バイク好きの心をくすぐる、今買えるVツイン

1.DUCATI

まずV型エンジンといえばDUCATIですが、Vツインには3種類現存しているようです。

803cc

はじめにいつ終わるかわからない空冷エンジンですが、こちらは主にSCRAMBLERシリーズに搭載されています。SCRAMBLERシリーズは以前はかなり多くの種類がありましたが、現行は主流モデルに絞り込まれているようです。

 DUCATI SCRAMBLERシリーズ

DUCATI SCRAMBLERシリーズ

代表的なのがSCRAMBLER ICON。ベースモデルが138万円です。通常カラーはイエローとレッドの2種類ですが、カラーパネルが着せ替えできるようになっていて、そのラインナップが豊富です。

濁った黄緑のようなSTORM GREEN。写真で見るとグレーと言われればそうかなというくらい、あまり色が強くありません。

ターコイズ系のRIO CELESTE。やや緑みのある青です。筆者個人的には単色ではこれが一番好きです。

鮮やかなTANGERINE ORANGE。黒とのコントラストがいい感じです。

灰色っぽいJADE GREEN。こちらも名前はグリーンですがより無彩色です。

青色のSPARKING BLUE。明るい青ですね。

高級感のある赤のVELVET RED。鈍めの光沢で上品です。

柄物にはグレー格子模様のOLD SKOOL CHECKERBOARD。オレンジ色も差し色に入っています。

赤青のRETRO STRIPE。どこぞの国旗のような配色ですね。

そしてたぶんとっくに買えないVAN ORTON LIMITED EDITION。筆者は発表された時に、これがほしくて問いあわせましたが、とりあえず素の車両を注文してください、そして限定カバーを追加注文してください、カバーは限定数世界50個なので買えるかわかりません、カバーを買えなかったら素の車両で乗ってください、という闇の深さだったので、スクランブラーアイコンを買うことは永遠にないなと思いました。あと、カラーパネルの値段は現在非公表になっていてちょっと怖いです。

ICONにはDARKもあって、こちらはシックな黒になっています。素のICONと中身はほぼ同じものの細かいパーツが違います。こちらは税込み123万円となっています。

SCRAMBLER NIGHT SHIFT。現行はエメラルドグリーンで茶色のシートと合わせて上品できれいな色です。税込み159万円と性能に対しては割高に感じてしまうところです。

RIZOMA EDITION。誕生10周年を記念して製作されたモデルとのことです。500台限定となっていてまだ買えるのかどうかはわかりません。値段が載っていないので、問いあわせていくらと言われるのか怖いですね。

SCRAMBLER FULL THROTTLE。ストリート・トラッカー・スタイルということでICONなどよりちょっとワイルド感があります。税込み153万8,000円と高め設定です。

Formula 73。新しく出たレトロスタイルのモデルで873台限定です。たぶんバイクに詳しい人でないとホンダのHAWK11と見分けがつきません。お値段不明なので、知っている人がいたら教えてください。

890cc

空冷エンジンに対してメジャーな位置付けなのが890ccの水冷モデルで、ハイパフォーマンスモデルはこちらが採用されています。搭載モデルを見ていくと、代表的なモデルがPANIGALE V2です。V4と並んで、前傾姿勢もワールドクラスです。ベースモデルが223万円となっています。

パニガーレのネイキッド版がSTREETFIGHTER V2です。こちらはベースモデルが210万円です。

ハイパフォーマンスVツインシリーズの中では、お手頃価格のMONSTERは166万2,000円です。筆者は前からモンスターが気になっていますが、うっかり買わないようDUCATIの店には足を踏み入れないようにしています。

旅バイクシリーズのMULTISTRADAのツイン版。こちらはV4よりお手頃の212万4,000円です。

DESERT X。フロント21インチタイヤのビッグオフローダーです。スペック表が見当たらず、詳細があまりわかりません。値段も見つけられませんでした。

937cc

DUCATIのツインエンジンにはもう一つあり、SUPER SPORT950が採用している937ccです。こちらは890ccの方に統合されて、おそらく終了の方向ではないかと思いますが、一応Webサイトに残っています。SUPER SPORT950は、ベースモデルが185万3,000円となっています。

