バイクの生産国に注意すると、ハズレを避けられるかも

【実録】バイクの生産国による品質差とは?筆者の実体験に基づいた紹介。

新車でバイクを購入しても、不具合や初期トラブルに見舞われるケースは少なくありません。特に、生産国によって品質のばらつきがあると感じたことはないでしょうか?本記事では、筆者がこれまでに実際に所有・試乗してきたバイクの体験をもとに、生産国ごとの傾向や、購入時に注意すべきポイントを紹介していきます。

※紹介する内容はあくまで個人の実体験に基づくものであり、全ての車両・メーカーに当てはまるものではありません。

1. タイ生産バイクの実態

筆者が過去に所有してきたタイ生産バイクはいずれも何らかのトラブルが発生しており、結果的に「ハズレ率が高い」と感じる経験が多くありました。

(1)Z400

KAWASAKI Z400

KAWASAKI Z400

KAWASAKI Z400では納車直後からギアチェンジに問題があり、「バリバリバリ」と異音を発しながらシフトがうまく入らない症状が頻発。何度修理に出しても直らず、最終的にはバイクが戻ってこないまま1年が経過してしまいました。

(2)GROM

HONDA GROM

HONDA GROM

納車直後からハンドルがわずかに曲がっていることに気づき、初回点検では改善できず再入庫。その後も2速から3速にギアが入らないなどの不具合が続き、トランスミッション全体の交換に至るケースもありました。

(3)CB250R

発進直後の低速域でエンストする謎の症状が発生。明確な原因は不明でしたが、走行中の不安感につながるものでした。

(4)ZX-4R

KAWASAKI ZX-4R

KAWASAKI ZX-4R

納車初期にクイックシフター使用時のギア戻りや、雨水による錆防止のためのフレーム穴追加、プラグの締め不良など複数のリコール対象になりました。とはいえ、これは比較的軽微なケースでした。

(5)W230

直近で購入したW230では、リアブレーキからの異音が800km走行時点で発生し、寒暖差による影響の可能性が考えられる状況です。

(6)Z e-1

KAWASAKI Z e-1

KAWASAKI Z e-1

また、電動バイクのZ e-1でも2回目の充電時にバッテリーが充電できなくなるというトラブルが発生。こちらは充電器の交換で対応されましたが、その後もバッテリー不具合の可能性によるリコールが通知されるなど、不安の残る結果でした。

これらの経験から、筆者個人としてはタイ生産のバイクについて慎重に検討すべきだと考えています。

タイ生産ハズレ率

タイ生産ハズレ率

2. イタリア生産バイク

筆者が所有していたモトグッツィV7は2台ともイタリア生産でした。1台目ではギアが硬くニュートラルに入りづらいという症状が見られた一方、2台目は非常にスムーズ。組み立て精度やデフォルトのセッティングに個体差を感じる場面もありましたが、大きな不具合はありませんでした。

イタリア生産ハズレ率

イタリア生産ハズレ率

3. 中国生産バイク

スズキのGSX250R(中国生産)は、筆者が1年以上所有する中で一切のトラブルがなく非常に安定して使用できています。サンプル数は1台のみですが、少なくとも筆者の経験上では「ハズレ」を引いたことはありません。

中国生産ハズレ率

中国生産ハズレ率

4. インドネシア生産バイク、生産ハズレ率

筆者がこれまでに所有したインドネシア生産のバイク(YZF-R3、KLX230SM、GSX-S125)は、いずれも目立ったトラブルはありませんでした。ギア操作にわずかな違和感があったケースもありましたが、カワサキ車でよく見られる傾向と考えられ深刻な問題とは感じていません。

インドネシア生産ハズレ率

インドネシア生産ハズレ率

5. 国産バイク

筆者が所有してきた国産モデルは合計8台に及びますが、どの車両にも大きなトラブルはありませんでした。CB1300、CB400、Z900RS、SV650X、GSX-8R、SR400、セロー、XSR700、といったモデルたちは、いずれも安定した性能を発揮し、故障による修理や不便を感じることなく使用できています。

一部、XSR700ではメーターのボタン不良が発生しましたが、これは保証内対応で解消され、走行には全く支障がありませんでした。

国内生産ハズレ率

国内生産ハズレ率

6. まとめ:生産国と品質の関係

筆者の体験をもとに集計すると、以下のような結果となりました。

  • 国産:0%(0/8)
  • インドネシア:0%(0/3)
  • イタリア:0%(0/2)
  • 中国:0%(0/1)
  • タイ:75%(4.5/6)

この結果からも、タイ生産バイクでは不具合の発生率が非常に高く、筆者としては注意が必要だと考えています。もちろん、メーカーや車種によって事情は異なりますし、全てのタイ生産バイクに問題があるわけではありません。しかし、購入時に製造国を確認し、リスクをあらかじめ把握しておくことは、失敗のないバイク選びにつながるでしょう。

将来的に筆者はCBR400Rの購入も検討していますが、製造元が日本であるものの、部品はすべてタイで生産されており、国内で組み立てられる「ノックダウン生産」である可能性が指摘されています。この点にも十分留意した上で、検討を進めていきたいと思います。