのROCKET 3が存在します。現行市販バイクの中でも、最大級の排気量と言えるかもしれません。
さらに、・SPEED TRIPLE 1200、などの1,200ccクラス、
・TIGER 900、などの900ccクラス、
800ccクラスでは、・TRIDENT 800、・TIGER SPORT 800。
765ccクラスでは、・STREET TRIPLEシリーズ。
さらに、・DAYTONA 660。
などの660ccシリーズも存在しています。
トライアンフは、2気筒と3気筒を主力としているメーカーです。
3気筒エンジンは、瞬発力がありながら回転上昇もスムーズで、レーシーなフィーリングを持っているのが特徴です。扱いやすさとスポーティさのバランスが良く、かなりおすすめしやすいエンジン形式と言えます。
特に700〜1,000cc付近の排気量帯は、非常にバランスが良さそうな印象です。
コラム:ホンダV3R900 E-Compressor。
現行の3気筒エンジンは、ほとんどが直列型です。しかし、ホンダから新たにV型3気筒エンジン搭載モデルが登場予定となっています。それが「V3R900 E-Compressor」です。構造としては、前側に2気筒、後側に1気筒を配置した非対称V型。バンク角は75度となっています。
さらに、いわゆるターボのような役割を持つ電子制御コンプレッサーも搭載されており、1,200ccクラス相当のパワーを発揮すると言われています。
正式発表が今年になるのか、それとも来年になるのかはまだ不明ですが、非常に注目度の高いモデルです。
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2気筒エンジンは、非常に幅広い排気量帯で使われています。おおよそ250ccから2,000ccクラスまで存在しているでしょう。
直列2気筒エンジンは、特に250ccから800cc付近で多く採用されています。このクラスでは、大部分が直列2気筒と言ってもいいほどメジャーな存在です。2気筒は、クランク角によってフィーリングが大きく変わるのも特徴です。
最近では、比較的小排気量のモデルは180度クランクが多く、大排気量側では270度クランクが主流になっています。いわゆる「ズドドドッ」という鼓動感のあるフィーリングは、270度クランク特有のものです。
270度クランクは、低回転域のフィーリングがVツインに近く、トラクション感が気持ち良いと言われています。現在では、500cc以上の多くのツインエンジンが270度クランクを採用しています。
その中で、カワサキの650シリーズは珍しく180度クランク。さらに、W800は360度クランクを採用しています。かなり独特な存在ですが、そこにロマンを感じる人も多いでしょう。
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V型エンジンも種類が豊富です。
代表的なのは、ハーレーダビッドソンでも採用されている横置きVツイン。V型エンジンには45度、60度、90度などさまざまなバンク角があり、それぞれフィーリングが異なります。ハーレーダビッドソンでは、日本でも人気のLOW RIDER Sなどに、1,923cc・45度バンクのVツインエンジンが搭載されています。
Vツインといえば、DUCATIも有名です。DUCATIはV4だけでなく、V2モデルも幅広く展開しています。
たとえば、水冷のPanigale V2。さらに、空冷のScramblerシリーズなど、多彩なラインナップがあります。
SUZUKIも、横置きVツインエンジンを継続しています。V-Strom1050がVツインを採用しており、SV650は一度終了しましたが、SV-7GXの登場によって650ccVツインも健在となりそうです。
さらに、2気筒には縦置きV型も存在します。モトグッツィは、すべて縦置きVツインエンジンを採用しています。もはやこの形式一本で勝負しているメーカーと言えるでしょう。
BMWには、縦置きの水平対向ツインエンジンもあります。こちらも非常に独特な構造です。
2気筒エンジンは、・V型、・水平対向、・縦置き、・横置き、・直列、・270度クランク、・180度クランク。
など、非常にバリエーションが豊富です。この多様性こそが、2気筒エンジン最大の魅力と言えるかもしれません。
HONDA CB250R
単気筒エンジンも、現在のバイク市場では主流の一つです。特に250cc未満では、ほとんどが単気筒エンジンとなっています。250cc前後がおおよその境目になっており、メーカーごとに目指す方向性によって、単気筒と2気筒を使い分けているようです。現行モデルで見ると、大排気量側は概ね350ccクラスまでが主流でしょうか。
小排気量側では、・50cc、・110cc、・125cc、・150cc、・230cc、・250cc、・350cc。
あたりが一般的な排気量帯となっています。
かつて存在したSR400は、単気筒としては比較的大きめの排気量でした。さらに、SR500も存在していました。
SR500はかなり前に生産終了となっていますが、現在でも維持しながら乗り続けている人はそれなりにいるようです。
もしホンダからGB500のようなモデルが登場したら、欲しいと思う人も多いかもしれません。500ccクラスのシングルエンジンは、かなり面白そうな存在です。
さらに大きな単気筒も存在します。DUCATIには、Hypermotard 698 Mono。
というモデルがあり、こちらは659cc。かなりのビッグシングルです。
過去には、スズキ DR800S、という779ccの単気筒モデルも存在していました。
さらに、NSU BISON 2000、という、まさに怪物のようなモデルもあったそうです。
ビッグシングルには、独特のロマンがあります。
KAWASAKI Z e-1
そして、ついに気筒数ゼロの時代です。
EVにはエンジンが存在しないため、当然ながら気筒もありません。燃焼そのものが無いため振動も少なく、加速フィーリングも従来のエンジン車とは大きく異なります。これはこれで、非常に面白い乗り物です。
