フルカウルバイク、前傾ヤバさランキング【国内全30車種】
2024.02.25
いろいろあって2台目のモトグッツィV7を、買って取り替えた筆者が、V7のスゴさについて。
所有中、元所有バイクの、スズキSV650、GSX-8R、カワサキZ900RS、などと比較しながら、紹介していきます。
モトグッツィV7とは、横に張りだしたエンジンが特徴の、一目見ただけで唯一無二であることを、感じとれるバイクです。
MOTO GUZZI V7 Stone
この張り出した形は、縦置き90度空冷Vツインエンジンという、絶滅危惧種で、モトグッツィしか作っていません。
これが普通に公道を走れるというだけで、世界遺産に認定した方が良いかもしれない。
Vツインの魅力に取り憑かれると、最後はここに行き着いてしまう、まさにヘンタイな魂たちの最終処分場が、モトグッツィというメーカーのバイクたちです。
エンジンが縦置きのためチェーンは使わず、シャフトドライブになっていることも、特徴の一つです、チェーンがないから静かかと思いきや、別のメカ音があるものの、進行方向を向いたシャフトが、直進安定性につながると言われています。
V7はこういった独得のパッケージングですが、今後新しく出てくることはないので、モトグッツィがやめたら絶滅確定。
現行モデルは、クラシカルなスタイルのSpecial、モダンなStoneが中心のモデルです。
Specialはメッキ仕上げ箇所多数、アナログ2眼メーターを最近まで、継続していました。
Stoneはマットな仕上げが多く、Special Edition、TEN、Corsaなどの、特別仕様車も展開しています。
2025年モデルは電子制御スロットルに、アップデートし、新たに走行性能を上げたSportも追加、Specialもデジタル単眼メーターになって、Stoneとの差があまりなくなり、クラシカルなスタイルは2024年までのモデルで、終焉を迎えた感があります。
モトグッチはV7以外も縦置きVツインの、車種展開ですが、1921年設立以来100年続く、イタリア最古のバイクメーカーです。
V7は2021年にエンジンがV9と統合され、744ccから853ccになっています、そういう歴史によりV7という名前でありながら、853ccで「あれ?」と名前になっていますが、そのへんイタリアなので気にしないでください。
V7の走行フィーリングとして、特徴的なものを紹介します。
旋回時の車体バンクがやたら素直で、車体のサイズ感や重さから想像するより、軽々動かせます、これはエンジンの縦置きレイアウトによるものとのことで、筆者はこの旋回感覚がたまらなく好きで、ついV7を買ってしまいました。
スパッとバンクして、すーっと曲がっていく気持ちよさは、初見で「おっ?」となる人が多いでしょう。
なかなかにメカメカしく、勇ましい音で目覚めるエンジン。
低回転はまずまず鼓動感があって魅力的です、ゆっくり走るのが心地よく、のんびり走行もストレスを感じません。
エンジンを回していくと、まるで振動が減っていくかのような感覚は、Vツインならでは、爽快感のある走りができて、低回転と高回転で二面性を楽しめるのも魅力です。
クラッチを切った時などのエンジン回転変動が、ゆっくりめで急かされず、シビアな操作をしなくて良いので、いつも気楽に乗れます。
ヤマハSR400なども同じような感覚ですが、こういった特性のおかげで、下道のんびり走行が快適です。
エンジンが縦置きということもあり、エンジン始動時と停止時に横に揺れる特徴があるので、慣れないと戸惑うかもしれません、サイドスタンドをかけた状態で、エンジン始動と停止をすると安心です。
縦置きVツインエンジン
アクセルONでも横に力がかかりますが、走行中は気にならない程度です、シフトダウンでブリッピングするとき、回しすぎると横の力を感じます。
クラッチが一般的なバイクの湿式多板と違い、乾式単板クラッチで、四輪のマニュアル車と同じような構造です、といっても、操作の仕方も体感も普通です。
ギアが新車時ニュートラルに入りづらいとか、いろいろありますが、そのうち整うとみなさん言っています。
エンジンスペックはこの通りです、目を見張るスペックでは全くありませんが、低めの回転からトルクがあるので、十分な速さがあって走りやすいです。
853cc、48 kW (65 HP) / 6,800 rpm、73Nm/5,000rpm。
