フルカウルバイク、前傾ヤバさランキング【国内全30車種】
2024.02.25
まずGSX-8TTの走行感覚ですが、やはりスズキの8シリーズを語る上では欠かせない走行軽快感。今回CB1000Fに乗ってGSX-8TTに乗り、またCB1000Fに乗るという動きをしたので、CB1000Fとの違いも如実に感じています。
ホンダのCB1000Fもこのクラスでは信じられないくらい軽快ですが、CB1000Fから乗り換えてGSX-8TTに乗って走り出した瞬間、より軽快だと感じるので、800ccクラスのツインエンジンはやはり気持ちいいですね。
SUZUKI GSX-8TT
販売店の方がご親切にAモードにしておいてくれたので、より俊敏な動きをしてくれたという事情もありますが、BとCのモードにしても軽快で俊敏な感覚は変わりません。
ファミリーのGSX-8Rはやや前傾ですが、8Tは8Rより直立なので、加減速の際の前後方向の力と高速走行時の風圧も受けやすいので軽快さ、アグレッシブさをより感じたい人におすすめです。
タンクやシート周りが細身で、ハンドル幅も無駄に広くなく、コントロールしやすいサイズ感。
ハンドル幅も無駄に広くない
他のメーカーでは大きく見せる目的で車体を広げたり、水冷エンジンなのにフィンのようなものをつけたり、はたまたエンジンのバルブタイミングをずらしてわざとざらつかせたり、いろいろ雰囲気作りもしていますが、機能に直結しない演出よりもシンプルに走行の楽しさ、パフォーマンスに注力しているところは、とてもスズキらしいと感じます。
そしてツインならではの加速力、GSX-8Tに限らずミドルツインの蹴り出しの力強さは楽しいですね。8Tは775ccとミドルツインの中でも排気量がある方で、270°クランクのトラクション感をより感じやすいです。
何の面白みもなさそうなストップアンドゴーの多い市街地の道でも、スタートからドドドッと加速するのが爽快で、高速道路でも鬼加速で合流したり、シパッパッと追い越したり、バイクならではの楽しさが詰まっているので、どこを走っても退屈しないのがこのバイクの魅力の一つです。
どこを走っても退屈しないバイク
4気筒エンジン、6気筒エンジンの加速感は、車でも似たような感じは味わえないこともないですが、2気筒の独特な加速感はバイク以外のものに代えられないので、これを味わわないのはもったいないのではないかと個人的には思います。
これに慣れて4気筒車に乗りかえると、常用域ではちょっと残念に感じてしまうほど、775ccツインエンジンの十分すぎる加速力が大きな魅力です。
走行の軽快感とあわせてGSX-8TTは取り回しも楽です。GSX-8Rよりなぜかだいぶ軽く感じるのはなぜでしょう。スペックは2kgしか違わないのに、この体感の差は謎です。
ちょっとした傾斜も頑張らず普通に上れたりもするので、この日常の使い勝手の良さは魅力ですね。
8Rも素晴らしいバイクですが、意外にちょい重くらいの感覚で、8Tのように大きなカウルがなくバーハンドルだと日常的に扱いがしやすいのが良いですね。これくらいだと気軽にいつでも動かそうかなという気になります。
また言わずと知れた超絶乗りやすさについては、スズキ8シリーズの乗りやすさは最大級で、これはSもRもTも共通です。Aモードは俊敏なので、排気量大きめのツインエンジンに慣れていない人は、乗り始めCモードスタートがいいかもしれません。慣れると常時Aでも問題なくいけるはずです。
旋回もとてもしやすくなっていて、車体を自然に傾けやすく、バンク角のコントロールがしやすいので、公道走行では8Rよりもヒラヒラ走れて面白いと思います。セパレートハンドルより切れ角もあるので、Uターンなどもやりやすいです。
Uターンなどもやりやすい
例によってスズキのバイクはブレーキも扱いやすく、非常にコントローラブルな前後ブレーキで、車体コントロールも微速コントロールもしやすく、日常の公道走行ならリアブレーキだけで、しっかり減速もできて、停止時のバランスもとりやすくなっています。
直進安定性も十分に高いので、下道から高速道路まで疲労も少なく、舗装路ならどんな道でも走りやすいので、知らない場所に行くにも何の不安もありません。
GSX-8R所有者の筆者は前々からいつも言っていますが、スズキの8シリーズはどれも乗りやすさ高次元なのは間違いありません。
