バイク比較

2023.11.04

オンオフ混合バイク

オンロードなのかオフロードなのかわからない、オンオフ折衷バイクを見繕ってみました。

CL500・CL250

ホンダCL500とCL250。こちらはクルーザーのレブルをベースにしたスクランブラーです。

車重はほぼレブルと同じですが、エンジンが低回転トルク型に調整されています。

とはいえ250ccの方の運動性能は同じエンジンファミリーのCB250Rが明らかに高いので、あくまでエンジン性能より見た目のスタイルが刺さる人向けのバイクです。

免許証と予算が許せば迷わず500を買いたくなるところですが、見た目ほぼ同じでも車重は20kgくらい違うので、気軽さは結構違います。

スクランブラーは実質ファッションなので、スペックなど気にせず見た目が気に入るものを選ぶことで良いと思います。

DUCATI スクランブラー

DUCATIはスクランブラー系が一番充実しているメーカーです。

スクランブラーファミリーとして、Urban MotardNightshiftIcon DarkIconDesert Sled1100 Dark PRO1100 Tribute PRO1100 Sport PROと様々なモデルがラインナップされています。

ほとんどファッション系で、オフロードを走るのに向いているものではありませんが、Desert Sledはそこそこ本気モードに寄せています。車重200kgオーバーなのでビッグオフローダー系になりますが、地上高とシート高がそれなりに上げられていてスキルがある人ならオフロードもガンガン走れそうです。フロントタイヤは19インチと、オフロードバイクの標準的なサイズ21インチより一回り小さくなっています。

お値段的にも比較的買いやすいのがスクランブラーアイコンです。こちらはオプションカラーを含めて9色設定されていて、とてもいい感じになっています。こちらはフロント18インチタイヤです。

DUCATIは歴史的に90度Vツインが多く、スクランブラーシリーズもVツインです。Vツインは都市伝説でなく気持ちいいので、これも大きなポイントです。

ちなみに、270度クランク直列2気筒もVツインと同じ燃焼タイミングなので、低回転は同じようなフィーリングです。ただ、中高回転になるとVツインは不快な振動が発生しづらいので、270度クランクとは比べものにならない極上のエンジンフィーリングとなっています。例えば、近い排気量の270度クランク直列2気筒、ヤマハXSR700、VツインスズキSV650では、エンジン単体ではSVの方が一枚上です。コストやロングホイールベースなどVツインのデメリットもあるので総合的な優劣はつけづらいですが、いずれにせよVツインエンジンのバイクには独特の価値があるので、DUCATIの存在はありがたいところです。

トライアンフSCRAMBLER

トライアンフのスクランブラーシリーズには、1200、900があり、400Xも発売されます。

1200はフロントタイヤが21インチとオフロードバイクサイズ、900と400は19インチです。

400は2024年1月発売予定、789,000円に決まりました。SPEED400の仲間で、こちらは699,000円です。SR400のファイナルエディションは標準車が60万5000円、リミテッドが74万8000円だったので、リミテッドに近い価格です。同じ400cc単気筒でも、トライアンフの新型は40 PS、37.5 NmとSRとは比べものにならないパワーです。(40 PS (29.4 kW) @ 8,000 rpm、37.5 Nm @ 6,500 rpm)(SRは24PS/6,500rpm、28Nm/3,000rpm)

とても楽しいバイクになっているでしょう。壊れなければ。発売されたらぜひ乗ってみたいです。

ロイヤルエンフィールドSCRAM411 / HIMALAYAN(ヒマラヤ)

ロイヤルエンフィールドのスクラムとヒマラヤは411ccエンジンの仲間です。スクラムの方は194kg、フロントタイヤ19インチヒマラヤは199kg、21インチです。見た目も含めてヒマラヤの方がオフロード感がありますが、スクラムもWebサイトではかなりオフ感を出しています。

