フルカウルバイク、前傾ヤバさランキング【国内全30車種】
2024.02.25
チェーンメンテ不要論。
バイクのチェーンメンテナンスは、たびたび議論になるテーマです。「シールチェーンはメンテ不要だ」という意見もあれば、「きちんと手入れすべきだ」という意見もあります。噛み合わない議論が続くこの問題について、本稿では経済的な損得という視点から整理します。感情論や理想論ではなく、あくまで数字で比較します。なお、対象はシールチェーンに限ります。
シールチェーンの耐久性は、およそ30,000km程度といわれています。しかし、一切メンテナンスをしない場合、寿命はその2/3、最悪では半分程度になる可能性があるとされています。つまり、15,000km程度で交換が必要になるケースもあるということです。チェーンメーカーは、長持ちさせるためには定期的なメンテナンスが必要だと説明しています。メンテナンスが寿命に直結するという点は、一定の共通認識といえます。単純に考えると、メンテナンスをすれば30,000kmで1回交換。メンテナンスをしなければ15,000kmごとに交換。
メーカーや販売店からは、500km〜1,000kmごとの清掃・注油を勧められることがあります。しかし、シールチェーンは内部にグリスが封入されており、外から注油しても内部の回転部分には届かないという意見もあります。これが「不要論」のベースにある考え方です。一方で、シールリングやローラーなど、外部にも摩擦部分は存在します。メーカーは、これらへの注油で寿命が変わると説明しています。また、防錆の観点では注油の効果は否定できません。特に屋外保管や海沿い環境では、メンテを怠ると錆びやすくなります。ただし、「面倒」という心理的負担も無視できません。寿命が多少短くなるだけで走行に支障がないのであれば、交換を早めればよいという考え方も成立します。
ここからはコスト比較です。メンテナンスをすれば30,000km持つ。しなければ15,000kmで交換。メンテ頻度を1,000kmごととすると、30,000kmまでに30回。
HONDA CB400SFを例にします。純正チェーン価格は約10,798円。交換工賃3,800円。合計約15,000円です。
自分で実施する場合はどうでしょうか。30回の清掃で交換1回分、約20,000円を浮かせると仮定します。1回あたり約667円の価値です。用品コストを差し引くと、実質500円程度。作業時間30分以内なら最低賃金水準でイーブン。GROMではさらに厳しくなります。経済合理性だけで見ると、多くの人にとっては交換した方が得になります。
チェーン交換には環境負荷があるという考えもあります。しかし、鉄はリサイクルフローが確立されています。リサイクル価値もある金属です。一方で、清掃時の排水や走行時の油の飛散も環境負荷になります。どちらが絶対的に優れているとは言い切れません。
経済的に不利でも、メンテに意味を見出す人はいます。・掃除や磨きが好きな人、・汚れが気になるきれい好きな人、・フリクションロスに敏感な上級者、・5分で作業できる熟練者、・20万円〜50万円クラスの高級チェーン使用者、こうした人にとっては、メンテナンスは合理的な選択になります。