とても素晴らしく自然な電子制御スロットル。こちらは速度域などで絶妙な制御をしているのか、スロットルの重さも常に最適で、どこを走っていても軽過ぎや重過ぎと感じることはありません。
よくクルコンないのが残念という感想も聞きますが、電子制御スロットルのUI部分の性能が高いと、右手の負荷が少ないです。
右手の負荷が少ない
例えばホンダCB1300は設計の古さによるのか、高速道路連続走行でも、スロットルが戻る力が強くとても疲れるので、こういうバイクは速度固定クルコンを使っています。
アナログものも物理スロットルアシストが欲しくなりますね。これらは確かに速度固定型でもクルコンがあると、スロットルアシスト代わりになって良いですが、GSX-8シリーズのスロットルは高速道路走行では手が疲れないちょうど良い重さで、個人的には速度固定程度のクルーズコントロールはあっても使わなそうです。
どうせアダプティブクルーズコントロールじゃないなら、この高次元電子制御スロットルが扱いやすくて好きですね。
筆者は速度固定クルコンは、いちいち頭を使ってポチポチ作業しないといけず面倒に感じて、ちょっと苦手なので、そういう前提で聞いてください。
クルコンがないから8シリーズを敬遠する人は、まずこの高次元の電子制御を体験してみると良いと思います。
ギアの対応速度がマニュアルに書いてありますが、日常の走行ではかなり扱いやすいギア比で、雑にギア選択していても、どうにでも走ってくれます。
標準装備のクイックシフターの制約はアップ2,000rpm以上、ダウン1,700rpm以上となっていて、このバイクの常用回転数からするとほぼ何も考えずにいつでもクイックシフターで、チェンジできると思って良いです。
サスペンションは8Sと同じ、セッティングも同じ。
8Rはサスペンションが格上、Astemo製のフロントにはSFF-BP装備していて「高い路面追従性を発揮し直進安定性と機敏性、乗り心地に貢献する」のメーカー説明の通り、路面に吸い付く感覚はこの価格帯のバイクにして、非常に素晴らしいサスペンションだと思います。
8Tがこれではないのがとても残念ではあるものの、路面からのフィードバックがダイレクトで、ネイキッドならではのアグレッシブ感があることはこれはこれで良いと思います。大きめのギャップがあるとセミスタンディングくらいに構える感じで、8Rよりステップに立つことが多い印象です。
現代のバイクなのでシート下は何も入らないと思って良いです。リアシート下にETCスペース。フロントシート下にバッテリーがあります。バッテリーは非常にアクセスしやすいので、充電や交換作業が楽そうです。
ただしリチウムイオンバッテリーなので、充電はリチウムイオン対応の充電器が必要になるため、うっかり普通の充電器で充電しないように気をつけてください。
このバイクの最大のネックと囁かれる価格ですが、8Tが税込み1,298,000円。8TTが税込み1,386,000円です。ファミリーの8Sは1,122,000円、8Rは1,199,000円、なのでおよそ20万円くらい高い設定になっています。
よく話題になるホンダCB1000Fは1,397,000円なので、TTはほぼ同じ値段です。
ここまで聞くとみなさんのため息が、不協和音になって聞こえそうですが、CB1000Fはヘッドライトカウルがオプションで、税込み96,800円で、これを足してTTと比較するのが妥当です。
アバウトに行くと、・ヤマハXSR700が100万円、・8Sが110万円、・カワサキZ650RSが110万円、・8Rが120万円、・8Tが130万円、・ヤマハXSR900が135万円くらい、・8TTが140万円、・ホンダCB1000Fスタンダードが140万円、・ホンダCB1000Fヘッドライトカウル付きが150万円、・カワサキZ900RSスタンダードとCAFEが155万円くらい、と8TとTTはXSR900と比べると数万円安く、CB1000Fと比べると10万円くらい安い設定です。Z900RSと8Tの差が25万円、Z900RS CAFEと8TTの差が15万円という価格差になっています。
こうしてみるとXSR700とZ650RSはアナログ旧世代なので、8Sと8Rの価格がなかなかにバーゲンプライスだったと、あらためてあぶり出されてきました。