一方で、長距離走行性能や充電時間などの課題もあります。そのため、現状では用途が限定的になりやすい部分もあります。
ただ、一定の用途では非常に便利な存在でもあるため、今後さらに技術が進歩して使いやすくなっていくことに期待したいところです。
実は、EVではなくエンジン車にも「0気筒」と呼べそうな存在があります。それが、ロータリーエンジンです。ロータリーエンジンは、一般的なレシプロエンジンのようにピストンが上下する構造ではありません。楕円形に近い燃焼室の中で、三角形のローターが回転するという、まったく異なる仕組みになっています。構造自体が大きく異なるため、「気筒」という概念が存在しないわけです。ロータリーエンジンを搭載した市販バイクとして有名なのが、・SUZUKI RE-5、です。
1974年に発売されたモデルで、排気量は497cc。当時は、ロータリーエンジンの排気量を1.5倍換算するルールがあり、計算上は750cc以下という扱いになる予定でした。
しかし当時の日本では、「750ccまでしか販売しない」という制度があり、結果として国から750cc以下と認められず、日本では販売できなかったという経緯があります。
日本で販売するために497ccへ調整したにもかかわらず、最終的に認められなかったというのは、かなり複雑な話です。
ちなみに、このRE-5をデザインしたのは、映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』で有名なデロリアンも手掛けた、イタリアの巨匠ジウジアーロ氏。しかも、RE-5は彼にとって初めて手掛けたバイク作品だったそうです。
さらに、ロータリーエンジン搭載バイクは他にも研究されていました。
たとえば、・YAMAHA RZ201 CONCEPT、・KAWASAKI X99 PROTOTYPE。
などは、市販目前まで進んでいたと言われています。
さらに、市販化まではかなり距離があったものの、HONDA A16/24、というモデルも存在していたようです。今振り返ると、かなり夢のある時代だったのかもしれません。
コラム:ロータリーエンジン。
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ロータリーエンジン最大の課題は、三角形ローターの角にあたる「アペックスシール」の耐久性でした。当時はこの耐久性確保が非常に難しく、多くのメーカーが市販レベルまで完成度を高めることができなかったようです。
バイク用としては、スズキがなんとか市販化へこぎつけました。しかし、結果として1世代限りの短命なモデルに終わっています。
その後、四輪メーカーではマツダだけが研究を継続。長年にわたる開発によってアペックスシールの耐久性を向上させ、10万km走行可能なロータリーエンジン車として、・RX-7、・RX-8、という歴史的モデルを誕生させました。
もし排ガス規制がもう少し緩やかだったなら、現在でもロータリーエンジン搭載車が存在していたかもしれません。
現在では駆動用エンジンではないものの、MX-30のプラグインハイブリッドモデルにおいて、発電機としてロータリーエンジンが搭載され、今なお生き続けています。
エンジンは、気筒数ごとにキャラクターが大きく異なります。そのため、どれが優れているというよりも、好みや用途によって選び方が変わってきます。一般的に、もっともバランスが良いと言われるのは2気筒です。2気筒エンジンは幅広い排気量帯で採用されており、扱いやすさとパワー感のバランスに優れています。実用性を重視するなら、まず有力候補になるでしょう。
排気量が大きめの2気筒になると、かなり力強いフィーリングになります。特に、大排気量Vツインや直列270度クランクは、発進時の蹴り出し感が強く、低回転からしっかり加速してくれるため、中毒性のある楽しさがあります。「ドドドド」という鼓動感あるサウンドが好きな人には、単気筒も魅力的です。ただし、ある程度排気量が無いと、鼓動感というより単なる騒音っぽく感じやすいため、情緒を楽しむなら300cc以上は欲しいところでしょう。
たとえば、Royal Enfieldの350ccモデルなどは、その雰囲気を楽しみやすい存在です。より手軽な選択肢としては、GB350も人気があります。
一方、「ヒューン」という高回転サウンドが好きなら、4気筒がおすすめです。
ただし、400cc以下では2気筒のほうが街乗りでの瞬発力が強く、扱いやすい傾向があります。そのため、中小排気量の4気筒は、実用性よりもロマン寄りのカテゴリーと言えるかもしれません。
1,000cc前後になると、4気筒エンジンが主流になってきます。高回転まで滑らかに回り、大排気量との相性も良いためです。とはいえ、海外メーカーでは大型の2気筒や3気筒モデルも数多く存在しています。
そして、究極の滑らかさを求めるなら、やはり6気筒でしょう。圧倒的なシルキーさは、6気筒ならではの魅力です。ここにもまた、一つのロマンがあります。
日本では昔から、「4気筒以外はバイクではない」と考える人が一定数存在します。もちろん、それ自体は単なる好みの問題なので、まったく悪いことではありません。ただ、中には4気筒以外を全否定しながら絡んでくる、「気筒数マウント勢」という都市伝説的な存在もいると言われています。遭遇すると少々やっかいですが、6気筒に乗っていると、なぜかその手の人たちは静かに去っていくとも言われています。まあ、あくまで都市伝説ですが。
筆者は気筒数コンプリートを進めた結果、ついに倉庫がパンク寸前になってしまいました。実際、気筒数ごとの違いを味わい始めると、本当にキリがありません。それぞれに個性があり、乗り味もサウンドも大きく異なるため、気付けばどんどん増えてしまう世界です。だからこそ、自分の好みに合った気筒数やフィーリングをある程度絞っておくと、より快適なバイクライフを送れるかもしれません。もちろん、気付いた時には増えている可能性もありますが、それもまたバイク趣味の楽しさと言えそうです。