重さもあり、地上高も高くありませんが、ヒマラヤを走りましたというワイルドなレビューも載っています。

BMW R nineT Scrambler

BMW R nineT Scramblerは、水平対向ツインエンジンR nineTシリーズのスクランブラータイプです。フロントタイヤが標準モデルの17インチに対して19インチ、ファイナルエディションはタイヤもブロックパターンに替わっています。

価格は2,230,000円からと少々お高いこともあり、目にする機会は少ないと思います。

SCR950

2017年モデルのみで終了したクルーザーBOLTベースのスクランブラーにSCR950があります。クルーザーからシート高は上がっているものの地上高は低く、車重も250kgオーバーなので、オフロードを走るのは相当な上級者でないと気が引けるでしょう。タイヤはブロック系ですが、全体的にあくまでファッションです。

なかなかに見た目カッコイイうえ60度Vツインエンジンが心地良くクセになる楽しいバイクですが、全体的に大きめなので身長175cm程度はないと扱いづらいと思います。

グラストラッカービッグボーイ

2017年に生産を終えていますが、スズキのグラストラッカービッグボーイはブロックタイプのタイヤを装備しているモデルです。車重が130kg台と軽量で、ヤマハセローほどオフロード性能はないものの使い勝手が良く、感覚的には125ccを扱うくらいの気軽さです。軽い車重でちょっとした林道くらいは余裕なので、これ一台あれば幅広い使い方ができるでしょう。

生産終了して数年たっていることもあり、状態の良い車両が少ないのが残念なところです。

スズキのスクランブラー

スズキは60年代までさかのぼるとスクランブラーがありました。

1967年のスクランブラーTC250最高速度は150km/h出たそうです。

1968年、スクランブラーAC50モトクロッサーにするためのキットパーツも多数用意するなど、オフロード需要の高まりに対応していました。

1970年ハスラー90そのままモトクロスレースに出場できるポテンシャルを持っていたバイクです。

ハスラーシリーズはその後いろいろなモデルが発売されました。

1971年バンバン90ちょっと変わったバイクで、スクランブラーというとちょっと雰囲気が違いますが、悪路走行が得意だったようです。サイズ的にもMonkey125と似ていますね。

アドベンチャー

V-StromスズキのV-Stromシリーズはいわゆるアドベンチャーですが、ぱっと見オフロードっぽい雰囲気も感じます。

V-Stromは大家族化してきていて、250SX、250、650、800、1050と5車種になりました。

250SXは250cc油冷単気筒で、フロント19インチセミブロックタイヤ、車重164kgとアドベンチャーでは軽め、地上高を205mm確保していたりと、オンオフをある程度走れるマルチパーパスと言えそうです。

それに対してもともとある2気筒の250は前後17インチタイヤ、車重191kg、地上高160mmとなっていて普通のオンロードツーリングバイクです。

250ccの2つははかなり方向性が違うので、62_2選ぶ際は注意しましょう。

650もオンロードツーリングバイクですね。

800と1050は無印とDEがあり、64-2DEの方は21インチセミブロックタイヤでオフロードに寄せてあります。

AfricaTwin

ホンダアフリカツインは、車重230から250kgクラスと重量級ですが、本気度高めのアドベンチャーです。オフロード界隈でも実際にアフリカツインでダートを走っている人もいて、上級車が行き着く先の一つのようです。

走行モードはデフォルト4つとカスタマイズ2パターンが登録でき、デフォルトにはオフロードもあります。ウィリーコントロールレベル選択、リアABSカットもできます。

以前は受注期間限定モデルのSタイプもあり、地上高はノーマルモデルが210mmのところ、250mmに上がっています。サスペンションストロークも長くなっていて、よりオフロード本気度が増しています。

TRANSALP

ホンダトランザルプはオートキャンセルウインカーリアキャリアETCUSBなどが標準装備されていて、利便性の高いアドベンチャーっぽいです。

ただ車両自身はシート高850mmと高めで、地上高210mm21インチタイヤABSキャンセル可能と、オフローダーに寄ったスペックです。

ガード類のオプション装備も充実しているので、ビッグオフローダー的に使うことも十分に想定されているようです。アフリカツインの弟、という感じですね。

体型が合わない人のために3cm下がるローシートがあります。これを使うと820mmになるので、裾野が広がっています。レンタルバイクはローシートを装備しているものが多いようなので、試乗やレンタルの際はどちらのシートか確認することをおすすめします。