ホンダの1000Fがチート価格すぎて割を食った感もありますが、スズキさんはいつも割安価格で攻めてくれることが多いので、ついついバーゲンプライスに期待してしまいますよね。
冷静に見ると高いわけではなく、妥当なレベルと言えそうです。
燃費リッター23.4km/L、燃料はハイオクです。オイルは3L、フィルター交換時3.5Lとおよそ普通の量で可もなく不可もなく。参考までにヤマハの700は2.3、2.6Lと優しいです。
ホンダのCB1000Fも2.6、2.8Lと1000ccクラスの割にだいぶ優しいです。
8TのバッテリーはリチウムイオンでHY93SS、従来品のアップデート版です。従来品のHY93-Cが市販3万円くらいなので、およそそれくらいでしょうか。
8S、8R標準の鉛バッテリーFTX9-BSは市販1万円くらいなので、2万円ほど高そうです。
果たしていいのか悪いのか、個人的には普通に充電しづらいリチウムイオンの方が放電するとアウトすぎて辛いので、鉛の方がありがたいですね。
参考までに鉛バッテリーを業者に売ると、1kgあたり100円から200円の間くらいで推移。リチウムイオンバッテリーは1kgあたり30円くらい。重量も軽いのでほぼお金にならない、経済的側面のみで考えると圧倒的鉛バンザイな現代です。
タイヤはフロント120/70、リア180/55、ともに17インチ、純正装着同等品が前後セットでAmazonなどで3万円くらいで売っているようです。
タイヤはフロント、リアともに17インチ
ショップ依頼でも安い銘柄探せば、工賃込み3万円台いけそうなのはCB1000F同様です。
全体的に維持費は普通クラスでありつつというところでしょう。
前傾率は175cmで23.9%、160cmで31.9%、ほどよい軽い前傾です。
ハンドル幅は違いますが、Z650RS、XSR700とおよそ同じ乗車姿勢になります。
・Z650RS:24.5% 32.8%、・XSR700:24.8% 32.7%、CB1000Fはもうちょっと直立気味。
・CB1000F:20.2% 28.3%、・Z900RSはもっと直立です、・Z900RS:16.0% 23.8%。
実際にCB1000Fから直後に8Tに乗り換えると、結構前傾に感じますね。
ステップ位置はおよそ一般的な位置でCB1000F、XSR700は少し前で、さらにラバーステップなので、ツーリングの楽さはこれらの方が上です。
8Tはこのスタイルならラバーステップにしてくれると、よりよかった気がします。
シート高は810mm。シートとステップの垂直距離を画像から推定すると513mmくらいです。CB1000Fノーマルシートは493mmくらいなので、それより膝が楽になっています。
筆者は175cm股下82cmですが、普通に乗っていると窮屈感はなく、高速道路を長時間連続走行していると、多少窮屈感を感じてくるくらいですがまあいけます。
普通に乗ってて窮屈感はない
8Tは8Sに比べてシートが優しくなっているそうで、ケツ痛もよりしにくくなっているかもしれません。
シートのクッション性を変えたことにより、乗り味にマイルド感を出しているとのことで、サスペンションはセッティング含め、8Sと全く同一なのに優しい乗り味になったということだそうです。
8シリーズはクラッチレバーがちょっと重めで、他のミドルバイクたちの方が大抵軽いです。ただクイックシフターがデフォルトなので、まあ良しだとは思います。
積載力は初期状態でほぼゼロで、キャリアなど増設したいところなので、8S、8R用のものが使えるかどうかじっくり見てみました。
筆者は8RにSW-MOTECHのリアキャリアとサイドキャリアをつけていますが、これを移設できるかじっくり見たところ、ぎりぎり干渉しそうな感じで、車体側をちょっと削らないと無理か、ギリギリ接触でいけるか実際やってみないとわからなそうな具合です。
積載力は初期状態でほぼゼロ
移設できれば8TTに乗り換えも真面目に考えられるだけに、個人的に惜しいポイントです。
燃費23.4L、タンク容量16L、374.4km。8S、8Rから2L増えたので航続距離がだいぶ伸びました。