車重はV7スペシャルが223kg、ストーンが218kgで、軽量級ではないものの、超重量級というほどでもありません、以前の普通二輪教習車CB400SFと、おなじくらいの取り回し体感です。
回転半径はスペックに記載がなく数値での比較はできませんが、こちらもCB400SFの2.6mと近い水準に感じます。
シート高は780mmと現代のバイクでは低めで、地面は近めですが、シートとペダルの垂直距離は502mm程度、ペダルがやや前に出ているので、着座位置との実距離は519mmあり、脚の窮屈さを感じにくくなっています、実距離の65%、股下87cm以下ならおそらく窮屈感はありません、実距離の60%、股下80cm以下ならさらに余裕に感じると思います、着座位置の自由度もあるので、高身長でも何とかなるでしょう。
燃費と航続距離ですが、タンク容量21L、燃費はスペック値にはありません、実際にはおよそリッター20以上は走り、環境などによって25〜30くらいでも不思議ではないくらいで、20で計算しても420km、25で計算すると525kmと、航続距離お化けチームに入れそうです。
ただしその分結構減ってから給油すると、ハイオク20L近く入れることになって、心が削られたりします。
概ねこのクラスでは燃費は良い方なので、お財布にやさしいのがありがたいです。
高速道路は概ね快適です。
90度Vツインエンジンの特性で、回転を上げても不快な振動が増えにくく、体感的には振動が減るような感覚になるのが、V7の特徴の一つです。
四輪車の列をすいすい駆け抜けるだけの、十分な機敏さもあります。
スクリーンがなくてもなぜかネイキッド一般より、風当たりがきびしくないと感じるのは、実は無意識にゆっくりめに走っていることによるのか、ただの気のせいかもしれません、ちなみに純正ウィンドスクリーンもラインナップされています。
スクリーンがなくても風当たりが厳しくない
直進安定性は高くない方で、ホンダCB1300の抜群の安定感には当然及ばず、スズキGSX-8Rの安定性にも劣ります、旋回性能に振ったヤマハXSR700くらいの体感で、路面ギャップなどの影響をやや受けやすいと感じますが、比べるとというレベルなので、普通あまり気にならないと思います。
ステップ配置の余裕さもあって、長時間走行も体の負荷は少なく、心地良いロングツーリングができるでしょう。
ヨーロッパで普及しているバイクは、積載部品が充実しているものが多く、V7も荷物を積む方法がたくさんあります。
純正のリアラックはクロームと黒があり、メッキ仕上げのスペシャルと、マットなストーンの、それぞれに合う仕上げが用意されています、このへんはさすがイタリアですね、このラックはグラブバー部分が上に張り出していて、やや荷物を積みづらい感があるのが惜しく、トップケース部品もやや付けづらいという、少し残念なところはありますが、工夫すればどうにでもなります、41,800円とややお高めです。
純正のリアラック
純正サイドバックサポートブラケットは、汎用サイドバッグも付けられますが、クイックリリースサイドバッグが使えて便利です、ただしサポートが65,340円とやはりややお高め、サイドバッグが89,100円と、揃えると結構な金額になります。
社外品キャリアもいろいろあり、SW-MOTECHサイドキャリア、ヘプコアンドベッカーサイドキャリア、KlickFixキャリアなど、ケースやバッグをワンタッチ接続できるものが、豊富です。
SW-MOTECHはクラシカルなLEGEND-GEAR、スポーティーなURBAN ABSサイドケースが、つけられます、キャリアは片側15,000円くらいで買えるので、お手頃です。
ヘプコアンドベッカーはC-BOWが、5万円前後、バッグをつけていないとトゲトゲしているのが、好みが分かれそうですが、バッグ搭載位置を前後50mm上下30mm移設する、キットもあるので、マフラー干渉などがある大きさのケースには、便利です。
KlickFixキャリアは左右で1〜2万円くらい、こちらはバッグ側アタッチメント単体も買えるので、バイク用に限らず好きなバッグに、アタッチメントをつければ、どんなものでもワンタッチ接続できるため、使いやすいです、ちなみに はヤマハの純正オプションなどにも、使われたりしています。
https://www.amazon.co.jp/LONGRIDE-CLICK-ONサドルバッグ用ブラケット-モト・グッツィV7-Special-BR-1084/dp/B0BL78JVJ4?th=1