Versys

カワサキヴェルシス。1000と650がありどちらもオンロード用です。例によって砂利道などを走っている宣材画像がありますが、こういうのは向いていません。

普通にツアラーとしては良く、例えばNinja650をツアラーとして使うよりさらに向いています。

VERSYS1000はオンロード17インチタイヤで車重257kgなので、勘違いしないようにワイルド系の画像は出さない方が良いと思いますが、各社スクランブラーも含め性能と一致しないイメージ画像が多いですね。

CRF250RALLY

ホンダCRF250RALLYはオフロードモデルのCRF250Lをツーリング向きにしたもので、一応アドベンチャーにカテゴライズされることが多いです。こちらはオフロードバイクをオンロードに寄せたものなので、何ならダートやガレ場などにも向いています。車重153kgとそこそこ軽量で、250ccにしては良く走るホンダ250cc水冷単気筒エンジンのため高速道路走行などもまあ悪くない性能となっていて、今回紹介する中で一番オンオフバランスが取れているように思います。

よりオフロード特化のCRF250Lより、日常使いにはRALLYの方が合う人が多いでしょう。

Ténéré700

よくアドベンチャーとして紹介されるヤマハのテネレ700ですが、こちらは正確にはビッグオフローダーです。オンオフ折衷というよりガチオフに近いので、今回紹介する中で一二を争う本気のオフローダーです。喩えると甲子園にメジャーリーガーが来た感じですが、オンロードも快適に走れるので、せっかくなので紹介します。

テネレは地上高240mm、シート高875mm、車重205kgです。それほど重くないですが、実際に触るとかなり大柄な車体です。メーカーによるとオフロード性能に9割振ったそうですが、オンロードも普通に快適に走れます。ペンたろうは同じエンジンを積むXSR700に乗っていますが、テネレの方が個人的には面白いです。

折衷パターン

折衷パターンですが、ざっくりスクランブラー系とモタード系にわかれます。

スクランブラー系は、オンロードバイクのタイヤをブロック系に変え、その他排気の取り回しなどを上の方に移動しています。およそファッションなので、排気系が路面に近いところにあったり、オフロードNGなものも多いです。

モタード系は、オフロードバイクのタイヤやサスペンションまわりをオンロード向けに変えたものです。モタードは車両も軽くよく動くので、スクランブラーよりオフロードを走るのは楽に思いますが、ここは人によって分かれるかもしれません。

このほかに、オフロードバイクのオンロード適性を上げたものもあり、ビッグオフローダーなどはオンロードも快適に走れるようになっているものもよくあります。

KLX230SM

最近カワサキからW230とあわせてオフロードモデルのKLX230復活の発表がされましたが、モタードのKLX230SMは2022年に発売されて瞬間的に終売したモデルです。KLX230が復活するということは、せっかく2022年にリリースしたモタードの部品があるのでモタードモデルもリリースされるでしょう。

KLX230SMはモタードなので、車体は軽く動かしやすい特徴があり、オンロードタイヤとサスペンションにより街乗りにも使いやすくなっています。この車両特有の低速ふらつき感は慣れが必要ですが、それ以外は高速道路走行も含め万能に使えます。17インチのオンロードタイヤなのでオフロード向きではありませんが、軽いオフロード車体なので軽い林道くらいはいけるでしょう。ただし無理は禁物です。

KTM 690 SMC R

KTMはオフロードバイクもいろいろ作っていて、690エンデューロの仲間のモタードがあります。690cc水冷単気筒というビッグシングルで面白そうですが、なかなか乗れる車両が少ないのでなかなかチャレンジしにくいのが惜しいところです。