参考までにホンダCB1000Fは同じ16Lで、スペック上は17.9km/L。筆者実測はリッター15kmなので筆者航続距離は240km。250ccオフ車レベル以下という、本日時点の実績では見るも無惨な航続距離になっています。
GSX-8Rはリッター25くらい走っていて、スペック燃費よりそんなに悪くならないイメージなので、8Tは遠出なら400kmくらい余裕でいきそうな気がしますね。
GSX-8シリーズはどこを走ってもだいたい20いくつと、ぶれが少ないのが良いですね。
高速道路に欠かせないスクリーンの整流効果ですが、8TTにはなかなか性能の高いヘッドライトカウルがついています。実質アンダーカウルとセットで本体8万円、CB1000Fのヘッドライトカウルは10万円ほどするのでこちらの方がリーズナブルです。
高速道路に乗るなら8Tより8TTを全力推奨しますね。ヘルメットや肩に風圧はあるものの、100km/h連続走行もいけます。
スクリーンが大きいと逆にヘルメットに風が集中しすぎて、風切り音が増えて走っていられないほどになるケースもありますが、8TTのスクリーンは小型なので、一般的な身長なら頭に風が集中しないため、風切り音が増えません。
CB1000Fのヘッドライトカウルの風防効果とは、ちょっと風の当たる部分が違うものの、体感ではおおよそ同じくらいのレベルです。
120km/hは走れるものの連続走行は疲れるので、猛者以外は長時間は無理と思った方が良さそうです。筆者の8Rはオプションのツーリングスクリーンをつけているので、それに比べると8TTはさすがに整流性能で劣ります。高速を速く駆け抜けたい人は、ファミリーの中では8Rにツーリングスクリーンがおすすめです。
8TTのスクリーンは小型
走行安定感は十分で、高速道路連続走行に不安はありません。
加速力はとてつもなく余裕のある水準で、6速で80km/h、100km/hからでも、一瞬で追い越しできます。ここは2気筒車の特徴で、これより速いのはアフリカツインファミリーくらいでしょうか。
ちなみに1800ccの水平対向6気筒エンジン、ホンダGold Wingも速いですが、瞬発力は明らかに8Tの方が高いです。
メーターが普通のスズキのカラー液晶で8S、8Rと同じです。デザインのレベルが高く、情報が読み取りやすく、スタイリッシュで良いですね。今時ナビ表示などできないのが惜しいポイントです。
ミラーはバーエンドミラーで好みは分かれそうですが、個人的には見やすくて好きです。横も真後ろもよく見えます。丸なので横幅が広くなく、CB1000F標準ミラーなどと見やすさは同等くらいでしょうか。旧型Z900RSの方がハンドル幅の広さのおかげで、視野は広いと思います。
ミラーはバーエンドミラー
GSX-8Tのミラーはブレが少ない設計になっているようで、メーカーのこだわりらしいです。確かに高速で鬼加速してもブレないので、常に後方視界は良好です。
車重は203kg、重量バランスも良いので十分な軽量感があります。
エンジンは低回転から十分に速く、例えばCB1000Fよりピーク発生回転数が低いので、常用回転域では明らかに速いです。
車体サイズは長さ2,115、幅775、高さ1,160、シート高810mm、CB1000Fより幅が少し狭いです。シート下も細いので直後に乗り換えると、横がコンパクトに感じます。
最小回転半径2.9m、・GSX-8Rは3.2m。・CB1000Fは2.8m、・Z900RSは2.9m、・Z650RSは2.6m、・XSR700は2.7m。
回転半径はこのクラスではおよそ普通で、ハンドル幅も広くないので、取り回しは余裕がある方です。
GSX-8TTにマッチする人はこんな感じです。
・見た目に惚れた、・重厚感より軽快感、・加速感を味わうのが心にしみる、・ほどよく性能の高いスクリーンが好き、・装飾フィンとか無理な本物志向、・ツインこそ正義だ、・座右の銘はいぶし銀。
8Tは8Rよりも路面や風のダイレクト感があって、これはこれでなかなかに楽しく、取り回しの気軽感がだいぶ大きいので、ホンダCB1000Fと同じように毎日気軽に乗れる相棒感のあるバイクです。
リアキャリアが干渉するか怪しいので、一旦それを検証しつつですが、リア形状が一緒なら即注文していた勢いでしたね。改めて今度うちの8Rを持ち込んで詳細検証しようかと思っています。