積載関連は日本では汎用バッグを気合いで、くくりつける製品が多いですが、車両にワンタッチ接続するものが、明らかに安定して便利なので、そういった製品が充実しているV7は、安定した積載がしやすいバイクとなっています。
では近い排気量のバイクと比較していきます。
まずスズキSV650/SV650X、こちらは645ccと、V7より200ccほど排気量が小さいですが、V7と同じように90度Vツインを搭載した、貴重なバイクです。
SVのエンジンはもちろん横置きで、水冷エンジンのためV7より鼓動感の主張は少なく、より扱いやすいバランスです。
低回転の鼓動感はちょっとあるくらいで、V7はSVのVツイン感を増幅させたくらいの感じでしょうか、SVでVツインに魅せられたら、V7に突撃してしまうのは、それはきっと自然の摂理です。
V7 1台分でSVが2台くらい買えるので、普通の人にはSVをおすすめします。
排気量が少し上がってスズキGSX-8S/8R、こちらは775ccなので、V7の排気量にそこそこ近いです、Vツインではなく直列270度クランクツインで、エンジンの主張が少なくスムーズなので、体感的な方向性はだいぶ違います。
V7と比べると性能は全ての面で上と言っても過言ではなく、静かな上全域で振動少なく、加速性能は段違い、サスペンションも高性能で、直進安定性が高く旋回性能も充実、仮にV7から乗り換えると、全てがレベルアップした感じを受けるでしょう。
ただし270度クランクでVツインに近いとはいえ、鼓動感とはほぼ無縁なので、そういう方向性や、縦置きエンジンの特性、見た目に惹かれる人は、V7が楽しめると思います。
カワサキZ900RSはV7と同じ丸目ネイキッドです、こちらは948ccとV7より100ccくらい大きく、直列4気筒エンジンを積んでいます。
ストファイZ900より丸目のRSの方がキャラクター近く、V7の価格がだいぶ上がってしまったため、ほぼ同じ価格になりました。
性能はやはり全ての面でZ900RSが上なので、普通はこっちを選ぶでしょう。
しかし人とかぶるのが嫌、さらなるロマンを求める人は、ぜひV7に突撃してみてください。
生産終了したヤマハのクルーザーBOLTですが、筆者は派生モデルのSCR950を持っていて、こちらは941ccの空冷Vツインエンジンで、実はV7に近い存在です。
エンジンはもちろん横置きで、バンク角60度の空冷Vツイン、60度のため振動特性は違うものの、低回転の鼓動感と高回転で振動を感じにくくなるところは、よく似ています。
YAMAHA SCR950とV7は近い存在
中古車もそれほど高くないので、お手軽に空冷Vツインを味わいたいなら、BOLTの中古を探すのが、コストがかからなくて良さそうです。
モトグッツィは100年以上続くメーカーですが、ラインナップは少なく、現在時点ではV7の他に。
V85、V100、Stelvio。
3種類が展開されています。
V85はアドベンチャー系モデルで、V7と同じ空冷Vツインエンジンを積んでいます、国内で見ることはほとんどないので、絶対に人とかぶりたくない人には良さそうです。
MOTO GUZZI V85
V100は、1,042 cc水冷Vツインエンジンの、ロードスポーツモデルで、2024年モデルとして登場しました。
Stelvioも、同じ水冷エンジンで、こちらはアドベンチャーツアラーモデルとなっています。
現行の空冷V7たちがいつまで存続するかはわかりませんが、次の排ガス規制を空冷で通すのは難易度が高いと、言われています。
モトグッツィのバイクは、ピアジオグループジャパンが取り扱っていて、正規ディーラーは、Vespa、Aprilia、MOTO GUZZI、をまとめて扱っています、Vespaの看板があれば、そこにMoto Guzziがあると思って、およそ正しいです。
正規ディーラーではありませんが、レッドバロンでも新車を買えるので、レッドバロンユーザーは、そこでも良さそうです。
整備レベルは話している感じでは、正規ディーラーの方が間違いないので、近くにあれば正規ディーラーに行った方が、安全とは思います。
モトグッツィのバイクはとても魅力的なので、気になる人はぜひ見に行って、V7ワールドへ迷い込んでみてください。
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