2.ハーレーダビッドソン

DUCATIがエンジンを寝かせた90°Vツインなのに対して、ハーレーダビッドソンは前後とも上向きで、狭めの角度が主流です。

1923cc

現行主流モデルは1923ccのエンジンで、空冷エンジンならおよそこれになります。搭載モデルを見ると、LOW RIDER S、LOW RIDER ST、STREET BOB、BREAKOUT、FAT BOY、HERITAGE CLASSIC、STREET GLIDE、ROAD GLIDE、ROAD GLIDE 3というのが主な現行モデルです。

 ハーレーダビッドソン LOW RIDER S

ハーレーダビッドソン LOW RIDER S

このうちローライダーは国内販売の主力のようで、昨年は1845台で筆者集計18位の販売台数と、ホンダのレブル1100より少し上でした。ちなみにストリートグライドは708台で48位、スズキのハヤブサよりちょっと売れています。

1977cc

1977ccはCVOモデルに使われています。CVO STREET GLIDE、CVO ROAD GLIDE、CVO STREET GLIDE 3あたりが対象です。

1252cc

ハーレーの水冷エンジン1250ccですが、水冷になってもVツインは健在です。搭載モデルはSPORTSTER S、NIGHTSTER、PAN AMERICA 1250STとなっていますが、国内の販売台数集計値には見えないくらいの数字になっているので、実際売れている台数がいくつかは不明です。

3.MOTO GUZZI

イタリア最古のバイクメーカーMOTO GUZZI。こちらは唯一無二の縦置きVツインエンジンを採用しています。というか、それしか作れません。

スバルが水平対向エンジンしか作れないのと同じで、このまま突き進むしかないでしょう。

1042cc

MOTO GUZZIのエンジンは現行では2種類で、新しいものが水冷の1042ccです。こちらの搭載モデルは、アドベンチャーツアラーのStelvioが242万円。ロードスポーツ系モデルのV100が181万5,000円から225万5,000円です。1000ccファミリーはいずれも、まずまずお高いモデルです。

 MOTO GUZZI Stelvio

MOTO GUZZI Stelvio

853cc

もう一つが853ccの空冷エンジンで、以前は750ccくらいのものもありましたが、今はこちらに集約されています。

アドベンチャー系のV85。2灯ヘッドライトの個性的な外観です。TT Travelはサイドケースやシートヒーター、防風のディフレクターなどがついているようです。V85TTが174万9,000円、TT Travelが189万7,500円です。

そしてV7の方は、以前の700から800エンジンに変わっていて、車名のセブンと合わなくなっているものの、そのおかげで延命できました。

 MOTO GUZZI V7

MOTO GUZZI V7

Sport、Special、Stoneの3種構成になっています。Sportはフロントサスペンションが倒立フォーク、フロントダブルディスクブレーキ、コーナーリングABSと、走行性能が高く設定されています。

Sportは168万3,000円、Specialが159万5,000円、Stoneが152万9,000円と、性能にしてはちょっとお高い感じもしますが、機械式時計のような骨董品なので、そう考えるとだいぶ安い気もしてきます。

4.スズキ

スズキもVツインが継続販売されていて、終了の方向かと思いきや、まだまだ現役でいってくれそうな雰囲気です。

1036cc

スズキのVツインの現存は水冷のみですが、排気量が2種類あります。大きい方がV-Strom1050の1036ccです。

最近GSX-S1000GXなどもあって、なんとなく方向性がかぶりそうな雰囲気ですが、V-Strom1050にはDEという、よりオフロード感に振ったモデルもあります。

