フルカウルバイク、前傾ヤバさランキング【国内全30車種】
2024.02.25
スズキGSX250Rですが、想像以上に楽しいバイクだったので、スゴさを分析してみました。
GSX250Rはとても乗りやすいバイクです。かなり低いエンジン回転でも涼しい顔をしてスムーズに走ってくれるので、街乗りなどでは気持ち良く走れます。例えば同じスズキのGSX-S125は、6,000回転くらい回すと本領を発揮するため、高回転キープの走り方になります。GSX250Rは、2,000回転台も普通に使えるので、時速40km制限の道路を6速キープで走ることも不可能ではありません。もちろん大型バイクほどの爆発的な加速感はありませんが、使いやすい回転数の幅が広いので、どういう道でも気持ち良く走れることが大きな魅力となっています。
GSX250Rは、アクセルのON OFFで挙動変化が少なく、気を抜いて運転してもギクシャクしにくいのも特徴です。どんなバイクでもアクセルをOFFにしないギリギリで保てばギクシャクしにくいものの、常に神経を尖らせなくても安定した走りができるので、長時間走って疲れていても気楽に楽しく走れるのがポイントです。
GSX250Rはブレーキのコントロール性が高い
スズキといえば、ブレーキのコントロール性が高い車両が多いですが、GSX250Rもそれに漏れず、特にリアブレーキのコントロール性は安心感があります。GSX250Rは、ブレーキの制動力は高い方ではありませんが、
スズキ独特のコントロール性は健在なので、ストップアンドゴーのような場面もスムーズに走れるでしょう。
エンジンのピークパワーがライバルに比べて低いことや、フロントフォークが正立フォークであることなど、スペック表を見ただけでネガティブなコメントをする人がいます。しかし、ピークパワーが低いのは低回転側に性能を振っているからで、おかげで街乗りが使いやすくて楽しくなっています。とても250ccとは思えない性能で、400ccくらいに乗っているように感じる人も多いでしょう。フロントフォークも、倒立というとウケがいいですが、サーキット走るわけではないので、正立の方が安く、メンテナンスも楽で、正直正立の方がありがたいと感じる場面の方が多いでしょう。
GSX250Rは挙動変化が少なくて乗りやすいバイクですが、そういうバイクは退屈なのでは、と疑問に思うかもしれません。実際は、GSX250Rは不思議と抜群に面白く、セパレートハンドルでありながら、旋回がネイキッド感覚で気持ち良く曲がります。こういった性質は、数字では気づきにくいポイントです。
先にも400ccくらいに乗っている感じと表現しましたが、全体的に乗り味が上質です。安定性が高いこともありますが、振動の少なさ、挙動変化のマイルドさなど、徹底的に作り込まれていて、それによって走りの上質感を生んでいます。一言で言うと、値段よりも良いバイクに乗っている感じでしょうか。
エンジンは低中回転重視で、街乗りの加速感が秀逸です。バイク乗ってると、ほとんどの時間低中回転を使っているので、そこが使いやすいことは走りの楽しさに直結します
売りやすいスペック数値ではなく、本当に気持ち良くて楽しいところにリソースを振ってくれるところが、スズキというメーカーのすごいところです。
GSX250Rの前傾率
GSX250Rはほどよい前傾姿勢で、長時間走行でも疲れにくいポジションです。ステップ位置もレーシーな感じではなく、ネイキッドバイクレベルの楽な感じで乗れるでしょう。
GSX250Rのステップ
疲労軽減の対策はいろいろされていて、ステップにはラバーが貼ってあるため、足が痛くなりづらく、振動も軽減されています。また、ハンドルバーエンドも大きめのものがついていて、ハンドルの振動も抑えられているようです。ステップの錘も足の振動をカットしているでしょう。シートはしっかり弾力があるので、ケツ痛にならないことも重要なポイントです。
GSX250Rのハンドルバーエンド
スペック上では、燃費と航続距離はこのようになっています。
GSX250Rの燃料タンク
500km近く走るというのは、給油回数はかなり少なくでき、長距離移動にもとても使いやすいマシンとなっています。
標準で積載スペースはないので、キャリアなどの増設をすると積載がしやすくなります。以下2種類が現在販売中のようです。
軽いバッグをつけるならキジマの方がコンパクトで良さそうです。
全体的に良いバイクですが、ミラーは見やすい方ではありません。カウルミラーのため調整はできず、社外品への交換も有益ではありません。ミラーの幅が狭いので、肩幅が広い人は見づらく、女性など肩幅が狭い人は見やすいかもしれません。
また、最小回転半径が2.9mと大きめで、取り回ししやすい方ではありません。車重も250ccししては重い方です。
スズキと言えば、ポンと押すだけでエンジンかかるイージースタートシステム搭載モデルが多いですが、GSX250Rにはありません。ただ、もともと短いプッシュでエンジンがかかる仕様なので、それほど使いづらいことはないでしょう。ローRPMアシストもありませんが、低回転トルクが厚いので実質的に不要です。
同じスズキのGSX-8Rは、比較的近いエッセンスを感じるバイクです。GSX250Rは、実際に乗ってみると、コンパクトなGSX-8Rというイメージを持つ人もいるでしょう。逆に言うと、GSX250RユーザーがGSX-8Rに乗り換えると、シンプルに大きく速くなったと感じるくらい、親和性が高くなっています。
GSX250Rは、2017年に販売を終了したカワサキのエストレヤにも方向性が近いです。エストレヤを速く機敏にした感じで、のんびりツーリングが楽しいというところに、近い匂いを感じます。ロングストロークエンジンがそう思わせるのかもしれませんね。
CB250Rは軽量ネイキッドなので、軽さと瞬発力が売りのバイクです。CB250Rは、GSX250Rより元気でアグレッシブな感じで、これはこれで使いやすいバイクとなっています。
GSX250Rは、250ccの中で珍しい存在なのかもしれません。ファミリーのV-Strom250と並んで、日常使いに特化した、利便性だけでなく楽しさも兼ね揃えた、とてもレベルの高いバイクに仕上がっています