645cc

排気量の小さい方が645ccです。こちらはSV650とV-Strom650に搭載されていましたが、先日生産終了し、新たに同じエンジンのSV-7GXが登場します。

 SUZUKI SV-7GX

SUZUKI SV-7GX

電子制御スロットルになって、クイックシフターも標準装備。ナックルカバーやキャリアも標準装備など、至れり尽くせり仕様になっているようです。

5.ホンダ

ホンダは過去にはVTRやマグナなど、いろいろありましたが、現行ラインナップにVツインはありません。

ただ近いうち、V型3気筒のV3Rが登場します。V3R 900 E-Compressor Prototypeが各種イベントにも展示されていますが、実際の登場時には過給器なしのモデルも発売を検討されているというウワサがあります。

 HONDA V3R

HONDA V3R

6.ヤマハ

ヤマハは長くVツインを製造していましたが、現行モデルにはもうありません。

ついこの間までラインナップにあったのが、クルーザーのBOLTです。60°空冷Vツインで、クルーザーなのにスポーティー感のある走りをする素敵なモデルとなっています。

筆者は派生モデルのSCR950を持っていますが、涼しい時期になると、ふと乗りたくなる魅力があります。

 YAMAHA SCR950

YAMAHA SCR950

過去モデルの中古車を探すと、SRV250やルネッサはいくらか現存しているようです。SRV250という車名は、中国のQJモーターが今販売しているものにもあり、名前を意図的にパクったのか偶然かは不明です。ちなみにこちらは70万円くらいだそうです。

7.カワサキ

カワサキには実はVツインモデルが現行に存在します。749cc水冷4ストロークV型2気筒エンジンのBRUTE FORCE 750です。

 KAWASAKI BRUTE FORCE 750

KAWASAKI BRUTE FORCE 750

残念ながら日本の公道では走れません。山を持っている人はぜひどうぞ。

せっかくなのでこのエンジンをバイクに載せてほしいですが、排ガス規制適応などコスト面で無理なんでしょう。

バイクのVツインは過去にはELIMINATOR250Vやバルカンシリーズなどがありました。現行のVULCAN Sは直列2気筒で、クランク角も180°と、Vツインフィーリングに近い方向ではありません。

8.Vツインの魅力

Vツインエンジンが愛されるのには、他では味わえない魅力があるからで、筆者もツインならV型が好きです。

(1)トラクション感

面白いポイントの一つが加速時のトラクション感で、低回転からでもドドドドッと地面を蹴るように加速する感覚が強めです。ただこの感覚は直列2気筒の270°クランクでもほぼ一緒なので、低回転の街乗りなら体感に差はないと思います。

(2)高回転がスムーズ

Vツインは90°では特に振動の打ち消しパターンが独特になるので、90°に近いほど高回転がスムーズに回る感覚があります。不快な振動が増えにくいからか、逆に振動が減っているような感覚をおぼえるのがVツインの楽しさの一つで、低回転のトラクション感とあわせて2面性を感じられるところが魅力です。

(3)見た目かっこいい

V型はエンジンの造形が見た目にも特徴的で、ハーレーのようにエンジンそのものがかっこいいと評価されているものも多いです。個人的には縦置きVツインがさらに特徴的で好きですが、空冷エンジンは特にフィンの造形とあわせて目を引くポイントになっています。

(4)直進安定性が高め

Vツインモデルは体感的に高速時の直進安定性が高いものが多いように思います。Vツインエンジンは構造上、前後サイズが長くなるのでホイールベースが長めになりがちです。その影響や、高回転時のエンジン振動による車体のブレが少ないことも関係するのか、詳しいことはわかりませんが、安定感の高いものが多いのは確かかなと思います。

(5)熱い

Vツインのデメリットの一つですが、いかんともしがたい熱さがあります。普通の横置きVツインエンジンの場合は後ろのヘッドが体に近いので、夏場は暑いです。

SCR950などは脚とヘッドが密着するくらいの位置で、本当にどうしようもないですね。スズキやDUCATIのように前に寝ているといくらか体から遠くなりますが、直列エンジンより確実に近い位置にあるので、大抵熱いと思います。

横置きV型はヘッドが前後に並ぶので、排熱効率が左右に並んでいるものよりどうしても悪い感じがあります。そんなわけで縦置きV型のモトグッチは、夏もわりといけます。